"瀬戸際外交" 的要素皆無の "中途半端外交" ではマズカロウ! ......

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  "瀬戸際外交" というと反射的に "北朝鮮" を思い起こす人が多い。そして眉を顰(ひそ)める。
 ちなみに、<瀬戸際政策(せとぎわせいさく)または瀬戸際戦術(せとぎわせんじゅつ)とは、緊張を高めることにより交渉相手に譲歩を迫る政治手法である。外交分野においては瀬戸際外交(せとぎわがいこう)とも呼称される。>(「瀬戸際政策」出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 もちろん、 "友好的外交" が望ましいことは誰しもが口にする。だが、リアルに考えてみるならば、現代のような国家間利害関係での軋轢が噴出している時代に、 "友好的外交" だけを額面どおりに信じるのもいささか楽観的過ぎる。
 無用な緊張感を高めての "瀬戸際外交" は良識ある国民感情を逆なでする。何かと言うと、 "連立解消!" を口に出す某党代表なぞは、国民感情を激しく逆なでしている事実にもう少し感受性を持っても良さそうだ。
 ただ "瀬戸際外交" とは言わないまでも、外交においては "戦術的駆け引き" が不可欠であろうことは、市井の者でも心得ていそうである。

 ところで、この "瀬戸際外交" という視点で現在の日米関係を見る時、どうも "苛立ち" が募ってならない。例の "普天間米軍基地移設問題" のことである。正直言って、米国側に押され捲くっている点、鳩山民主党政権が毅然とせず、外交交渉の運び方が拙(つたな)く見える点が、その "苛立ち" の理由であるのかもしれない。
 大局的に言って、米国側の軍事戦略にとっての沖縄基地の重要度は計り知れないものがあるに違いない。一言で言えば、米国側の関心は対北朝鮮問題よりも "対中国" だと言った方が当を得ていそうだ。だから、日本側前政権との契約締結事実を "既得権" としてしがみつく。
 ここから、同問題での日本側鳩山政権の対応を "小突き回す" といった荒業を駆使しているかに見える。以下の二つのニュースが参考となる。

<米大統領「やり通せるのか」 普天間5月決着は絶望的 2010/04/18 13:03【共同通信】
 オバマ米大統領が、12日(日本時間13日)にワシントンで行われた鳩山由紀夫首相との非公式会談で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題の5月決着への協力を求めた首相に対し「何も進んでいないではないか。最後までやり通せるのか」と強い不信感を表していたことが18日、分かった。日米関係筋が明らかにした。
 普天間移設をめぐり、オバマ氏自身が鳩山首相の対応に不満を持っていることが鮮明になり、首相が掲げる「米国の理解」を含む5月決着は絶望的な状況になった。
 会談は日本側の再三の要請で、核安全保障サミットの夕食会の合間に約10分間だけ開かれた。オバマ氏の隣席に着いた鳩山首相は、5月末までの決着と沖縄県の負担軽減に理解を求めた。
 これに対しオバマ氏は昨年11月の東京での首脳会談で、鳩山首相が「トラスト・ミー(私を信頼して)」と話したことに触れ「キャン・ユー・フォロー・スルー?(最後までやり通せるのか)」と応じたという。>(米大統領「やり通せるのか」 普天間5月決着は絶望的」

<【ワシントン共同】「哀れなハトヤマが最大の敗者」 2010/04/15 08:56 【共同通信】
 14日付の米紙ワシントン・ポストは3面のコラムで、核安全保障サミットでの各国首脳外交を総括し、オバマ米大統領と公式の首脳会談を行えなかった鳩山由紀夫首相を皮肉った。
 筆者は著名コラムニストのアル・カメン氏。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐる迷走の結果、米政権で鳩山氏に対し「変わり者」「信頼できない」との評価が広まっていると紹介。
 首脳会談を申し込んだが受け入れられず「残念賞が夕食会での"非公式"会談。メーンディッシュとデザートの間にやったのだろうか」とこき下ろした。
 さらに普天間問題を5月中に解決すると約束しながら実現しそうにない現状に触れ「ユキオ、盟友のはずだろう? 米国の核の傘で何十億ドルも節約しただろう?」と畳み掛けた。
 一方で"勝者"の筆頭には、首脳会談が1時間半に及び主役の座を手にした中国の胡錦濤国家主席を挙げ、オバマ大統領が握手をしながら胡主席に頭を下げている写真が掲載された。>(【Hatoyamaと米国】「哀れなハトヤマが最大の敗者」(米ワシントン・ポスト紙のコラム=英文)

