いよいよ "デフレ" が深刻さを深めているようだ。
昨今では、 "モノの安さ" をイージーに持ち上げてきたメディアも、ようやく事の深刻さに気づき始めたのか、 "デフレ" 化で過激化する "安売り" を警戒の姿勢で捉えるようになってきた。つまり、消費者たちも安穏とはしていられない現象としての "デフレ・スパイラル" に至る可能性のことだ。
こんな時期であるから、 "モノが買われる事情" という問題がいつにも増して注目されていいはずだ。
しかも、 "安いから買われる" という視点とは異なる事情があるとするならば、その事情こそが注目されていいと思われる。
これに関してこの何日か眼を向けてきて、二つの点に着眼してきた。
そのひとつは、 "買うための大義名分" が用意されていることが重要ではないか、という点であり、もうひとつは、 "買い易さ" という買うための "利便性" を高めるという点であった。
実を言えば、これらの点に気づかせたのは、とあるTV番組 ―― クローズアップ現代 直売所が農業を変える ~大ブームの舞台裏~(NO.2820)11月19日(木)放送 ―― だったのである。
<農産物直売所>とは、一見、何でもない "ビジネス・モード" のようなのだが、これが意外と当を得ており、モノが売れない時代の問題点とその打開の方向を良く示していると思えたのだ。
昨今では、 "モノの安さ" をイージーに持ち上げてきたメディアも、ようやく事の深刻さに気づき始めたのか、 "デフレ" 化で過激化する "安売り" を警戒の姿勢で捉えるようになってきた。つまり、消費者たちも安穏とはしていられない現象としての "デフレ・スパイラル" に至る可能性のことだ。
こんな時期であるから、 "モノが買われる事情" という問題がいつにも増して注目されていいはずだ。
しかも、 "安いから買われる" という視点とは異なる事情があるとするならば、その事情こそが注目されていいと思われる。
これに関してこの何日か眼を向けてきて、二つの点に着眼してきた。
そのひとつは、 "買うための大義名分" が用意されていることが重要ではないか、という点であり、もうひとつは、 "買い易さ" という買うための "利便性" を高めるという点であった。
実を言えば、これらの点に気づかせたのは、とあるTV番組 ―― クローズアップ現代 直売所が農業を変える ~大ブームの舞台裏~(NO.2820)11月19日(木)放送 ―― だったのである。
<農産物直売所>とは、一見、何でもない "ビジネス・モード" のようなのだが、これが意外と当を得ており、モノが売れない時代の問題点とその打開の方向を良く示していると思えたのだ。
その前に言っておくと、この<農産物直売所>というニュー・モードに関しては、以前から関心を向けていた。二年前にとある新聞記事を見た時からである。
ただその際は、上記の "利便性" (農家側の "売り易さ" についての "利便性" )に関心が向いていた。
<新鮮さなどを「売り」にするものの、素朴で地味なイメージが強い地方の農産物直売所でIT(情報技術)化が進む。店頭の売り上げ情報を携帯電話や端末機などで農家に逐次知らせる仕組み。消費のニーズに合った品ぞろえにつながるとして、導入が広がっている。その草分け的な存在が、愛媛県内子町の「内子フレッシュパークからり」だ。>(朝日新聞 「列島 360°/ IT直売所 畑で携帯売れ筋一目」 2007.09.30)
<「からり」は、町や農家、町民などが出資する株式会社が運営する。農家は朝、店のパソコンで自分の名前や値段を付けたバーコードシールを作り、農産物に張って店頭に並べる。売り上げはPOS(販売時点情報管理)システムで集計され、農家は1時間ごとに携帯電話のメールや自宅の端末機(多機能ファックス)などで数値を確認できる>(同上)
<農産物の直売所 都市農山漁村交流活性化機構によると、常設の施設は約6千店。農家、農協、第三セクターなどが運営主体で、約2割が携帯やパソコンなどで農家に売り上げ情報を送る。日本総研の大澤信一主任研究員の説明では、生産者と消費者が直接向き合う直売所でIT化が進むと、消費ニーズを的確につかめ、最も有利な販売方法を選ぶマーケティングも可能という。「大量生産で安価な輸入農産物とは異なる強みがあり、国内農家の競争力を高めるうえで有効だ」という>(同上)
だが今回の上記番組では、<農産物直売所>という "ビジネス・モード" の可能性の全容が伝えられていたかに思えた。
確かに、農家側にとっての "利便性" という点、この点は<農家の意識を大きく変えた>、つまり<人気が出そうな新しい野菜を絶えず探す=売れるものを作る(ビジネス感覚が浸透!)>という点で画期的だったことは疑う余地がなく、 "IT=POSシステム" が見事に奏功した例だと言えそうだ。
だが、より注目すべき点は、そうした "技術面での好条件を活かす文脈" が確実にあったという点ではないかと思えた。これらが、 "買うための大義名分" と呼べそうな気がする。
すなわち、1.従来の成熟マーケット(JAに指導された「規格品」農産物)に対して、スーパーの店頭に並ばないもの、従来のマーケットにはなかったものが "新しいマーケット" として展開したという点。これは、確実に "買うための大義名分" を用意したはずである。現<農産物直売所>の多くは、相変わらずJA主導で運営されているようだが、そのJA自体が、この人気に対して驚きととまどいが隠せないという。ちなみに、この<農産物直売所>の数は、二年前の二倍以上の<1万3000に達し、大手コンビニチェーンの店舗数に匹敵>するほどになっているらしい。
