"内容てんこ盛り" (大江健三郎氏)と "内容無いよ~" ( Twitter )の両タイプ ......

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  "内容てんこ盛り" タイプと、 "内容無いよ~" タイプとがいるんですねぇ。
 とかく言葉を湯水のごとく "饒舌" に語ろうとする人がいるかと思えば、用件さえ平気で蔑ろにしつつ言葉数がめっぽう少ない人。
 もともとそういう性格なのだと言ってしまえばそれまでだが、それでは面白くも何ともない。

 今日、ノーベル賞作家・大江健三郎氏がTVの生番組(NHK 『LIVE スタジオパークからこんにちは』)に出演していた。普段は人気タレントたちがよく出演する番組で、ちょいと場違い的な感触がないでもなかった。
 それはともかく、この番組では、視聴者からのFAXやメールでの質問に応えるというコーナーがある。その時、大江氏は、家内から注意されたことがある、と自ら語っていた。何かというと、「あなたは、質問に応える時、いつも "長過ぎる!" から、その点をくれぐれも注意するように......」と、言われてきたというのだ。
 確かに、そのコーナーが始まる前から、番組司会者とのやりとりの過程でも、その傾向が十分に窺えたものだった。司会者がひとつ質問すると、言葉数や所要時間において、その数倍以上のボリュームで対応していたのである。観ている方がハラハラするくらいであった。
 もちろん、話される内容は決して冗漫なものではなく、十分に内容の濃いものばかりである。が、とにかく "長~い" 。要するに、大江氏は、人間と人間との対話というものは当然このように "丁寧" なものでなくてはならない、と正論を胸に秘めて語っているわけだ。別に、メディア世界のコミュニケーションが、 "粗雑過ぎ" て間違いなのだ、とまではおっしゃらないまでも、である。
 しかし、司会者をはじめとして、スタッフ、そして視聴者たちは、ハラハラしていたに違いなかろう。内容があろうが無かろうが、所定の時間内で、それらしいコンテンツが埋め込まれさえすれば帳尻が合う式の、そんな "流儀" が罷り通っているからだ。
 しかし、彼らもハラハラではあるだろうが、そんな "流儀" が一般的なご時世にあっては、当人である "誠実なコミュニケーター" は、さぞかし居心地が悪くてならなかったはずである。笑い話のようだが、とある "誠実なコミュニケーター" の場合、カメラがスタートした途端、何も喋っていないのにスタッフから "巻き" の仕草をぶつけられ、あったまにきた! そうである。大江氏も丁寧に巻かれていたか......。
 で、大江健三郎氏を筆頭にした "誠実なコミュニケーター" たちは、人間同士の対話なのだから、 "状況説明" や "意思伝達" においては、まずは "内容てんこ盛り" でなければ齟齬を来たすに違いない......、と信じて止まないのだろう。まさにそのとおりだとは思える。
 ところが、そう思わない人々が、メディア関係者以外にも多数派として存在しているのが、不思議な時代、現代なのかもしれない。 "内容てんこ盛り" 派に言わせるならまさに "内容無いよ~" 派とでもいうような人々が、実は少なくないようである。
 その証拠は、 "ケータイ(メール)" 愛好家たち、さらに昨今際立って増えているらしい "Twitter(ツイッター)" たちに求めることができそうだ。
 この点は、一昨日の日誌にも触れた。

<短文を投稿するマイクロブログやミニブログ、テキスト、写真、引用文、リンク、チャット、動画などを共有することができるTumblr(タンブラー)ブログ、友人やフォロワーに「今していること」などの短いメッセージを一斉に送信できるTwitterなどの表現行為に見られるように、情報の内容を吟味しながら確認するというよりは、日常の出来事や意見を語り合うことじたいを楽しんだり、コミュニケーションをエンターテイメントとして楽しんでいる状態であり。コンサマトリー性の傾向が顕著といえる。......>( 当日誌 2010.01.03 の分を参照 )

  "Twitter(ツイッター)" の広がりという現象については、また後日改めて考察してみたいと思っているが、ここではとりあえず、 "内容てんこ盛り" 派 に対して、 "内容無いよ~" 派が "厳然として存在する" という事実だけには着目しておきたい。
 言うまでもなく、自分のタイプはというと "内容てんこ盛り" 派 なのだろうと薄々、いや濃厚に感じ取っている。だが、逆に、 "内容てんこ盛り" 派 の "限界?" らしきものと、 "Twitter(ツイッター)" などの "現代的意味?" が気に掛かっている...... (2010.01.05)












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