 これらは、 "やり過ぎ" ( "やられ過ぎ" )と言う以上に、米国側がその "既得権" 保持のために、日本側鳩山政権に "過剰なプレッシャー" を掛けている、これを換言すれば "瀬戸際外交" 的戦術に及んでいると言えそうな気がするのである。一米紙ワシントン・ポストが、一国の首相をここまで "揶揄(やゆ)" するのは、 "政治的背景" を匂わすのではなかろうか。 "瀬戸際外交" 的戦術だと思えるのはそんな点にもある。

 これに対して、日本側鳩山首相は、あまりにも "瀬戸際外交" 的戦術が無さ過ぎ、いかにも "丸腰" であり過ぎる感が否めない。有り体に言えば、 "舐められ" ているとも見える。
 米国軍事戦略をクールに見つめるならば、もっと違った "強気の対米外交姿勢" があっても良さそうな気がするのだ。
 まして、この間、国民を愚弄し続けてきた "密約問題" の真相が明らかにもなっている。この辺の事情をも交渉テーブルに載せるのも "あり" なのではないか。
 この点では、 "沖縄米軍基地問題" と密接絡む驚くべき新たな "密約問題" も明るみに出つつあるという。
<社説(琉球新報 2010年4月15日)
裁判権放棄密約 米兵犯罪裁かぬ理不尽正せ
 政府がつき続けてきたうそがまた一つ明らかになった。米兵の犯罪をできるだけ立件しないという密約のことだ。
 政府が犯罪を罰しないと公言するのでは、「法治国家」と言えるのか。国民の正当な処罰感情に応えるより、米国のご機嫌取りを優先した形だ。いったいどこの国の政府だろうか。
 他の密約と比べても、この密約は国民の人権を直接、侵害している点で、ひときわ理不尽、悪質だ。
 問題は2年前、研究者の新原昭治氏が米側公文書を見つけて発覚した。1953年の日米合同委非公開議事録で、日本側代表が「(米兵の事件なら公務外でも)特に重要な事案以外、日本側は第一次裁判権を行使するつもりがない」と発言している。
 法務省が全国の地検に対し「重要と認められる事件のみ裁判権を行使する」と通達した同年付の文書も見つかった。
 文言が同一で、密約の存在を如実に裏付ける。それでも法務省は当時、「日本人と同様の基準で起訴、不起訴を判断している」と述べ、通達は事実でも、裁判権放棄ではないと否定していた。
 だが今回の文書発覚で、もはや言い逃れはできまい。58年の岸信介首相(当時)と駐日米大使の会談の記録だ。米大使が先の非公開議事録に言及し、「公にしてほしい」と求めている。動かぬ証拠と言うほかない。
 政府はかつて米兵の起訴率は日本人より高いと強弁した。だがこれは、軽微な道交法違反を積極的に起訴して数字を押し上げたまやかしの結果にすぎない。
 ジャーナリストの布施祐仁氏によると、刑法犯の2000~08年の起訴率は国内平均が54%なのに対し、米兵は23%。強姦(ごうかん)に限ると国内平均が62%で米兵は26%にすぎない。密約が今も生きていることの証左ではないか。
 昨年の読谷村のひき逃げ死亡事件で県警は逮捕状をすぐに請求しなかったが、密約との関連はないのか。表面化しないまま立件されなかった例も多かろうと疑われる。
 隠蔽(いんぺい)は国民への背信行為であり、法務省は潔く認めるべきだ。外務省も徹底調査し、国民に明示してもらいたい。その上で米兵と日本人で犯罪処理を同等にする新たな協定を結び直すべきだ。それでこそ政権交代に意義がある。>(「裁判権放棄密約 米兵犯罪裁かぬ理不尽正せ」

 何はさておき、国民がこうした問題に鋭い関心を寄せることが欠かせないはずではなかろうか。 "立ち枯れ......" などの新党ラッシュや自民党お家騒動なんぞにかまけているヒマなんぞはないようだ...... (2010.04.18)













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