"無縁社会"/"社会と自分との関係性" の崩壊!/"「一人じゃない」シェアハウス"の人気? ......

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 この緊迫した "政局" にあって、 "無縁社会" 云々でもないのかもしれない。
 しかし、この "ダッチロール" する "政局" (いや、今、世界全体が "ダッチロール" 局面に滑り込んでいないとは言えない?)だからこそ、 "漂流する現代!" の足元に横たわる問題に目を向ける、そんな緊急性があるとも思える......。
  "無縁社会" という不気味な現象を産み落としている時代潮流の問題が、もう少し引き寄せて考察されてもいいのではないかと感じている。

 <日本社会が紡いできた3つの絆が急速に失われている。故郷との絆=「地縁」、家族との絆=「血縁」、会社との絆=「社縁」を失い社会との接点を失う人が急増している>(NHKスペシャル 無縁社会 ~無縁死 3万2千人の衝撃から(仮) <放送> 1月31日(日))という不気味な特徴を持つ "無縁社会" 。
  "無縁社会" の悲惨さは、 "無縁死" ――<NHKが全国1783の自治体に独自調査をしたところ、一昨年「身元不明の遺体」や「親族の痛い引き取り拒否の遺体」など国の統計上では現れてこない「無縁死」とも呼べる "新たな死" が3万2千人に上っている衝撃的な事実が明らかになった。自治体の担当者によるとここ数年、こういった無縁死は急増しているという。>(同上)――という事態に象徴されてはいるが、むしろそこに至るまでの "いのちある生活のプロセス" そのものに、さまざまな暗い影を投げかけていることが、なお深刻なのだと思われる。
 懸念されるのは、 "独居老人" たちばかりではなさそうだ。今や、孤立する若い世代(30~40代の働き盛りの世代も!)までもが、この "無縁社会" の "アリ地獄" の滑る斜面に足を取られている。そして、近未来には "独居老人" たちが再生産されて行く......。

 つまり、もはや誰にとっても "他人事" ではありえないように "普遍性" を帯びて立ち現れているのが、この "無縁社会" 現象だと言えそうである。恐らくは、現時点での社会環境・構造自体が、必然的にこの状況を起動させていると見て間違いなかろう。唐突に思えるかもしれないが、キーワードは、やはり "グローバリゼーション" のうねりそのものだと、先ずは見当をつけておきたい。
 だから、この "無縁社会" に足を取られる主要な原因を、個々人の "自閉的な性格" 云々何ぞに帰着させようとするのは大きな間違いであろう。まして "自己責任" 論でやっつけて済ますことができるような容易(たやす)い代物でもないのである。
 かつてならば、 "凡ミス" だとしてそのリカバリーを簡単にクリアできたケースなのにもかかわらず、後戻りを許さずに "孤立の固定化" へと引き込んでしまうのが、この "無縁社会" 現象の特徴のようである。だからこそ "アリ地獄" に例えられるわけだ。

 いろいろと目を向けるべき点は多々あるが、そもそも、 "無縁社会" という言葉自体が極めて "危機的!" な状況を表現していることに関心を向けなくてはならない。
 どういうわけかと言えば、元来、 "人間社会" 、いや人間に限らず "サル社会" でもいいし "アリ社会" でもいいのだが、 "社会" とは "間柄" や "関係" こそがエッセンス(本質)となる概念である。つまり、 "社会" = "間柄"・"関係" のことなのである。
 なお、 "間柄"・"関係" のことを、かつての日本文化では仏教用語の "縁(えん。c.f.「因縁」)" と称して洒落(しゃれ)たのだろう。
 したがって、 "無縁"・"社会" とは、「 "社会" ではない "社会" 」即ち「 "社会" の崩壊!」を指し示しているということになるわけだ。

