"右肩上り" のトレンドが総崩れとなる時 ......

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  "バブル時のようには行かない" という言い方はしばしば耳にしてきたところである。しかし、ふと翻って考えてみると、じゃあ "バブル時のよう" ではない状況というものをわれわれは一体どう経験したというのであろうか。
 いや確かに、戦前戦後の混乱期もあったし、不況にあえいだ時期もあったにはあった。しかし、それらは "バブル時" とは確かに異なった状況ではあったに違いないが、そうは言っても荒っぽく言ってしまえば、大きな "右肩上り" のトレンドの中の一部であったような感触を持つ。

 例えば、輸出産業が打撃を被ることになった80年代の円高不況では、大手企業はともかく、下請の中小零細企業は確かにコスト削減のために血の出る苦労をした。立ち行かなくなった企業もあったようだが、それでも減少することがなかった目の前の "仕事量" が追い風となって、厳しいコスト削減がどうにか推し進められたかの観があったようだ。そこに、世界経済全体の大きな "右肩上り" のトレンドが窺えたように思えるわけだ。
 しかし、現在直面している経済情勢ははるかに悲観的な様相を呈していそうだ。八方塞がりと言ってしまえばその通りだと頷かざるを得ないが、国内外を問わず全体として、 "右肩上り" のトレンドが総崩れとなっていそうだからである。
 こうした先進諸国の動向に対して、いわゆる "BRICs" (ブラジル、ロシア、インド、中国など)の新興諸国の経済発展が世界経済の牽引役を演じると目されてきたわけだが、少なくとも現時点での状況を見るかぎり、そんなにすっきりとした楽観視はできない気配もある。行き着くところまで行き着いたかのような国際金融状況が、振興諸国の動向にも暗い影を投げかけているかのようだからだ。中国にしても、重く病みはじめた米国への対米輸出が翳るならば、膨大な国内需要があるとばかりは言っていられなくなるのかもしれない。

 話が大きくなってしまったが、今日、注目しようとした点は、われわれの "経済観念" とか "ビジネス観" というのは、 "バブル時" と限定することまではしないにしても "右肩上り" のトレンドが暗黙の大前提になってきたし、しかも今なおその習性を引き摺っていねのではなかろうか、という点なのである。
 かなり粗雑な思いつきを言っているような気がしないでもないのだが、われわれは、 "右肩上り" のトレンドやその極みとしての "バブル時" の状況を抜きにして、経済活動というものを思い描くことが可能なのか? と白々感じるのである。
 これは、以前にも書いたことがある "右肩上り" の価値観以外にわれわれに与えられた価値観はあるのか? という疑問の繰り返しであるのだろう。
 いずれにしても、現在、毎日のようにニュース報道で伝えられる世界経済の七転八倒の様子は、われわれに対して、小手先レベルではない底の知れない問題を突きつけている気配である...... (2008.09.18)













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