"景気指数"1年2か月ぶり悪化、政府の経済対策効果低減/海外景気も「二番底」懸念 ......

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 参院選という慌(あわただ)しい空気の中では、客観的な現状認識に欠かせないクールな観察がややもすれば頓挫しがちだ。
 もっとも、比較的目につき易い株価や為替相場といったネガティブな数字の動きが、決して芳(かんば)しくはない "現状の経済状況" を照らし出すことになってはいる。
 気になる "現状の経済状況" に改めて注目してみるならば、以下のような記事が無視できないようだ。

 先ずは国内の景気動向である。景気の現状を示す「一致指数」( ※ 注.1)は、<1年2か月ぶり悪化>だそうで、これは<政府の経済対策の実施から1年がたち、その効果がやや薄れてきている>という解釈とあわせると頷かせるものがある。
 この間の "景気回復" 的雰囲気(?)とは、巨額の財政出動に基づく景気対策によって醸し出されたものだったのか......、という思いが過ぎる。

< 内閣府がまとめたことし5月の景気動向指数は、景気の持ち直しをけん引してきた自動車やテレビの販売の伸びが鈍ったことなどから、景気の現状を示す指数が1年2か月ぶりに悪化しました。
 景気動向指数は、企業の生産や雇用などさまざまな経済活動の指標を基に内閣府が算出したもので、指数が前の月を上回れば景気は上向き、下回れば下向きと判断されます。
 このうち景気の現状を示す「一致指数」は、平成17年の100に対し、5月は101.2となり、前の月に比べて0.1ポイント下がって1年2か月ぶりに悪化しました。
 これは、エコカー減税など政府の経済対策の効果で好調だった自動車やテレビの販売の伸びが鈍ってきたことや、輸出も増加のペースが緩やかになってきたことで消費や生産に関する指標が低下したためです。
 一方、景気の先行きを示す「先行指数」も、前の月より自動車やテレビの出荷が減少したことなどから、前の月を3.0ポイント下回る98.7となり、2か月連続で悪化しました。
 これについて、内閣府は「政府の経済対策の実施から1年がたち、その効果がやや薄れてきているうえ、株価が下落傾向となっていることなどから、先行きに不透明感が出てきている」と話しています。>(景気指数 1年2か月ぶり悪化/NHKニュース/7月6日 22時56分

( ※ 注.1)
<一致指数(いっちしすう)/weblio 辞書 時事用語のABC
 景気の現状にほぼ一致して変動する指数。内閣府が毎月発表する景気動向指数 (DI) の中で、景気の現状に連動していると考えられる経済指標をもとに算出されている。一致指数を基準に景気の山と谷の時期を決定する。
 一致指数を構成する系列は、生産指数、大口電力使用量、所定外労働時間指数、百貨店販売額、営業利益、有効求人倍率など、景気に敏感な11の指標だ。景気が良ければ、製品の生産や消費、雇用に関する指標が上向くだろう。特に、これらの経済指標は景気の動向に一致して変動すると考えられていることから、一致指数に反映される。
 3か月前の水準と比較して、上昇している指標の割合が一致指数などの景気動向指数として算出される。50%を上回る場合は景気の拡張期、反対に、50%を下回る場合は景気の後退期にあたる。......>(「一致指数(いっちしすう)」/weblio 辞書 時事用語のABC

 なお、もう一側面である<海外景気>に注意を向けてみると、これがまた実に心もとない状況にある。ここでも、 "ポスト財政出動" という局面であるだけに、<政策手詰まりの感が強い>という悲観色が滲む......。<景気の「二番底」を懸念>という文言から自由になり切れていない実情を念頭に置かなければならないようだ。

< 国内景気の回復が、海外から脅かされつつある。しかも、今回は内外ともに政策手詰まりの感が強い分、市場に不安が募り、世界の金利と株が下落する。
 先に発表された日銀の「短観」は、輸出の回復から企業の業況が引き続き改善していることを示した。設備や雇用の過剰感も改善し、このまま行けば来年には設備や雇用の拡大が期待できるところまできた。
 ところが、にわかに海外から景気の「二番底」を懸念させる動きが広がった。債務危機の欧州は、あえて緊縮財政に踏み切った。これを金融緩和で補う算段だが、肝心な銀行が疲弊し金融が機能しない。このため、金融危機再燃とともに、今年の成長率は再びマイナスになるとの見方が広がっている。
 米国でも減税切れで住宅需要が急落した上に、失業保険申請がまた増加し、米景気循環研究所(ECRI)の景気先行指数がこの春以降急落している。この40年あまりの間、これが5%以上に下落した10回のうち、7回が景気後退に陥っているから要注意だ。
 中国でも住宅バブルやインフレ抑制策もあって、製造業の活動が減速してきた。特に各地に賃上げストが広がり、大幅な賃上げでコストプッシュのインフレが広がりかねなくなった。引き締めが強化されると、景気の悪化ばかりか、中国の米国債売りでドル安の懸念も出てくる。
 アジアも含めた海外景気が減速すると、日本の回復も脅かされる。現に一部の輸出企業で在庫が積み上がり始めた。100年に一度の経済危機に、各国ともに政策手段を使い果たした。リスク忌避は株安とともに円の資金回帰を呼び円高になる。海外から寒気が押し寄せる前に、内需発掘が急務だ。(千)>(海外景気に黄信号/asahi.com/2010年7月7日0時16分

 さらに、以下のようなオバマ米大統領によるメッセージは、米国経済が決して予断を許さない状況にあることを物語っていそうである。

<[ワシントン 2日 ロイター] オバマ米大統領は2日、国内経済は正しい方向に向かっているが、振れの大きな世界市場の動向が引き続き向かい風となっているとの認識を示した。
 6月の雇用統計発表後に記者会見した大統領は「われわれが正しい方向に向かっていることに間違いない」とした上で、「多くの国民にとって(景気回復が)十分なペースで進んでいない」と述べた。
 6月の雇用統計・非農業部門雇用者数は、多くの臨時雇用契約が終了する中、予想以上の減少となった。減少は今年に入ってから初めて。
 大統領は「われわれは振れの大きな世界の市場からの逆風と引き続き闘っている。経済を修復し、国民を仕事に復帰させるためにすべきことはまだ山積している」と語った。
 ......>(米経済、振れの大きな世界市場からの逆風に直面=オバマ大統領/ロイター/2010年 07月 2日 23:58 JST

 いずれにしても、 "自生的" な "景気回復" が想定できるほどに、事態は楽観的ではなさそうである...... (2010.07.08)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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