 ところで、 "社会" なんてどうだっていいじゃないか、問題は "自分" であり "個々人" なのだから......、と言い放ちたい気分が分からないわけではない。しかしながら、 "自分" や "個々人" という立場は、 "社会" という存在とほとんど "不可分" だと考えるのが通念ではないかと理解する。あるいは、"自分" や "個々人" という立場の必要不可欠な条件として "社会" がある、と言っても間違いではなさそうだ。
 となると、 "無縁"・"社会" とは、「 "社会" の崩壊!」を意味するだけではなく、 "自分" や "個々人" という立場の「崩壊!」をも意味し、警告していることになりはしないだろうか。いわば、「 "社会と自分" の崩壊!」の兆しなのだと......。
 まあ詳細な議論はおくとしても、現在の "無縁社会" 的危機状態のただ中で、過酷な環境に晒(さら)され、想像以上の壊滅的被害(経済的破綻、うつ病のような精神的疾病、自殺、犯罪......)を被っているのが、結局は、 "個々人" であることを見れば、"自分" や "個々人" という立場の「崩壊!」こそが注目されなければならないと思われる。 "社会" なんぞ崩壊しても構わないと言い放つことは、"自分" の足元が崩れても構わないと、まさに "自暴自棄" になることに等しいと思われてならないのだ......。

 その意味で、現在の "無縁社会" 的危機状態は、決して "他人事" 何かではなく "自分事" として見据えてゆかなければならないわけだ。また、この危機の原因が仮に "グローバリゼーション" のうねりそのものに帰着するとしても、だからといって無力感に沈んでいても何も始まらない。 "自分" 自身を救うためにも、身近なところから、 "ささやかな社会再生" アクションなりともして行くほかないのだろうと思える。
  そうした "ささやかな" アクションとして、 "年越し派遣村" のような "無縁社会" での典型的な "被害者たち" を支援する活動が展開されたり、またご近所の "独居老人" を周囲がみんなで見守るといった地域連携プレー活動の例なども紹介されてもいる。
 片や、 "無縁社会" で生じている "支障" や "ニーズ" に対する "ビジネス" もいろいろなかたちで発生しているようだ。 "貧困ビジネス" のごとく当該者たちを "食いもの" にする "ビジネス" は言語道断であるが、支援の意義があるものは退けることもなさそうだ。

 こうした "ささやかな" 動きと関連して、次のような記事が目にとまった。別に画期的な事例だなんぞとは思わないのだが、若い世代の<深くも浅くもない人間関係を望む>意識の一側面を見る思いがしたものであった。 "無縁社会" に対する、若い世代の "ささやかな" 対処法のひとつなのであろうか......。そして、この "間接的関係性" 志向というスタイルに、妙に "リアリティ" を感じるのである......。

<「一人じゃない」シェアハウス 若い社会人に人気 /asahi.com/2010年5月10日5時49分
 首都圏で「シェアハウス」が20~30代の社会人に人気だ。一人ひとりは個室に暮らすが、キッチンやリビングなどは共用。といって、一昔前の安下宿とは大違いで、ダーツ場やお姫様気分の味わえるバスルームがあったり。プライバシーを守りつつ、共同生活の楽しさも味わえる。「深くも浅くもない人間関係」を求める世代の感覚に合っているようだ。......
「お互いの付き合い方は自分の判断で決めればいいので窮屈さはない。面白い一人暮らしという感覚」......
「大勢の男女がいて、幅広い交流ができる楽しさが忘れられなくて」......
「大きなキッチンや広いリビングも、ワンルームでは味わえない魅力」......
「様々な職種の人がいて、刺激しあえるのが隠れた魅力。男女で暮らしても、大人なので自制心が働いていて、問題は起きません」......
「昔の漫画にあったような濃密な人間関係ではなく、『人の気配を感じる』空間が今のシェアハウスなんです」......
 シェアハウスの設計を手がけている東京の建築家・馬場正尊さんは「独身寮やオフィスをシェアハウスに用途変更する建物も増え始めており、今や社会的な定着期に入ってきた気がする」と語る。人気の要因を(1)若い世代の所有欲が下がり、モノを共有して使うことへの抵抗感が弱まった(2)所得が下がり、礼金敷金や家財道具購入などの転居費用を抑制する志向がある(3)ネット上の交流サービスやツイッターの感覚が定着し、深くも浅くもない人間関係を望む人が増えた――と分析する。......>(「一人じゃない」シェアハウス 若い社会人に人気/asahi.com/2010年5月10日5時49分

 いずれにしても、現在、問題視されている "無縁社会" 的状況は、決して "一過性" の出来事ではなさそうだし、また、 "寂しさ"、"不安" 云々という感情水準の域をも大幅に逸脱し始めた。個人と社会との "存立" を脅かす危険水域に突入したようにも見える...... (2010.05.11)













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