TVのCMに対する "不快感" については先日も書いたばかりだ。まあ、どうということもない問題であり、嫌なら視なければいいだけのことかもしれない。
ただ、視聴者たちの生活気分が浮かない状態であるに違いないこの時期に、あまりに遊離して能天気でアホくさい雰囲気を醸すのはどうにかならないものだろうか、と感じていた。一体、TV各局のセンスはどんな現実に棹差しているのか......と。
だが、ようやくTV各局も現実の厳しさに直面せざるを得なくなったようだ。
<民放CMじり貧>と題された記事( 朝日新聞 2009.11.06 )は、民放在京キー局の経営が曲がり角を迎えている現実を伝えていた。
<5日出そろった在京キー局の09年9月中間決算は、収益の柱だったCM収入が軒並み大幅に減少。......不況のせいだけではなく、インターネットにおされて広告媒体としての地盤沈下も進んでいる。CM頼みの限界を見てとった各局は、新たな収益源確保に本腰を入れ始めた>(同上)
ただ、視聴者たちの生活気分が浮かない状態であるに違いないこの時期に、あまりに遊離して能天気でアホくさい雰囲気を醸すのはどうにかならないものだろうか、と感じていた。一体、TV各局のセンスはどんな現実に棹差しているのか......と。
だが、ようやくTV各局も現実の厳しさに直面せざるを得なくなったようだ。
<民放CMじり貧>と題された記事( 朝日新聞 2009.11.06 )は、民放在京キー局の経営が曲がり角を迎えている現実を伝えていた。
<5日出そろった在京キー局の09年9月中間決算は、収益の柱だったCM収入が軒並み大幅に減少。......不況のせいだけではなく、インターネットにおされて広告媒体としての地盤沈下も進んでいる。CM頼みの限界を見てとった各局は、新たな収益源確保に本腰を入れ始めた>(同上)
TVのCM収入は、<番組と番組の間に流す「スポットCM」と、特定の番組の途中で流す「タイムCM」>とに区別されるようだ。金融危機によるこの間の影響で「スポットCM」はもちろん減少。
さらに、これに加えて、<番組の内容や想定される視聴者がわかった上でスポンサーとなるので、広告効果が高いとされ、企業も切りにくいと思われてきた>ところの「タイムCM」収入も前年同期比で11~19%の落ち込みになったという。この "常連スポンサー" による「タイムCM」は、CM単価水準をも規定するため、経営に与える影響は甚大だとされているようだ。
そこで、<各局は役員報酬の削減のほか番組制作費のカット、設備投資の抑制などで、経営のスリム化に必死>なのだそうである。
どうも、こういう状況を踏まえると、冒頭の問題、 "劣悪なCMの垂れ流し" という事態は、悪化こそすれ改善される見込みはないかのようにも推定される。 "制作費カット" の方針は、番組制作をますます劣化させるだけではなく、同様に "粗悪なCM" をダンピングよろしく店頭に並べることになるのであろうか。ありそうな気がする。
今ひとつ、次のような "情報" も気になるところだ。
<......在京民放テレビ局の多くが、来年度編成から、人件費をはじめとする制作費削減のためにバラエティからニュースへのシフトを計画しています。ところが昨今のニュースの傾向から、僕は危惧を抱きます。
それは一言で言えばポピュリズムへの危惧です。......>(宮台真司『日本の難点』幻冬舎新書 2009.04.15 )
むしろ、こちらの問題の方が "危惧" されて良いのかもしれない。それでなくとも昨今の世情不安は、興味本位の対象に雪崩れ込み易い猟奇的事件を多発させている。受止め側に短絡的な判断が醸成され易い空気が充満しているわけだ。
もし、 "コスト安" の観点に流された報道番組が、ありがちな "迎合性" への傾斜を野放しにするならば、まさしくグロテスクな "ポピュリズム" が闊歩して、世情不安をこじらせることにもなりかねない...... (2009.11.06)
さらに、これに加えて、<番組の内容や想定される視聴者がわかった上でスポンサーとなるので、広告効果が高いとされ、企業も切りにくいと思われてきた>ところの「タイムCM」収入も前年同期比で11~19%の落ち込みになったという。この "常連スポンサー" による「タイムCM」は、CM単価水準をも規定するため、経営に与える影響は甚大だとされているようだ。
そこで、<各局は役員報酬の削減のほか番組制作費のカット、設備投資の抑制などで、経営のスリム化に必死>なのだそうである。
どうも、こういう状況を踏まえると、冒頭の問題、 "劣悪なCMの垂れ流し" という事態は、悪化こそすれ改善される見込みはないかのようにも推定される。 "制作費カット" の方針は、番組制作をますます劣化させるだけではなく、同様に "粗悪なCM" をダンピングよろしく店頭に並べることになるのであろうか。ありそうな気がする。
今ひとつ、次のような "情報" も気になるところだ。
<......在京民放テレビ局の多くが、来年度編成から、人件費をはじめとする制作費削減のためにバラエティからニュースへのシフトを計画しています。ところが昨今のニュースの傾向から、僕は危惧を抱きます。
それは一言で言えばポピュリズムへの危惧です。......>(宮台真司『日本の難点』幻冬舎新書 2009.04.15 )
むしろ、こちらの問題の方が "危惧" されて良いのかもしれない。それでなくとも昨今の世情不安は、興味本位の対象に雪崩れ込み易い猟奇的事件を多発させている。受止め側に短絡的な判断が醸成され易い空気が充満しているわけだ。
もし、 "コスト安" の観点に流された報道番組が、ありがちな "迎合性" への傾斜を野放しにするならば、まさしくグロテスクな "ポピュリズム" が闊歩して、世情不安をこじらせることにもなりかねない...... (2009.11.06)
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