ソフトウェア: 2012年8月 アーカイブ

 この "CNET" での "IT業界" に関する記事を読むたびに、海外(米国)の "IT業界" での "人材" への洞察が如何に豊饒であるかを思い知らされてきた。だから、このブログでもしばしば引用させてもらっている。

 "IT" の成果を、"技術的な専門知識" の累積だけで可能であるとは見なさなず、"技術的人材" の "幅広い能力資質" や、その集合体としての "組織・プロジェクトのあり方" などに細心の注意を払っている事実が素晴らしいと思えるのだ。
 これは決して "美しい作法" とかという筋合いの話ではないのである。より高度で安定した成果を産み出そうとリアルに追及したならば、必然的に逢着する "科学的スタンス"、"リアル・ビジネス!" の姿なのだと言うのが正解であろう。

 "IT" の成果を、限定された "技術的な専門知識" 周辺だけの構成物とは見なさずに、"多重構造的" な人間的能力資質の結晶物と見る洞察は、かつてのこの日本の業界にもあったことを自分なりに記憶している。
 ところが、いつの間にか "了見の狭い観点" で捉えられた "技術的専門知識" だけが "過大に評価" されるようになり、これらの "根" であり "土壌" でもある<"技術的人材" の "幅広い能力資質" や、その集合体としての "組織・プロジェクトのあり方" >という課題が、 "不当に軽視" されるようになってしまったようである。"洞察力の劣化!" と言うほかなさそうだ。

 このおかしな推移にはいろいろな原因が介在していたようだが、とりあえず、"IT(ソフトウェア)技術者" における "能力構造定義" が実に曖昧なままにされ続け、その上、市場環境に翻弄され続けてきたという事情が指摘できそうだ。―― "理系"、"文系" という図式的分割が教育制度において支配的であり続けた経緯も、決して小さくない問題だったのではないかと振り返る ――

 "愚痴" めいたことを言ってみてもしょうがなさそうだ。
 残念ながら、今、日本の "IT(ソフトウェア)" 業界が "踊り場" 的状況にあることは否定できないと見える。が、そんな時期だからこそ、これを機に見直すべき点は果敢に見直す必要があるのではなかろうか。
 そうした観点に立つならば、"IT(ソフトウェア)技術者" における "能力構造定義" の問題は見過ごせない課題だと思われる。"能力育成" の指針も、これなくしては叶わないはずだから。

 さて、下記引用サイト記事:「IT業界で高く評価される10のソフトスキル」/CNET Japan/2012.08.07 の内容は、上記のような筆者自身の問題意識と大いに重なり、実に興味深く思えたものであった。

現代のITプロフェッショナルには技術的な専門知識ソフトスキル双方が要求される。このようなことはずっと昔から言われ続けている。しかし、そういったソフトなスキルに対するニーズはどんどん膨らみ続けている

と述べられ、さらに、実はこうした点は<30年ほど前>から既に気づかれていたのではないかとの指摘もなされる。まさにそのとおりなのである。

 こうして、以下 "10のソフトスキル" が、現時点の実情を踏まえて提起されることになる。

#1 : 交渉力と会議力( Deal making and meeting skills )
#2 : 高度なコミュニケーション力( Great communication skills )
#3 : プロジェクトにまつわる第六感( A sixth sense about projects )
#4 : 人間工学に関する感性( Ergonomic sensitivity )
#5 : チームプレーヤーとして振る舞える協調性( Great team player )

#6 : 政治力( Political smarts )
#7 : 教育や指導を行ったり、知識を共有する能力( Teaching, mentoring, and knowledge sharing )
#8 : 「灰色の問題」を解決する力( Resolving "gray" issues )
#9 : ベンダーマネジメント力( Vendor management )
#10 : 契約折衝力( Contract negotiation )

 これらは、まさに<現代のITプロフェッショナル>にとって欠かせない "ソフトスキル" であるに違いない。
 なお、詳細は省くが、筆者はかつて "SE(システムエンジニア)" の "人事考課" における "技術力プラスα の 資質"( =上記の "ソフトスキル" ) として位置づけつつ "13 の資質項目" を実質的内容を添えて下記のように提起したことがある。
 要するに、現場サイドでは、こうした "スキル" の必要性はかねてより気づかれていたのである。問題は、その必要性を軽視し続けてきた "IT、ソフト会社" の経営側における洞察力の無さであったのかもしれない......。

★人事考課 PartⅠ:SEの持つべき資質A
 No.1.幅広い視野と経営的視点での発想力
 No.2.柔軟性・弾力性のある思考力
 No.3.真の問題・本質を見抜く能力(問題発掘能力)
 No.4.システム構築能力と問題解決能力(問題形成・解決能力)
 No.5.変化対応能力
 No.6.情報収集能力
 No.7.情報整理・分析能力
 No.8.文書化能力
 No.9.発表・説得能力
 No.10.折衝能力
 No.11.助言・指導能力
 No.12.チームプレー能力(チームマネージメント能力)
 No.13.システム・マネージメント能力とプロジェクト・マネージメント能力
>( SE Human Assessment ソフトウェア技術者のための評価と人事考課




















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