ただ、その酷さは、付けられた表題を目にするだけでも容易に想像がつくというものだ。いろいろなジャンルにまたがっているが、要するに "いかがわしい" という点だけは共通している。とにかく、興味や欲望を煽って、 "騙そう" というつもり以外ではなさそうだ。それも、常に "もっともらしさ" を常套手段としているから、中には "騙される" 者も現れるのであろう。
どんな "手口" を弄するのかに興味を感じないわけでもない。と言っても、もちろんメール開封などという危険なことは絶対しない。そこで、警戒しながらその種のサイト、例えば、 "SEO" 関連で、 "一気にアクセス数増大!のノウハウ伝授" なんぞという見るからに怪しげなサイト、あるいは、株取引関連で、 "暴騰寸前の株銘柄を掴む!方法提供" なんぞというサイトを興味半分に覗いてみたりする。
そうしたサイトでは、とにかく、アウダコウダと長ったらしい口上を並べ立てて、どこまで行っても提供価格の表示などが探せなかったりする。それが一つの特徴だったりするのかもしれない。そして、最近では、 "信用度" を膨らまそうとしてなのであろう、どこから持ってくるのか、提供側の若い男の顔写真まで掲載したりしている。見ようによっては、カリスマ気取りの表情と見間違えたりしないでもないし、あるいはいかにもマヌケっぽくも見えたりする。
こんなことを書いたのは、昨日の夕刊に、<もうかる・やせる...「裏情報」業者、ネットに増殖>( 朝日新聞 2008/08/26 夕刊 )という大きな記事があったからである。
ざっと以下のような内容であった。
<「簡単にもうける方法」「ギャンブル必勝法」などとうたってインターネット上で情報を販売する個人や法人が、国税当局に申告漏れを指摘されるケースが増えていることが分かった。大半は、ネット特有の匿名性を悪用し、多額の所得を得ながら全く申告していなかったという。......これらは「情報商材」と呼ばれ、主に電子データでやり取りされる。投資やギャンブルの必勝法以外にも、美容やダイエットに関する情報、小説や外国語の習得法などを販売しているケースも多い。......〈情報商材〉 金もうけ、ダイエットなどのノウハウ・情報をインターネット上で販売しており、ここ数年で急速に拡大した。数千円から数万円と通常の書籍よりも割高。「元○○が教える」「裏情報」などと購買欲をかき立てるが、値段と内容が見合わないなどの批判も多い。......「情報商材」の市場規模は年間100億円とも、200億円とも言われる。......>
庶民生活の現状は、物価高騰に公共料金の負担増、そして決して増えない所得という最悪の事態となっており、そんな中で藁をも掴む気持ちで<金もうけ>の糸口を探したりしているのであろう。だから、そんなことがあるはずのないことは頭ではわかっていても、累積する不安が狭隘な視野を作り出し、罠に飛び込んだりするのかもしれない。
だから、こんな時代環境では、 "騙される" 者も少なくなさそうだ。そんなことで、相変わらず跋扈している "振り込め詐欺" への警戒に加えて、こんな報道によって注意を喚起しているのだろう、と了解させられたわけであった。
ただ、反面、注意を向ける点があるとすれば、悪党連中も利用するネット環境なのではあるが、片や、ネット環境は、小資本で真っ当な事業展開をしようとする起業家たちにとっての不可欠な道具立てでもあるという点なのだ。
極論するならば、ネット環境だけでという安直な姿勢は論外としても、ネット環境でスモールビジネスを活性化させるという局面を抜きにしては、庶民がこの経済環境に参画していくチャンネルはさほど多くないと観測せざるを得ないのである。
それだけに、 "荒っぽい、急ぎ働き" を仕出かして、ネット環境の可能性に冷や水を掛けたり、後足で砂を掛けたりする連中は、速やかに退場すべし! と言わざるを得ない...... (2008.08.26)
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