<司法試験合格者が増えた影響>のようだが、<都会の弁護士、狭き門 修習生、わずかなイスに殺到>( asahi.com 2008/04/02 )なのだそうだ。
また、<......競争率が高くなるとともに、新人弁護士の年収は低下。弁護士事務所を対象に07年度に実施したアンケートでは、固定給のない「出来高制」の新人弁護士も7.85%にのぼった。新米弁護士が独立するまで先輩の事務所に居候する「イソ弁」に代わり、固定給もなく机(軒先)だけを借りる独立採算型の弁護士は「ノキ弁」とも呼ばれている>というような意外な事情も隠れているとか......。
もちろん、ベテラン弁護士の中には、大企業の顧問弁護士など、ステイタスも収入も群を抜く者たちも存在する。しかし、押し並べて弁護士という職業ならば......、という時代環境ではなくなっていそうである。そこでもサバイバル "競争" は激化していて、当事者たちに何かと揺さぶりを掛け続けているとかである。
きっと、そうした競争激化の過程は、規模が大きく、ネームバリューを持って上層に君臨する少数の弁護士事務所と、業界の底辺で無数に存在している小規模な事務所群というような階層分化をも推し進めたはずである。当然、仕事依頼の頻度や依頼案件のグレイドも、階層の位置と相関しているのであろうことは容易に想像される。なおかつ、個人自営業規模の事務所では、なかなか新しい人材を迎え入れてゆく余裕もないはずであろうから、「イソ弁」だ、「ノキ弁」だという事情も当然発生したりするのであろう。
いや、別に法曹界の動向にことさら関心を向けようとしているわけではない。要は、弁護士というような "輝かしい資格" を持つ者たちでさえ、 "口を糊する" のがラクではなくなっているのがこの時代の現実だという点を再確認しているのである。
弁護士たちが、どこに潜んでいるかわからない潜在的な依頼主に関心を向けるごとく、あらゆる業種の経営関係者たちは、自分たちにとっての顧客像をどんなにか描き込み、描き尽くしてきたことであろうか。
しかし、余程幸運にも、 "売り手市場" 的なポジショニングがとれる業種を除いては、限定された "買い手" を奪い合うような "競争" が避けられないものであろう。まして、何がしか新規の需要が増大するような時代環境ならばいざ知らず、需要が "シュリンク(縮小)" して当たり前の景気低迷期にあっては、環境は "買い手市場" であることをじっくりと認識した上での対応がことさらに必要となりそうである。
でき得ることならば、 "売り手市場" 的なポジショニングがとれるような技術要素なり、プロダクツなりを両手に携えて、向かうところ敵(競合)なし、を振る舞いたいものであるが...... (2008.04.03)
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