"Web ページ" の制作に当たっては、今でも閲覧者側での "ブラウザ" の種類を意識させられるが、"電子書籍(eBook)" の制作に当たっては、読み手側の "Book Reader" のサイズを当然踏まえなければならない。
ちなみに、自分は今のところ、"iPhone,iPod touch" サイズを仮の基準にしている。しかし、 "iPad" の画面サイズは、"9.7インチ/1,024 * 768" であり、"iPhone 4、iPod touch" のそれは "3.5インチ/960 * 640/480 * 320" であり、流用できる域を大幅に超えて異なっている。
柔軟にサイズを変えてくれる "PDF" の場合でさえ、読み易い "文字サイズ" という点を考慮するならば、やはり、ソース・ファイルとなる "Web ページ" などの作成に当たっては、"画面幅" などに神経を遣わざるを得ない。
まして、画面サイズ自体は事実上固定となる "ePub" の場合には、"画面幅" などのページ・レイアウトについてはソース・ファイル段階において計算済みとしておかなければならない。
尤も、プロ仕様の高額な専用ソフトである "Adobe InDesign、MORISAWA MCBook Maker、ProField ProBridgeDesigner-i" などを動員するならば、"Book Reader" のサイズの問題なぞは気にすることがなさそうだ。出力サイズの選択が可能であるからだ。
しかし、そうした "コストが嵩む(!?)" 専用ソフトを動員するのは、どこか "勘違い" のようにも思えてならない。"コスト高" となれば、結局、"セルフパブリッシング" 自体が遠ざけられる結果となりかねないからである。"コスト安" という基点から足が離れるならば、 "電子書籍(eBook)" も結局は "紙の書籍" と同じ轍(わだち)に嵌まり込み、同様の行方を辿ることになりかねない......。
ここは、しがない個人でも "セルフパブリッシング" が可能であるという "電子書籍(eBook)" パブリッシングの "キーコンセプト" に則り、"低コスト" のツール類で身構えるのが正攻法なのではなかろうか。
そうなると、"手作り的努力" を惜しまずに、手作業でやれることはやる! という構えが必要不可欠となる。
自分も、ドナウェイ・ソフトの "sigil" を活用しつつ "ePub 編集・変換" をする個人なのだが、冒頭のような課題に対しては、答えは一つしかないと考えている。
つまり、"ePub" 化の前段階で必要となる "Web ページ" の、その制作において "適切なサイズ" 吟味を行うこと。そして、同時に、この "サイズ" の変更が比較的簡単にできるようにお膳立てをしておくことである。
で、そうなるとやれることは一つ。こうした "サイズ" の "可変性" ということなれば、何と言っても、"Web ページ" の作成アプローチを "XHTML & CSS" という現時点での "デフォルト" 方式に切り替えることではないかと思っている。
この方式では、"Web ページ" は建築設計ではないが、 "構造部分" と "衣装部分" とに分けられて構成されているのだ。
"CSS" がその "衣装部分" ということになり、レイアウトの変更の大半はこの "CSS" の "変数" を変えることで達成されるのである。
この方式で "Web ページ" を仕上げていると、異なった画面サイズの "Book Reader" に向けた調整作業も、いわゆる "アレンジ" といった軽作業で済ませることが可能となるのである。
それだけの話なのではあるが、高額な専用ソフトで "重装備" せずとも、 "基本" に立ち返るならば道は拓けるという、そんな点を教えているような気がしている...... (2010.11.09)
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