正直に言えば、現時点、 "民主政権潰し" とでもいうような不可解な "空気支配" の気配を感じていないわけではない。しかし、そうした "大(?)空気" に包まれている "小(?)空気" の方が、まるで "酸欠" 状態にも等しい喘(あえ)ぎを誘い、少々嫌気が差しつつある......。
小沢氏は<「私としては意外な結果で驚いている。......与えられた職務を淡々と全力でこなしていく」と述べ、幹事長を続投する考えを示した。>(【小沢氏「起訴相当」】小沢幹事長「意外な結果」「やましいことしていない」と続投表明/2010.4.27 19:18)と、報じられている。
だが、 "意外" と言うならば、実のところ "意外性" を強く感じているのは国民の方ではなかろうか。ここまで来てしまうと、小沢氏のセンスが、"民意" からのズレを益々拡大させているとしか思えなくなってしまう。
一時期、 "検察" の動向をも批判的に "相対視" すべしという論調があり、 "検察" も "人の子 、そうしたシビァな視線で見つめたとしても不思議はなかろうと感じていた。
しかし、今回の動きは、仮にも "民意" を反映した "検察審査会" 【 注.1 】がまとめたものだ。
その "民意" 反映機関が、小沢氏「起訴相当」と決議したのだから、<職務を淡々と......>という<続投表明>は、やはり "意外" なレスポンスだとしか見えない。これは、今後の "検察" の具体的動向や判断にかかわらないことだと思える。一民間人の場合であれば、 "起訴" 段階だけで云々すべきではなかろうが。
しかし、小沢氏は新政権政党の幹事長である。来る参院選の行方を人一倍腐心する立場にある存在だ。現時点での "民意" の状態に細心の注意を払って当然の立場にある。このままでは、虎視眈々と磨き上げている多数の牙が、新政権を血みどろの状態にするであろうことは眼に見えていそうではないか。そして、政権交代に託した実に貴重な "民意" を "台無し" にしかねない。
【 注.1 】<検察審査会(けんさつしんさかい)とは、検察官が独占する起訴の権限(公訴権)の行使に民意を反映させ、また不当な不起訴処分を抑制するために、地方裁判所またはその支部の所在地に設置される、無作為に選出された国民(公職選挙法上における有権者)11人によって構成される機関。>(検察審査会 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
ところで、 "豪腕" と称された小沢氏は、また "空気支配" の妙手であったかと思われる。かつての田中角栄氏の、その特殊なDNAを引き継いだ嫡子(ちゃくし)のような "使い手" だと言っていいのかもしれない。
なのに何故、ここに来てその才が奏功しにくくなっているのであろうか。勝手な評論をさせてもらうならば、その "神通力" の原理とでも言うものが、今ひとつこの現代環境とミス・マッチをし始めてでもいそうな気がする。
穿った表現をするならば、現代の基本トレンドである "ハードからソフトへ、有形から無形へ" という流れに竿差しながら、その移行に難航しているかのように見えるわけだ。未だに "コンクリート(土木建築)" のしがらみに塗(まみ)れてもいそうだし、人心掌握や組織論に関してもソフト時代の "フラット志向" や "ネットワーク志向" の面が何ともぎこちない......。むしろ、 "縦型構造" であり、時としてそこでの原理となる "強圧" にものを言わせて事を処する傾向が目立つ結果となる。
総じて、その "空気支配" の手法は "古風" である、と言わざるを得ないのかもしれない。それが一概に悪いとは言い切れないが、どうも、グローバリズムの "大(?)空気" を操る "空気支配" 環境には、次第に遅れを来たしがちになっているのであろうか......。
それにしても、民主党は、ややこしい難局に突入してしまったものである。ここは、 "繭(まゆ)" を食い破る新生カイコの新陳代謝のエネルギーによって、現有勢力の中から一刻も早く "世代交代" を果たす次世代が決起するしかなさそうな気配か。小沢氏 vs 前原氏の間に飛び散る火花は、何を意味することになって行くのであろうか...... (2010.02.28)
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