かつては、何かにつけてコンテンツの "File 容量" に気を遣ったものだった。
先ず、種々の "ストレージ" の容量サイズが、今のように "何百ギガ" なんぞではなく精々 "何百メガ" でもあった。また、PCなどの処理速度も遅かったため、大容量のコンテンツだと鬱陶しくなるばかりか、"フリーズ" さえしかねなかった。
また、 "ネットの通信速度" も今から思えば想像を絶する遅さだったと言える。したがって、 "Web ページ" を作る者は、様々な箇所のパーツを如何に "小容量" に抑えて全体を "軽く" するかに否応なく傾注しなければならなかった。
それに比べれば、現在は、各ユーザーが使うPCの処理速度も速ければ、"ストレージ" の容量サイズも余裕であるし、"ネットの通信速度" も超スピードである。そんな事情から、コンテンツの "File 容量" にはかつてほどにこだわる必要がなくなったはずだ。
しかし、それでもコンテンツの "File 容量" は小さく、軽いに越したことはなかろう。結局、最後には使用上の処理速度、サクサク感に確実に反映してくるからである。
その点、"PDF 文書" の "軽さ" には定評がある。たとえば、 "Word" で "27,730 KB" もあった文書が、"PDF" ではたったの "2,777 KB" という "小規模ファイル" になったという例もある。文書の中身にもよるが、まさに "十分の一" になってしまうほどなのである。
今回、自分もその "経済的" な事実を再確認することになった。
<"Text 文書"のスマートな"PDF変換"方法!/"iBooks"の"本棚/PDF"でも実に快適に!(当日誌 2010.08.28)>でレポートした時の例を振り返ると、
● 元の "Text 文書" のファイルサイズ:319 KB
● "PDF 変換" 後のファイルサイズ:386 KB!
であり、ほとんど "Text 文書" のサイズと変わらないという結果であった。
ちなみに、
● "Word への変換" の場合のファイルサイズ:488 KB
● この "Word ファイル" を、"Word 搭載のPDF変換機能" で "PDF 変換" した場合:1,080 KB
であった。
何が言いたいかというと、"PDF 文書" の "軽さ" もさることながら、上記の<"Text 文書"のスマートな"PDF変換"方法!/"iBooks"の"本棚/PDF"でも実に快適に!(当日誌 2010.08.28)>という、若干特殊な方法を使えば、ほとんど "Text 文書" のファイルサイズと変わらない水準で "PDF 文書" ができてしまう、という事実であり、またその根拠なのである。
この "手品(?)" のような事実には驚嘆したものであったが、いろいろと考え合わせてみるとその "秘密" は、<透明テキスト付きPDF>(<PDF電子文書技術活用のすすめ_②/"透明テキスト付きPDF"でPDF文書の検索が可能!(当日誌 2010.07.25)>)の活用にありそうである。
つまり、<"Text 文書"のスマートな"PDF変換"方法!>とは、この<透明テキスト付きPDF>のみを "単独で作成" してしまうことではないかと推定できるのである。
"PDF 文書" とは、元来 "画像化" された文書であるが、どうも<"Text 文書"のスマートな"PDF変換"方法!>での文書は一切の "画像" 部分を割愛して、"透明テキスト" 部分だけを表示可能に仕立て上げているようなのだ。だから、"Text 文書" のファイルサイズとほぼ同程度で収まっているのではなかろうか。
こうした事実を実感的に確認したのは、昨日書いた<"PDF 電子書籍"の頁余白に"挿絵"等の"画像"を組込む知恵!>でいろいろと試行錯誤をしている過程だったのである。
<"Text 文書"のスマートな"PDF変換"方法!>で仕上がった "PDF 文書" に、<"挿絵"等の"画像"を組込む>と、 "にわかに" ファイルのサイズが "増大!" てしまうことに訝った。これは、<透明テキスト>だけであたかも "宙に浮く" 状態であったところに、 "地に足が着く" ようなかたちで "画像" が持ち込まれたからなのではないか、と推定せざるを得なかったのである。
したがって、もし<"Text 文書"のスマートな"PDF変換"方法!>で仕上がった "PDF 文書" のその "軽さ" にメリットを見出す場合、たとえば物量のある "Text 文書" を "PDF 電子書籍" 化する場合などには、くれぐれも "画像"( "挿絵"、"表紙" etc.)の組み込みに関しては慎重に吟味する必要がありそうだ...... (2010.09.05)
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