"iPhone 4" のアンテナ問題の続報となるが、Apple は<アンテナに問題があることを認め、利用者に謝罪した>とある。当初は、<Appleはこれを、本体の持ち方を変えるだけで簡単に解決できる問題として片付けている。......この問題はユーザーの責任であり、同社の設計に問題はないという見解を示している。>(「iPhone 4」のアンテナ問題--原因はユーザーの持ち方かアップルの設計か 文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル/CNET Japan/2010年6月29日 11時50分)とあったから、対応に若干の変化があったことになる。
< [ニューヨーク 2日 ロイター] 米アップル
アップルは、アンテナの信号強度に関する計算式に誤りがあり、2007年に発売した初代アイフォーンからこれが影響していたことを認めた。ただ、アイフォーン4の問題に関して同端末のアンテナデザインに問題があるとの指摘に対しては、直接の言及はなかった。 同社は利用者に宛てた書簡で「調査の結果、受信信号の強さを示すバーの数を算出する計算式が完全に誤ったものであることが判明し、アップル社としても驚いている」とした。
6月24 日の発売以来、アイフォーン4の利用者からは、同端末の持ち方によっては受信状態が悪くなるとの苦情が出ていた。同じ場所に立っている時でも、受信状態を示すバーの数が持ち方次第で急速に減ることがあるという。
アイフォーン4のアンテナ問題では、アップルに対しすでに3件の訴訟が起こされている。>(米アップル、iPhone4のアンテナ問題で利用者に謝罪/ロイター/2010年07月03日 08:51)
ただし、<アンテナデザインに問題があるとの指摘に対しては、直接の言及はなかった>とのことである。この辺の "ビミョーな問題" に対して Apple 側があえてコメントをしないのはわからないわけでもない。
問題の中心点は、 "実用性かデザインか" という、こうしたスマートフォンにあっては避けられない二律背反的な課題がしっかりと絡んでいる点であり、 Apple 側は<「大胆」>な "提案的な選択" をしたのであろう。
だが結局は、下記の記事のように、ユーザーがどちらを選択し、支持するのかで今後の動向が定まってゆくに違いない。
<...... Appleの回答は、この問題はユーザーの責任であり、同社の設計に問題はないという見解を示している。しかし、この問題が発生した際、シリコン製ケースで左下隅部分を覆ったり、一部サイトで提案されているようにセロハンテープを貼ったりすることで簡単に対処できるらしいという情報は、iPhone 4の設計に原因があることを示している。
実用性かデザインか
現在の多くのスマートフォンでは、アンテナは本体の底部に内蔵されている。これには2つの理由がある。1つは比吸収率(SAR。人体が吸収しても大丈夫な電波の許容値)に関する米連邦通信委員会(FCC)の要件を満たすためだ。もう1つは、伸縮式アンテナの流行が数年前に終わったからだ。
スマートフォンメーカー各社は、より小型で、より洗練された機能とデザインを備えた携帯電話を作るために、以前よりも大きな制約を自らに課している。メーカーはより大容量のバッテリとより強力なプロセッサを、より小さな本体に詰め込み、派手な素材や独特の美学を添えようとしている。そして、 iPhone 4を発売したAppleのようなメーカーは、ある種の取捨選択と優先順位付けを始めなければならないという。アンテナ設計会社AntennaSysのプレジデントSpencer Webb氏はそう指摘する。
「これらの制約を考えると、(iPhone 4を)設計した人物は非常に大胆なことをやったといえる。アンテナをバンドの近くへ移した。バンドをアンテナ機構の一部として使うのは、かなり大胆なことだ。わたしが覚えている限り、近年のコンシューマーデバイスで、同じ設計を採用したものはない」。Webb氏はインタビューの中でこのように語った。
「大胆」という言葉は、良くない選択と解釈することもできる。それが原因で一部ユーザーのiPhone 4の受信感度が弱くなっているのだとしたらなおさらだ。多くの携帯電話メーカーは、本体背面の底部の近くに内蔵アンテナを配置している。Appleも旧バージョンのiPhoneではそうしていた。ほかのハンドセットの設計者もこの設計を採用するようになり、ユーザーマニュアルや、使用前に剥がされるステッカーに警告文を載せるようになった。しかし、アンテナに触れると感度が鈍るという情報を提供するわけではなく、ただその部分に触れないように警告するだけだ。
......
顧客が携帯電話に関して、凝ったデザインではなく、より大きな実用性を求めるようになる可能性もある。これは繰り返されるサイクルだとWebb氏は言う。
「これは振り子のようなものだと思う。振り子は動くものだ。視覚的なデザインや工業デザインが重視されるという方向に振り子が動くとき、(携帯電話が)機能しなくなると、そちらの方には振れなくなる。性能が重視される状況になると、振り子は逆方向へ動き出す」(Webb氏)
とはいえ、Appleは素晴らしいペースで携帯電話を販売している。したがって、ユーザーがAppleを支持して同社の製品を購入し続ける限り、今の状況がどれほど変わるかは不明だ。>(「iPhone 4」のアンテナ問題--原因はユーザーの持ち方かアップルの設計か 文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル/CNET Japan/2010年6月29日 11時50分)
IT機器ユーザー側も、何かにつけて自身の主張を込めた "選択" を意識したいもの...... (2010.07.04)
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