一昨日あたりから風邪気味の気配で危ぶんでいたが、どうも怪しい雰囲気となってきたようだ。喉が痛み、意識の方も集中力を欠くようで、熱っぽい感触である。
ここまで、寒さを耐えて事無きを得てきたのだから、今回も寝込まないでも済むように押さえ込みたいものだと願っている。いまさら泥縄ではありそうだが、サプリメントなんぞでせっせとビタミンCを摂取したりしている。
そう言えば、30代の頃、ちょうど今頃の季節であったが、富士の山麓で行われていた2週間に渡る "合宿セミナー" に参加し、聞きしに勝る "過激な訓練" を経験したことがあった。
寒さがどうのこうのと言っていられる水準ではなかったが、それでも人並みに風邪をひいてしまった。もともと、喉が潰れ、血が出るほどの発声訓練も組み込まれていたのだが、そこへ持って来て風邪をひいたとなれば、惨憺たる状況は言うまでもない。ほとんど声も出ないようなボトムのありさまとなってしまった。
しかし、声が出ないのでは "課題" がクリアできないため、何とか必死で堪えたものであった。主催者側は、風邪薬なんぞという気の利いたものは提供しない。その代わり、食堂で "数センチ" に刻んだ "ネギ" を用意していた。喉がおかしくなった者は、それを調達して、喉に貼るべし、という "親心" だったようである。
自分も、その該当者となってしまったので、眼に沁みるような刺激のある "ネギの開き" を喉に貼り、手ぬぐいを首に巻いて応急手当てをしたりした。
それが奏功したのかどうかは怪しいが、どうにか潰れた声ながら声が出るようにもなったのは不思議である。そして風邪の症状も払拭することができてしまったのである。
思えば、あれこそ、 "気合い" で風邪を吹き飛ばしてしまったという経験ではなかったかと振り返る。ふらふらと取り付こうとした風邪の方が、取り付く島がないといった格好で退散してしまったかのような成り行きだったのだ。
今思えば、そうした経験も、その "合宿セミナー" が提供した "貴重な教訓" だったかと振り返っている。
かなり "非科学的" な匂いの強い話ではあるが、たぶん、 "気合い" というか "気力" の高揚が "免疫力" を高めて、風邪の症状を追放したという生理的現象だということになるのであろう。しかし、否定できない経験的事実であることは疑いようがない。
抗生物質の投与などは、ウイルスとの関係で "いたちごっこ" の連鎖を作り出す危険があると言われている。自身の体内の "抵抗力" や "免疫力" を高める技をこそ会得できればそれに越したことはなさそうである。
こうしたことを口にすれば、 "精神一到何事か成らざらん" などというような黴の生えた "精神主義" だと決めつけられそうではあるが、そう見なす一般的な発想の側は、意外と、 "産湯を捨てて赤子を流す" という愚を仕出かそうとしているのかもしれない...... (2008.02.28)
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