"過ぎ去った流れ" の "仮面" を被った日常的現実 ......

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 今の若い世代が、かつてほどの "クルマ志向" がなく、そして "貯蓄志向" が強いというような現象が傾向的に見受けられると知らされたことがある。全体的に若い世代の収入水準が下がっていることを前提にして考えてみると頷ける傾向だ。
 社会現象はどういう視点でそれを読み解こうとするかによっていろいろと解釈が分かれるようだが、上記の二点については、現代という特殊な歴史的位置を色濃く反映していそうな気がしている。

  "クルマ" という商品は、やはりかなり時代限定的なものであったのかもしれない。一言で言えば、エネルギー資源(ガソリン)や地球環境の包容力( CO2 の制御)が "無限" だと見なされ、その前提で "無限" の生産と消費を謳歌できた時代、そんな時代であればこそ人々はそれらに熱い視線を向けることができたのではないかと......。
 また、個人所得が経済成長に伴って "自然成長" 的に増加した "右肩上がり" 時代であればこそ、 "貯蓄" することを視野の外に置くこともできたであろう。
 だが、もはや、良くて "フラット" 、場合によっては "右肩下がり" の経済推移が "運命づけられ" ているかのような現況にあっては、 "貯蓄志向" が強まることはほとんど自然な流れだと言うべきなのかもしれない。
 そして、バブル崩壊後の時代環境しか知りえない今の若い世代にとっては、環境の "底流" に透けて見える大きな時代変化の特徴を自覚せざるを得ないとも思える。
 それに対して、われわれのような古い世代こそは未だに "過ぎ去った流れ" の余韻を温めているのかもしれない。まして、時の "体制" やマス・メディアは、一向に "過ぎ去った流れ" をそれとして認めようとはせず、むしろそのイメージが色褪せないように随時色揚げをさえしているようだから、 "過去を再び" という思いとさせられていそうだ。
 いつも不思議に思うのは、たとえば株価にしても、何ヶ月ぶりに~円台を "回復" しましたというような表現をする点である。これなどは過去の高値を前提視しているからなのであり、 "過ぎ去った流れ" への強引なばかりの羨望が見てとれる。

 まあ、そうした事実はおくとして、やはり、自身をも含むわれわれのような古い世代には、度し難い "右肩上がり" 時代信仰というものが消えていないのかもしれない。仮に、それはそうとしておいたとして、では、もはや "非現実的" だと薄々感じざるを得ない時代状況にあって、 "右肩上がり" 時代信仰というこれまでのよすがの代わりに、一体どんな信仰というか、指針、希望、理念などを見出そうとしているのか、という点が気になるのである。
 たぶん、この課題は遠い将来に必要となるものではなさそうだ。目の前で "崩壊" していくのであろう、 "過ぎ去った流れ" の "仮面" を被った日常的現実に、はたと気づいたならば、すぐにでも必須となる精神的支えなのではなかろうか...... (2009.05.23)












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