"インド洋給油新法" 可決は、 "モーターボート競走法" に次ぐ "快挙" か? ......

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 <現行憲法下で参院が否決した法案が衆院の再議決により成立するのは1951年のモーターボート競走法以来、57年ぶり2件目>という "珍事" が起きた。例の "海上自衛隊のインド洋での給油活動を再開するための新法案" のことである。
 何でこんな法律にこだわり、もはや "落ち目" 以外の何ものでもないブッシュの米国に義理立てしなければならないのかと、ただただ腹立たしい思いがする。しかも、海上自衛隊の管轄省庁である防衛省には、広く国民からも疑惑を持たれている贈収賄その他の問題が燻っており、そんな状況下で "なりふりかまわずに" 成立させるとした政府の硬直姿勢は、やはりどこか不自然な感じがしてならない。

 57年前の初発の "珍事" とて、<モーターボート競走法>というのだから、 "ヤスシ" 支援法の類だったのじゃぁなかったのかと揶揄したくなる。国民の誇り高き権利獲得のために、民主主義の通例手続きを覆しての立法化に踏み込む、というのであればビューティフルであるが、 "賭博の合法化(?)" のために、一種の "強行採決" を選択するというのは、いかにも "ジャパニーズ・ライク" だと評されてもしかたがない。
 競艇での収益でどんな社会貢献がなされたのかは知らないが、庶民が知るのは、 "競艇狂い" で家族を泣かせたり破滅に追い込んだりした身近にどこにでもいたダメオヤジたちだと言ったら的外れであろうか。そんな悲劇を露払いするようなものを、国会が "ドンデン返し" 戦法に出てまで作る必要があったのだろうかと思う。
 そう考えると、今回の "給油新法" も "ろくなものではなかろう" という推量が十分に働くのである。

 <モーターボート競走法>が "強行採決" された当時のことはもちろん知るよしもないが、要するにあまり品が良いとは言えないような "ヤスシ" ばりの<競艇愛好家>たちを輩出することになった法律だったと考えてもいいのだろう。そうそう、あの "人類みな兄弟" とかという歯が浮くようなCMで知られた "笹川良一" 氏が競艇に携わることができたのもこの立法のお陰だったとかである。

<1951年3月12日、議員立法として衆議院に提出。3月29日、衆議院本会議で可決。6月2日、参議院本会議で否決された。6月5日、衆議院本会議で出席議員の3分の2以上の賛成で再可決され、成立した。日本国憲法史上において衆議院の優越により参議院で否決された法案が衆議院で再可決されて成立した初めての法案である。>(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

 ところで、ちなみに同『ウィキペディア(Wikipedia)』には以下のような "因縁" も記載されていた。

<(57年前の)衆議院再議決の時に再議決を主導したのは衆議院議院運営委員長である小沢佐重喜だが、その56年後の2007年に、息子の小沢一郎が第一野党党首として参院選で参議院野党過半数を獲得し、衆議院で法案再可決権である三分の二以上の議席を持つ与党に対峙することとなった。>

 そんな "因縁" があってかどうか、小沢・民主党の今回の対応は、結果的にも "してやられた" の観がありありであり、戦略戦術の貧困さをまたまた露呈させてしまったような雰囲気ではなかっただろうか。

 それにしても、今回のような国会 "珍事" は、民主主義の根幹にかかわる "異変" であることに国民はもっと注意を払って良さそうに思われる。しかし、マス・メディアとて、単なる政局の一事としてしか捉えていない空気がありそうだ。この辺が実に情けないと思われる。
 かつて、ある人が "ねじれ国会" という言葉そのものがおかしい、と指摘していたことがあった。まさにその通りである。国民の意思が参院に反映された結果を、衆院での勢力状況を持ち上げるかのように、全体として "ねじれ" という否定語で表現するのは明らかに "世論誘導的" だと言わなければならない。もし、奥さんがしっかりした夫婦を称して "ねじれ夫婦" なんぞと言ったら、世間は一体どう反応するかを考えてみるがいい。
 そんな言葉を "無神経に" 流布させてきたのが現在のマス・メディアなのであり、それはあたかも、今日の国会 "珍事" でさえそれをさり気なく "流す" ための、そのための "布石" ではなかったか、いう印象にさえつながる。
 ただ、今なお問題の核心は、なぜ、こんなふうに "なりふりかまわずに" この立法化を図らなければならなかったのか、という、その一事に対する疑問以外ではない...... (2008.01.11)













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