"閉じ込め症候群" と、 "人間的な意識" によって寄り添われる "人間の命" ......

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 最近はほとんど経験することはないが、以前には時々 "恐い経験" をすることがあった。いわゆる "金縛り" という、睡眠と覚醒のはざ間で生まれる不快な状態である。
 関連サイトによると、<脳が起きている状態であるレム睡眠時に、なんらかの原因で目を覚ましてしまうと、自分では意識があるのに、体が自分の思うように動かせない状態になること>( 金縛りの原因と対策 - 睡眠障害~睡眠の悩みについて~ )とある。
 こんな時に、脳が体を動かすように指令を出したとしても、筋肉が緩んだ状態のため、筋肉に指令が伝わらない。それで、自分の意思で体を動かそうとしても、動くことができない。要するに "随意運動" ができないということである。
 <医学的には、この状態のことを、睡眠麻痺>と言うらしい。そして<覚醒と睡眠がうまく切り替わらない状態の時が、金縛りが起きやすい時といえます。例えば、睡眠に入る直前や、明け方などにふいに目覚めてしまった時が金縛りになりやすい時です。完全な覚醒状態にあれば、筋肉にも力が入るので、ほとんどの場合が自分の意思で体を動かすことができます。>(同上サイトより)と。
 しばしば徹夜をする人や、いろいろな理由で睡眠のリズムがバラバラな人など、そしてストレスが蓄積している時や睡眠不足が重なった時などに起こしやすいようだ。
  "金縛り" 状態の "恐さ" は、もちろん、 "思うように動けない" という "随意運動不可" という点にあるわけだが、もう一つその点と関係して、外界や他者から "孤絶" してしまうことの恐怖という点もありそうな気がする。
  "孤独" には慣れている、耐えられると "豪語" する者にとっても、その強制的な "孤絶" 状態には、何がしかの恐怖を感ぜざるを得ないのではなかろうか。

 ところで、今日書こうとしているのは、この "金縛り" 自体の恐さではない。この "金縛り" という現象については、何度か経験した者は、結局はその状態は永続することなくやがて再び眠りに落ちて行くということを知る。
 しかし、この状態が延々とエンドレスに続くという、気の毒な "病" に侵された人たちが、その想像を絶する苦悩と壮絶に闘っている。
 昨晩、観ることになったTV番組、 <命をめぐる対話 "暗闇の世界"で生きられますか /NHKスペシャル 2010年3月21日(日) 午後9時00分~9時49分 NHK総合テレビ> のことなのである。

<もし、あなたが意識ははっきりしているのに、しゃべることも体を動かすことも出来ず、自分の意思を他人に伝えることが困難になったらどうしますか?
 ある種の難病や脳損傷の患者の中に、こうした「閉じ込め症候群」や「閉じ込め状態」と呼ばれる究極のいのちの状態に陥る人が増えている。全身の筋肉が動かなくなる難病を患う照川貞喜さんは、頬のわずかな動きをセンサーに感知させることで意思を伝えている。しかし、照川さんが頬でパソコンを操作して綴った要望書が、今、大きな波紋をよんでいる。「完全な"閉じ込め状態"になったら死なせてほしい。闇夜の世界では生きられない。人生を終わらせることは"栄光ある撤退"であると確信している」。
 照川さんの要望に我々はどう答えればいいのか。人間が生きるとはどういうことか。
 照川さんの訴えに深い関心を抱いたノンフィクション作家の柳田邦男さんが、照川さんを訪ね、「いのちとは何か」を巡って半年にわたって対話を行った。>(同上サイトより)

 <照川貞喜さん>は、 "ALS(筋萎縮性側索硬化症)" という難病に侵され、 "閉じ込め症候群(TLS [totally locked in state])" に見舞われている。
 この症状は、ものの解説によると<眼は動かすが無動・無言。四肢の完全麻痺。橋底部の梗塞性病変による。動眼神経、滑車神経は保たれるので眼は動くが、それ以下の運動神経系は遮断されるので顔面・咽頭・四肢は全く動かない。感覚系は保たれ、網様体賦活系は障害されないので意識は清明。睡眠・覚醒のリズムはあり、脳波は正常。>ということであるようだ。
 画面に登場した<照川さん>は、まさにこうした状態でベッドに横たわっておられた。 そして、甲斐甲斐しく看護されている奥さんの手助けと、IT機器のサポートとによって、かろうじて "自身の意思" を言葉として救い上げてもらっていたのである。
 その光景は、やはり "痛々しい" と言うほかなかったが、同時に、 "自身の意思" を伝え続けることが "人間としての証し" なのだ、とでもいう事実が、否応なく伝わってくる気がした。
 が、だからこそと言うべきか、もし、その "かろうじての伝達" さえも不可能となってしまったら......、という時のことが黙殺されるわけにはいかない。
 <照川さん>は、 "悲壮な決意" を表明し、要望されておられたのだ。
「完全な"閉じ込め状態"になったら死なせてほしい。闇夜の世界では生きられない。人生を終わらせることは"栄光ある撤退"であると確信している」と。
 番組では、 "命" の尊厳の問題にこれまでもいろいろなかたちで腐心してこられた著作家・柳田邦男氏との交流が紹介されて行く。
 しかし、柳田氏の情と誠意に溢れた思いの表明に対しても、<照川さん>の決意は変わることはなかったようである。
<......ただ、命については柳田さんの考えがわかりません。家族や社会のために生きろといわれても困ります。私が生きることで家族の支えになることは分かります。
 でも家族のために生きろというのは私には酷な話です。人はパンのみで生きるのではない。意思の疎通があって生きられる。人それぞれ違いがあります。私は自分の道を選んだのです。それだけです。......>と。

  "人間の命" について、そして "人間的な意識" によって寄り添われて在るところの "人間の命" について、真摯に考えさせられる番組であった...... (2010.03.22)













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