"持続" させるということは、何にせよ大変なことなんでしょうね。"イチロー" の "10年連続200安打達成" にしても、 "横綱白鵬" の "連勝記録" (今日も上乗せで "61連勝" !)にしても、その "持続" に向けてご本人が抱え込んでいる "重圧" は計り知れないものなんだろうと察して余りある。
考えてみれば、現代という時代環境は、"瞬間芸" 的なパフォーマンスを多々生み出しつつも、この "持続" という点では結構 "脆(もろ)さ" を秘めているような気がしたりする。
"変化" を最大の特徴とする現代であってみれば、"不変の......" とか、"持続的な......" であるとか、"恒久的な......" という現象は馴染みにくく、苦手なのであろうか。
そんな状況下で、根性のあるスポーツ選手による "連続記録" が、逆に、"持続性" の困難さと貴重さとを知らしめているかのようである。
先日、お彼岸の墓参りの際に、大相撲を楽しみにしているおふくろがぽつんと言ったものだった。
「誰か "横綱白鵬" に "土付ける" 力士はいないのかね......。」
"白鵬" を嫌っているわけでないことは、日頃、言っていたことからわかる。
「 "白鵬" は、強いだけじゃなくて、礼儀正しいし、朝青龍なんかとは違うのよね」
どうも、"外人力士" だという点にひっかかっているようなのであり、またその "白鵬" が迫って行く "日本人力士" の記録、 "69連勝" を達成した "双葉山" への思い入れがそんな言葉を言わせているようなのだ。おふくろ曰く、
「双葉山の70連勝が叶わなかったというニュースを、確か、女学校の校庭で聞いたのを覚える......。みんなで残念がったものよ」( c.f. 1939年の1月場所4日目[1月15日])
そんな古(いにしえ)の記憶に、"外人力士" の "白鵬" が "介入" しようとしているのがどうも気に障る(?)らしいのである......。
おふくろの心境がわからないわけではない。だが、その理屈に頷くならば、このグローバリズム一色に染まった現代では、"気に障る" ことばかりだということにもなりそうではないか。
"大相撲" に限らず、"柔道" もそうであるし(そう言えば、先日、"日本柔道" にオリンピックで "介入" し切ったあの "ヘーシンク" の訃報があった......)、"体操" などもそう言えそうか。
いやそんなことよりも、"世界の名目GDP(USドル)ランキング" で、中国の追い上げによって日本の "第二位" の地位が揺らいでいることに関心が向かわざるを得ない。
別に、ことさら順位にこだわるつもりがあるわけではない。ただ、"持続" し続けるということは並大抵のことではないこと、そして、何にせよ "グローバリズム時代" においては尚のこと "従来の水準" の "持続" は困難を極めると、そう思われるのだ。
"競争社会" のその "競争空間・範囲" が、まるで "ビッグバン" のように急激に膨張した "グローバリズム時代" にあっては、 "従来の水準" の "持続" がとてつもなく困難に晒されていると言えそうだ。
そして、この傾向は、何もスポーツや経済現象だけに限ったことではなくて、それらを象徴とするこの同じロジック( "フラット化" !)が、現代人の生きざまをジワジワと根底から覆そうとしている、そんな気配を感じないわけにはいかない...... (2010.09.25)
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