週末の米国で、例の "金融安定化法案" が下院を通過したため、株価はいくらかの戻し(反発)があるのではないかとの見方もあったわけだが、さにあらず市場全体は景気状況をかなり深刻視しはじめているようだ。
今日の日本の株式情勢を "ロイター" は以下のように報じていた。
<海外勢など投げ売りで日経平均500円超下落、円高・債券高も急ピッチ
......
市場では、米国発の金融不安が欧州にも拡大したことへの懸念に加え、世界的な景気後退リスクを警戒する見方が急速に台頭している。
株式市場では「海外系の年金勢がリスク圧縮を目指して、日本株の現物売りを加速させている」(外資系証券ストラテジスト)ほか、短期筋の売りも加わって、下値のメドが見えない状況。
複数の市場筋によると、きょうは現物にまとまった売りが出て、相場の水準が下がり、先物が追随するパターンが多く、市場のムードは大幅に悪化している。
株安の進行と並行して、外為市場でもドル安/円高が進み、一時、4カ月ぶりの安値となる102.96円まで売り込まれた。ユーロ/円も140円台を割り込み、円高が目立っている。......>( jp.reuters.com 2008.10.06)
とかく日本の株価の動きは、 "海外投資家" によって大きく左右されてきたが、今日の大きな下げの動きにも、<「海外系の年金勢がリスク圧縮を目指して、日本株の現物売りを加速させている」>とあるのが何とも不気味な気配である。
<海外系の年金勢>といえばやはりそれなりにリスクに対して "慎重" なのではなかろうか。そうした一翼が<投売り>気味のポジショニングをしはじめたというのは、よほど<市場のムードは大幅に悪化している>ことの証左であるように思えたわけである。
ここに来て欧州もその影響の深刻さを表面化させるようになっており、また米国自身による自力救済的政策のカードも手薄となってしまったかのようでもあり、事態は急速に悪化していくのではないかという不安が募る。
こんな時期に、頼りなさに加えて "暫定" 的色彩の濃い政府を仰ぐ国民は何と心細いことであろうか...... (2008.10.06)
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