ウォーキングの帰路、ホームセンターに寄った。おふくろのところに顔を出すのに何か菓子でも買おうかと思ってのことだった。おふくろのところには、週に一回は顔を出し、その際におふくろの身体の調子などを "点検" しようとの算段なのである。調子が良い場合は、朗らかな顔をしているし、そうでない場合は相応の顔つきをしているので、顔を会わせるだけでも状況はわかろうというものなのである。
先々週は食べ合わせが悪かったとかで腹の調子を損なっていたりした。そこでその後、クルマでちょっとした薬やインスタントの粥などを運んだりしたものだった。
週に一度というのもどうかとは思っているが、少なくとも週に一度は出向こうと考えているのだ。それ以外は電話で用を足す形である。
以前、ホームセンターの食料品売り場で昔ながらの "甘食(あましょく)" を見つけてそれを手みやげに持って行ったことがあった。そうしたところ大層喜んだので、しばらくはそれを中心にしたみやげが続いた。しかし、われながらいくらなんでも毎週 "甘食" では芸がないと思い、その都度見計らって別な菓子などを探しているのだ。
今日は、ショップの入り口付近で "出店" ふうに "串団子" を売っていたので、 "みたらし"、"餡子"、"海苔" などの串団子の組み合わせとすることにした。年寄りなので昔風の菓子を選ぶようにしているが、今ひとつ留意しているのは、自分と同様に "血糖値" が懸念される身体なのでハイカロリーなものを持ち込んではいけないという点である。
おふくろに毎度手みやげを差し出すと、いつも決まったように、
「顔見せてくれるだけでいいんだから、何にもいらないんだからね......」
と言う。ただ、これまで、自分が顔を出すと必ず何か、たとえばインスタントコーヒーであったり漬物であったり、そんな包みを持って帰れというおふくろなのであった。だから、そんなにもらってばかりいてはというバランス感覚が無いでもないのである。
最近は、手製のぬかづけの漬物をもらって帰ることが続いてもいる。 "旨い" と言ったもので、おふくろはせっせと作ってくれているようなのだ。まさに "おふくろの味" というところである。
家内は、夕飯のおかずでおふくろの口に合いそうなものがあったりすると時々持って行ってくれている。今晩も先ほどクルマで運んでいたようである。実家の母親をケアする日が続くので、家に居る時は "こっちのおふくろ" にもできるだけのことをしてくれようとしているのであろう。
こうして、ささやかで何でもない庶民の人と人とのつながりに目を向けると、今更のように現在の世相の荒みが哀れに思えてきたりする昨今だ...... (2008.01.26)
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