いよいよ "野鳥" たちが活発に動き回りはじめたようだ。
今日は、社内の古いIT機器を馴染みのリサイクル解体屋に運び込むため、レンタカー・ショップで小型トラックを借りた。事務所の前で、社員と一緒にその荷台に機器類を搭載している際、街路樹の枝ではヒヨドリらしき野鳥がさえずって騒ぎ、また人懐っこいセキレイが道路上を尻尾を上下に振り振り近寄ってきた。スズメたちも、陽射しの中で甲斐甲斐しく動き回っている模様だった。
空気はまだ冷えているものの、陽射しが確実に強くなっているからなのだろうか、野鳥たちの羽ばたきは実に忙しそうになってきたかに見える。
昨日は、自宅の庭の樹にコロコロと太ったメジロたちが飛来し、枝に刺した蜜柑を突き回していたものだ。その光景を、内猫たちが、ガラス窓の内側から凝視し、小さな唸り声を上げたりもしていた。
緑が少ない都会であっても、生命力のある野鳥たちは、どっこい生きているようである。そして、そんな姿は、都会人たちの潤いのない心を多少ともくすぐってくれるようである。自分なぞは、そうした野鳥たちに出会うことをことさらに好む方である。
中には、路上に散らばる野鳥たちの糞に憤慨する人もいるようだが、そうした人が喜ぶのは路上に散ばる紙幣だけなのであろうか......。
以下のニュースが眼にとまり、嘆かわしい気分とさせられた。
<鳥類の30%が絶滅か 温暖化の進行で今世紀末に
地球温暖化や開発による生息地の破壊で、今世紀末には地上にすむ鳥の30%が絶滅する可能性が高いとの解析結果を、米スタンフォード大とデューク大の研究チームが18日までにまとめた。
温暖化が鳥類の生息に及ぼす影響に関する初の詳細なコンピューターシミュレーション。気温が高いほど、同じ1度の上昇でも絶滅する種の数が多くなることも判明。
絶滅種には、日本のライチョウなど高山帯に生息する鳥や、熱帯周辺にすみ大きなくちばしが特徴のオオハシ、ハチドリの仲間といった観光客らに人気の鳥も含まれているという。
グループは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の温暖化予測や、開発など人間活動による生態系の変化に関する国連研究チームの予測など、さまざまなシナリオに基づき今世紀末までの環境変化を予測。約8400種の鳥の生息可能条件と突き合わせ、生息地がなくなって鳥が絶滅する可能性を推定した。>( 【共同通信】 2008/02/18 )
気になったため、他の新聞社のニュースにもあたってみると、次のような詳細な叙述もあった。
<...... 今世紀末に気温が6・4度上昇、開発も大規模に進む最悪のシナリオの場合、約30%に当たる2498種が絶滅、2650種に新たに絶滅の危機が生じるとの結果が出た。
グループのケーガン・シケルシオグル博士は「生息地破壊が深刻だと、温度上昇が2・8度でも、400-550種の鳥が絶滅することになるなど、温暖化が鳥類に与える影響は大きい」と話している。
温暖化と生物絶滅-地球温暖化が進むと、生息環境の変動に適応して、生物の分布域も変化する。だが、温度上昇の速度が生物の適応能力を超えていたり、新たな生息地が得られなかったりすると、生物の絶滅の可能性が高まるとされる。温暖化による生物絶滅の危険性は、高山帯や極域の動植物で特に高い。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、20世紀末以降の温度上昇が2度を上回ると地球上の30%の生物で絶滅の危険性が高まると予測している。>( 産経ニュース 2008/02/18)
地球の長大な歴史の過程では、天体変動などによる自然変化で生物の多くの品種が絶滅したこともあったわけだ。しかし、たった一種でしかない人間という種の仕業によって、過激な自然変容がもたらされてしまい、その結果、人間以外の他の生物の種が絶滅するという事実は、たとえようもなく寝覚めの悪いものであるに違いない。
科学者たちに指摘されるまでもなく、種の多様化の、その逆行は、さまざまな面で人間自体の生存可能性をも着々と切り刻んでいるに違いなかろう。何が、この趨勢に楔(くさび)を打ち込むのであろうか...... (2008.02.18)
コメントする