国内では、菅新政権の新人事案で持ち切りだ。が、この間、海外では再び欧州での「財政赤字危機」が表面化しつつある。
政権交代したばかりのハンガリーで、前政権下での財政赤字粉飾が判明して「ギリシャ危機」の二の舞いとなるのではないかと懸念されている。
< 【ウィーン樋口直樹】4月に8年ぶりに政権交代したばかりのハンガリーのオルバン新政権は4日、財政赤字が大幅に拡大する可能性が高いことを明らかにした。新政権は、社会党前政権が「粉飾」していたとの見方を示しており、政権交代に伴う赤字隠しの発覚が引き金となった「ギリシャ危機」の二の舞いとなる、との懸念が強まっている。これを受け、4日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが独歩安の展開となった。
ロイター通信などによると、与党フィデス・ハンガリー市民同盟の幹部が3日、財政状況が予想より悪く、ギリシャ危機がハンガリーで起こる危険があると発言。オルバン首相の報道官は4日、社会党前政権時代に財政赤字のデータが改ざんされたと指摘。「ギリシャでも経済データが改ざんされ、(債務不履行の危機の)正念場がきた。ハンガリーはその手前だ」と危機感をあらわにした。
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AFP通信によると、IMFは、週明けにも同国へ高官を送り、善後策について協議する。これに伴い、政府は正確な財政状況と財政再建策を公表するとみられる。>(ハンガリー:「ギリシャ危機」二の舞い懸念 財政赤字粉飾/毎日JP/2010年6月5日 11時50分)
この推移を裏書するかのように、NY株がアラームを発するごとく "1万ドル割れ" し、<前日比323・31ドル安の9931・97ドル>へと反落した。
< 【ニューヨーク共同】4日のニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は、欧州の信用不安に加えて米雇用の改善傾向に対する懸念も広がって急反落、1万ドルの大台を割り込み、前日比323・31ドル安の9931・97ドルで取引を終えた。今年3番目の下げ幅。終値で今年2月上旬以来、ほぼ4カ月ぶりの安値水準となった。
ニューヨーク外国為替市場ではユーロが売り込まれて一時、同市場で2006年3月下旬以来、ほぼ4年2カ月ぶりのユーロ安ドル高水準となる1ユーロ=1・1955ドルをつけた。対円でもユーロは1ユーロ=109円40銭まで値下がりした。
米株価急落とユーロ安は、週明け以降の東京株式市場などにも影響を及ぼしそうだ。
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ギリシャから始まった欧州の信用不安がハンガリーに飛び火、東欧に拡大して欧州全体の経済成長を下押しするとの観測が浮上した。......>(NY株、1万ドル割れ 欧州不安や米雇用に懸念/共同通信/2010/06/05 12:09)
幾度となく浮上する欧州での "財政危機" ニュースは、 "耳たこ" 気味でもある。しかし、それだけ "根深く、深刻" であるということに違いない。
と同時にこうした影響もあり、NY株にしても相変わらず "ボラティリティ volatility "(変動性。 金融・商品先物業界の用語としては、ある銘柄についての価格変動率のこと)が未だに大きい。
<ダウ工業平均で見ると(グラフでの対前日比騰落率は、上下のぶれが大きく)金融危機の余波はまだ続いている>(「ギリシャ危機の先に見える日本の危ない姿」/大前研一の「産業突然死」時代の人生論/nikkeibp.co.jp/2010年5月18日)と、現状の世界経済の回復基調を "警戒視" する向きもあるようだ。
そんな中で、以前から注意を向けているように、まさに<「ギリシャ危機の先に見える日本の危ない姿」>は何ら変わっていないのである。
"菅新政権" には、そうした日本の「財政赤字危機」問題をもしっかりと視野に納めた政策実施を望みたいものだ...... (2010.06.06)
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