昨日の "続編・応用編" ということになりそうだ。
"Text文書のPDF変換" で最も簡単な方法というのは、昨日も書いたように、任意のアプリケーションでそのアプリ自体の "印刷" 操作から、プリンタ設定で "仮想プリンタ" の "Adobe PDF" や "Primo PDF" などを選択し、後は "道なり" に操作を進めて行けば "PDF 変換" された "PDF 文書" が作成されてしまう、というものであった。
しかも、この "PDF 文書" には "フォント埋め込み" もなされる、というのであるから申し分ない。
もちろん、 "フォントの種類・サイズ" などは、"印刷" 操作時に思いのままに設定すればよいわけだ。また、 "レイアウト" なども同様である。
ところが、たとえば "秀丸" などの "Text エディタ" ( Windows の"メモ帳" も同様)には、 "縦書き" というオプションがない。別に、"横書き" でも差し支えないと言えばそうなのだが、 "縦書き" のレイアウトが欲しい場合もないことはない。
ちなみに、"Text文書" の "PDF変換" を "縦書き" スタイルで果たすフリーソフトとしては、 "青空文庫" 仕様を実現する<ChainLP>(<"Text 文書"を"ePub"化するのに効果的な"変換&編集"ソフト/"ChainLP"と"Sigil"( 当日誌 2010.08.15 )>) のあることは以前にも書いたとおりである。優れたソフトなので再度記しておく。
ところで、以前、自前の "PDF 電子書籍" のサンプルとして二点の "小説もどき" を紹介させてもらったことがある。
◆ 小説「海念と保兵衛」の閲覧へ
◆ 小説「かもめたちの行方」の閲覧へ
これらなぞは、二点とも "横書き" なのである。いずれ "縦書き" にしようと意図してはいたものの、とりあえず "横書き" の方が簡単そうであったのでそうなった。
だが、比較的簡単に "縦書き" 仕様に変換できるのである。それは、昨日の方法をベースにしながら、 "MS Word" を使う方法なのである。
"MS Word" では、オプションで "縦書き" 仕様を選択(メニューバーから「ファイル」⇒「ページ設定」で「文字方向」の「縦書き」にチェックを入れる)しさえすれば、文書はたちまち "縦書き" 仕様に変換される。
したがって、先ずは "MS Word" で当該の "Text文書" を読み込んだ上で、"縦書き" 仕様に変換することになる。これだけのことで、昨日紹介した "印刷" 操作からの "PDF変換" を実行すれば、出来上がる "PDF 文書" は "縦書き" 仕様となっている、というわけなのである。
ところで、ちなみに "MS Word" には、もし "Adobe Acrobat" がインストールされていて、 "連携" を設定していたならば、メニューバーの中に「Adobe PDF」という "PDF変換" 用のメニューがあるはずだ。
しかし、これを利用するよりも "印刷" 操作からの "PDF変換" の方がスピーディのようだ。加えて、"Adobe Acrobat" をインストールしていない場合でも、昨日書いたフリーソフト "PrimoPDF 日本語版 Ver.4.1" をインストールしていたならば、"印刷" 操作からの "PDF変換" 方法が実行できるからだ。
この文脈で "MS Word" を使う "メリット" は、この "縦書き" 仕様が使えるという点だけではない。
"ページ" 毎の編集が可能であるために、最終ターゲットの "iPhone、iPad、および iPod touch" (および "Kindle[キンドル]")などの "端末" でのページ表示をつぶさに編集できる、という点なのである。このメリットの持つ意味は小さくなさそうだ。
これは実際取り掛かってみればわかることだが、一般的な "Text エディタ" には "ページ区切り" がない(?)ために、 "端末" などでのページ表示の結果については想定してみるしかなく、非常にストレスが募る作業となる......。
その点、"MS Word" を使えば、"MS Word" 上のページ画面と "端末" などでのページ表示の結果とが対応しているために随意に編集が可能となるのである。これこそが<WYSIWYG(ウィジウィグ。モニタ上で見たものとアウトプットされるものが一致するという意味)>方式のありがたいところなのである。
もう一つ想定されるメリットは、"MS Word" であれば、編集の過程で "画像の挿入"が比較的容易くできそうな点であろうか。
自分も、そのうちに前記の<二点の "小説もどき" >の "PDF 電子書籍" を "縦書き" バージョンに更新させたいと考えている。完成の際には、またここで紹介させていただくつもりである...... (2010.09.27)
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