今ひとつ注目したいのは、2.<食に対する安全の意識の高まり!>という大きな風潮かと思われる。とかく、「規格品」農産物の流通過程が "不透明" かつ "不祥事" で世間を騒がせ続けたことは周知の事実だ。これらは、<食に対する安全!>に関して、消費者をいわば "直接民主主義" 、 "参加型マーケット" へと誘ったように見える。生産者の姿がより見え易い環境で消費したい! という "願い" である。この "願い" が叶う環境にこそ、明瞭な "買うための大義名分" が芽生えると言うべきなのかもしれない。
こう考えてみると、極論するならば、従来の「規格品」大量生産・大量販売と、その必然的スタイルである大量流通というビジネス・モードが、大きな "曲がり角" に辿り着いてしまった......、と言えるのだろうか。
これまでにもいろいろな局面でこうしたことが囁かれたものだが、 "大不況" でモノが売れない環境という状況は、こうした変化のうねりに後戻りできない "弾み" をつけてしまうのかもしれない...... (2009.11.24)
ただその際は、上記の "利便性" (農家側の "売り易さ" についての "利便性" )に関心が向いていた。
<新鮮さなどを「売り」にするものの、素朴で地味なイメージが強い地方の農産物直売所でIT(情報技術)化が進む。店頭の売り上げ情報を携帯電話や端末機などで農家に逐次知らせる仕組み。消費のニーズに合った品ぞろえにつながるとして、導入が広がっている。その草分け的な存在が、愛媛県内子町の「内子フレッシュパークからり」だ。>(朝日新聞 「列島 360°/ IT直売所 畑で携帯売れ筋一目」 2007.09.30)
<「からり」は、町や農家、町民などが出資する株式会社が運営する。農家は朝、店のパソコンで自分の名前や値段を付けたバーコードシールを作り、農産物に張って店頭に並べる。売り上げはPOS(販売時点情報管理)システムで集計され、農家は1時間ごとに携帯電話のメールや自宅の端末機(多機能ファックス)などで数値を確認できる>(同上)
<農産物の直売所 都市農山漁村交流活性化機構によると、常設の施設は約6千店。農家、農協、第三セクターなどが運営主体で、約2割が携帯やパソコンなどで農家に売り上げ情報を送る。日本総研の大澤信一主任研究員の説明では、生産者と消費者が直接向き合う直売所でIT化が進むと、消費ニーズを的確につかめ、最も有利な販売方法を選ぶマーケティングも可能という。「大量生産で安価な輸入農産物とは異なる強みがあり、国内農家の競争力を高めるうえで有効だ」という>(同上)
だが今回の上記番組では、<農産物直売所>という "ビジネス・モード" の可能性の全容が伝えられていたかに思えた。
確かに、農家側にとっての "利便性" という点、この点は<農家の意識を大きく変えた>、つまり<人気が出そうな新しい野菜を絶えず探す=売れるものを作る(ビジネス感覚が浸透!)>という点で画期的だったことは疑う余地がなく、 "IT=POSシステム" が見事に奏功した例だと言えそうだ。
だが、より注目すべき点は、そうした "技術面での好条件を活かす文脈" が確実にあったという点ではないかと思えた。これらが、 "買うための大義名分" と呼べそうな気がする。
すなわち、1.従来の成熟マーケット(JAに指導された「規格品」農産物)に対して、スーパーの店頭に並ばないもの、従来のマーケットにはなかったものが "新しいマーケット" として展開したという点。これは、確実に "買うための大義名分" を用意したはずである。現<農産物直売所>の多くは、相変わらずJA主導で運営されているようだが、そのJA自体が、この人気に対して驚きととまどいが隠せないという。ちなみに、この<農産物直売所>の数は、二年前の二倍以上の<1万3000に達し、大手コンビニチェーンの店舗数に匹敵>するほどになっているらしい。
今ひとつ注目したいのは、2.<食に対する安全の意識の高まり!>という大きな風潮かと思われる。とかく、「規格品」農産物の流通過程が "不透明" かつ "不祥事" で世間を騒がせ続けたことは周知の事実だ。これらは、<食に対する安全!>に関して、消費者をいわば "直接民主主義" 、 "参加型マーケット" へと誘ったように見える。生産者の姿がより見え易い環境で消費したい! という "願い" である。この "願い" が叶う環境にこそ、明瞭な "買うための大義名分" が芽生えると言うべきなのかもしれない。
こう考えてみると、極論するならば、従来の「規格品」大量生産・大量販売と、その必然的スタイルである大量流通というビジネス・モードが、大きな "曲がり角" に辿り着いてしまった......、と言えるのだろうか。
これまでにもいろいろな局面でこうしたことが囁かれたものだが、 "大不況" でモノが売れない環境という状況は、こうした変化のうねりに後戻りできない "弾み" をつけてしまうのかもしれない...... (2009.11.24)
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