今日、いつもの利用している最寄のショップへ行くと、その出入口付近で制服姿の子どもたちが "ユニセフ" 募金を呼びかけていた。制服というのは、ボーイスカウト風の格好なのだった。中年の主婦が、財布を覗き込みながら募金に応じようとしている姿も目にした。うん、帰り際に協力させてもらおう、と思い、ショップに入り買い物をする。
買い物といっても、家内に頼まれた、例の "お預かり中" の "子猫" 向けの餌の缶詰に、外猫たちが好物の削り節カツオなどしか念頭になく、言ってみれば大の男が自転車を走らせて馳せ参じるほどのこともなかった。まあ、自転車でもこいで、少しでも身体を使おうというどっちにしても大したことのないそんな動機が買い物へと向かわせたと言ったところか。
帰り際、先ほどの出入口に向かうと、子どもたちと付き添いの女性が、小さな子を先頭に大きな子が後ろ側に立つという、まるで雛壇のような状態でかたまって待機していた。時折、「ユニセフ募金にご協力くださ~い」とシュプレヒコールに及んでいる。
よしよし、ちょっと待ってよ、という調子で自分は、募金箱を首からぶら下げた最前列の小さな子の前に立つ。腰につけたきび団子ではなく、ポシェットから財布を出そうとしていた。小銭入れではなく財布を出そうとしていたためか、その小さな子は、隣の子と顔を見合わせて、「おっ、いくら入るのかな?」とでもいう様子となっている。
まあ、千円で勘弁して頂戴というふうに思い、千円札を折りたたんで募金箱の口に差し込んだ。口から見える中には、底の方に一円玉が混じった小銭ばかりが積もっているのが見えた。とその時、
「ご協力ありがとうございました~!」
と、予想以上の大声で全員に唱和されたのだった。
アフリカなどで苦しむ子どもたち以前に、目の前のボランティアの子どもたちがこんなにも歓迎してくれるのであれば、もうちょっと弾んだ方がよかったかな......と思いながら自分は猫たちの餌だけが詰まったポリ袋を提げて自転車置き場へと向かった。
この時期、誰彼となく "諸人こぞりて" 苦しかったり、不安だったりするものであろう。しかし、人は自分の心境だけに閉じ篭っている間は、何ら救いを得ることはできないのかもしれない。もっと "喜捨(きしゃ)" を促す運動が人々をとらえてもいいご時世なのかもしれぬ...... (2008.12.07)
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