過激な "信用バブル" と急速な "信用収縮" ......

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 一体、 "サブプライム問題" に端を発しているこの世界経済状況はどうなっていくのだろうか。
 昨日今日の動向は、まさに "パニック" (の始まり?)であり、過剰な反応が事態をただただ悪化させているかのような気配が濃厚だ。特に、バブルっぽく舞い上がっていた中国・インドの株式市場が、一時的な "取引停止" 措置まで採られたという推移は、 "パニック" さながらの状況としか見えない。
 今晩のニューヨーク市場が引き続き "下げ" に見舞われるようであるから(米国のGLOBEX[米時間外金融先物取引]がすでに大幅安となっているとのことだ......)、多分明日の東京市場も、今日に近い "パニック" 的な "株安" 状況となるものと思われる。
 ちなみに、その "パニック" 的様相のひとつは次のように叙述されていたりする。

<欧州系投資家からの売りに加え、個人の投げ売りも殺到。「市場は不安心理が支配している。政策面での期待が薄いことから、売りで利益を得ようとする資金が流入し、下げを加速させている」(大和総研・マーケットアナリストの壁谷洋和氏)という。>(ロイター日本語ニュース 2008年 01月 22日 15:04)

  "サブプライム問題" の原因が、掌握し難い "不透明さ" を含むという点もあるからなのだろうが、それにしても有効な緊急対策が打ち切れずに、とうとう "パニック" めいた反応が表面化するまでに至ってしまったというのが、やはり恐ろしい気がする。

 今現在、突き進んでいるのはどうも "株安" だけではなさそうなのである。あの高騰していた "原油" も、またリスク回避で高値を生んでいた "金" も、さらに為替市場では "高金利の通貨" (ブラジルレアルやメキシコペソなどの中南米通貨や豪ドル、南ア・ランドなど資源国通貨)もが軒並み売り浴びさられて下げているらしいのだ。
 つまり、現時点で展開している経済現象は、 "株" に限らず、商品市場や為替市場での "リスク資産" 全般が、その資金を引き上げられてしまい "安値" の一途をたどっているということのようなのである。
 以前、ある経済アナリストが "サブプライム問題" の本当の怖さは、 "株安&原油高" ではなくて "株安&原油安" である、と言っていたのを思い出す。というのも、今日あたりの動向はまさにそれに該当しそうだからである。
 要するに、 "リスク資産からの資金撤退" という現象が強まるならば、市場経済全体は縮小せざるを得なくなるわけであり、これぞ額面どおりの "経済不況" そのものだからなのである。世に言う銀行による "貸し渋り" も濃厚となり、経済のマイナス現象ばかりが肥大化していくわけだ。
 もちろん、 "過剰な資金" が証券・債券・商品に集中投下される "信用バブル" の経済も危なっかしいことこの上ないわけである。だが、逆に、それが反転した形での "資金の引き上げ" つまり "信用収縮" というのは、市場経済への "兵糧攻め" ということになり、 "経済不況" への雪崩現象につながる不穏な傾向以外ではなかろう。
 今回の "サブプライム問題" というのは、急速に "信用バブル" の坂を駆け上がり、その後脱兎のごとく "信用収縮" へと駆け降りて行くという、そんなプロセスとしてイメージできそうな気がしている。
 そして、よく言われるように、良いにつけ悪いにつけ "実体経済" 自体にはさほどの変化がないにもかかわらず、 "金融経済" の過激な動きそのものが、時代の経済全体を方向づけたり、撹乱し続けたりしているということなのであろう。何だか "バイアグラ" や "覚醒剤" のことをふと想起してしまうのは自分だけであろうか...... (2008.01.22)













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