弊社の事務所の窓ガラスには、すぐ直下の通りを行くクルマや歩行者に向けた広告メッセージを貼り付けている。もちろん、社名が入った大看板は別に設置してあるが、そのほかに、この事務所は一体何をしているところなのか、という関心に応えようという "親切心" だと言えないこともない。
ホームページはそれとして設置しても、近場の人々には別にちょいとしたメッセージを出しておくべきかと思えたのだ。要するに、通りすがりの人々からすれば、ソフトウェア開発という言葉だけではイメージが湧きにくいと思えたからなのである。
そんな中でも、 "制御ソフトが......" というようなものは、フーン、ということなのだろう、見過ごされがちである。これまでに反応があって事務所のドア口まで来られた方は、もっぱら "ホームページ制作" というメッセージ目当てであった。 "5万円から" というキャッチ・フレーズも気にしてくれるのであろうか......。
まあ、近所の方たちにはサービス精神を発揮しても良かろうという思いがあったわけだが、どういうものか、あまり "良い訪問者" には恵まれていない。要するに、 "冷やかし" が多かった。しかも、 "礼儀正しい冷やかし" は少なく、 "たちの悪い" 方もおられた。
そんな中では、先日来られた方は "礼儀正しい冷やかし" さんであったかもしれない。帰宅されてから、弊社のサイトにアクセスされ、その方の趣味でもある "小説" を弊社サイトから探されて閲覧してくれたのである。その上、その読後感想をメールで送ってくれたものだった。
<[かもめ]を読みました。
[かもめ] 第1話から~
なんと!詩的情緒溢れて、少年時代の懐かしい思い出が、甦ってくるようです。
私は、少年時代の詩的な風情が、なにか、じーんと、胸にこみあげてきました。
おお、なんと素晴らしい書でありましょう!!
詩人になって、カメラを片手に、散策したい・・・桜が散った風情でも撮りに行こう、と思います。
第6話から、がらっと変って、団塊世代の奥深い時事評論となって、現代の凄まじいほどの生存競争!
深い考えに沈んで、考えさせられました。・・・・うーん、もう、ぐいっ、と、ビールを呑みました。>
まあ、これはここまでとしておくが、先にその方が訪ねて来られた際には、どうもご自身のホームページの改造の意向をお持ちのようであった。それも、 "収益性" に向けて改造されたいようであり、聞きかじりの情報をあれこれと語られておられた。
その方は、小説の執筆や映画制作のジャンルに関心と経験をお持ちのようで、現在も "ブログ・サイト" を開設しておられ、そこで "連載小説" も書き綴っておられる。で、自画自賛されていて、いわゆる "課金性" というかたちでの "閲覧有料化" は可能でしょうか、ということであったのだ。
また、スポンサー広告を載せて、そのバナー・クリックや契約成立に応じて "報酬" が支払われるというスタイル( "アフィリエイト" システムのこと)というのはどんなものなんでしょうか、という関心を示されていた。
振り返ると、いわゆるホームページというものに関心を向ける方には二種類ありそうだ。まさに趣味やそのほかの "事柄" にのめり込み、コンテンツに凝るタイプと、もうひとつは個人でもビジネス・サイトのごとく、ただただいろいろな "収益性" のチャンスに熱い視線を向けるタイプだということになりそうだ。そして、昨今は、急激に後者のタイプが増加してきたかに見える。
やはりそこには、先日もここで書いたように、 "ネット検索" の技術や環境が急速に発展してきたことや、それとの関係もあって、個人サイトをも巻き込むかたちでの "ネット・ビジネス" 環境がにわかに熟してきたことも原因となっているのであろう。
また、経済社会の環境がますます世知辛くなり、少しでも収入を得たいとする風潮が否応なく強まっていることも材料視しなければならないようだ。
弊社のこのサイトは、どちらかと言えば前述のタイプでは "前者" に傾いてきたはずである。これまでにも、企業広告バナーを掲載してはどうかの勧誘もあったが、とりあえず敬遠してきた。
ただ、ここに来て、個人サイトの方々がサイトにおける "収益性" に強い関心を向け始めるようになってくると、弊社の "ホームページ制作" という一つの業務でも、 "アフィリエイト" システムなどに関しては精通しておくべきかと思い始めたのである。大して儲からないですよ、問題はコンテンツなんですよ、と説明するにしても、どの程度どうなのかという実情を掌握しておくべきかと思えたからである。
で、早速、一連の段取り作業をこなして、この弊社サイトにも "アフィリエイト" を張って様子を見ることにしたのである。 "amazon.co.jp" を先ず選んだというのは、たとえクリックの報酬(通常は1円のケースが多いようだ)がなく、 "成約時" の少額報酬だけではあっても、 "amazon" というパイオニア的存在に敬意を表するとともに、実によく利用させてもらってきたことの愛着からなのかもしれない。とにかく、IT環境のホットな事柄は、身をもって経験すべし、なのである...... (2008.04.24)
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