「iPad人気に陰り?」が、「電子書籍ブーム」の"終わりの始まり"であったとしても?! ......

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 何にでも "加熱" し、あっと言う間に "醒める" この国の国民性(?)を、まるで "瞬間湯沸し機" のようだと誰かが言っていたのを思い起こす。まあ、正確に言おうとするならば、国民性というような大層なものだと言うよりも、"ビジネス的な機を見て敏!"(勝ち馬乗り、しり馬乗り?) である関係業界筋が大衆にマスで働き掛けるその結果なのだろうかと思われる......。
 "電子書籍" についても、もしこんな流れと空気の中にあるのだとしたら、現状は "ブーム" 以外の何ものでもなかろうし、尻すぼみで "醒める" こともそんなに遠くはないのかもしれない......。

 これらに関して、二つのネット記事が目にとまった。
 一つは、人々の"電子書籍" への関心と興味とに火を付けたとも言われる "Apple iPad" への人々の関心の変化の兆候(?)についての記事、<「iPad人気に陰り? 中古品が値下がり」/日本経済新聞/2010/11/4 7:00>である。
 そしてもう一つは、書評の<なぜ米国で「電子書籍ブーム」は起きないのか>(<「なぜ米国で「電子書籍ブーム」は起きないのか」[奥野 宣之]/あなどれない新書たち/BP net BizCOLLEGE/2010年10月29日>)という記事である。

 <「iPad人気に陰り? 中古品が値下がり」>の記事では、国内発売前から高い注目を集めていた "iPad" の人気がじわじわと "醒め始めている" との感触を伝えるものだ。

<米アップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」が日本で発売されて5カ月。いまでも家電量販店や直営店では実物を手にとって操作する人がたくさんいるが、発売直後の過熱感は薄らぎつつある。ネットオークションや中古家電販売店では中古品の出回りも増え、値ごろ感が出てきた。......iPadは人気も中古価格もようやく落ち着いてきたようだ。><「iPad人気に陰り? 中古品が値下がり」/日本経済新聞/2010/11/4 7:00>

 これらは、過去の経緯を振り返れば、容易に想定可能な事実であり、これを以って "iPad" への人気の尺度としてみたり、況(いわん)や "電子書籍" に対する人々の関心の問題へと敷衍(ふえん)するのはあまり適切とは思えない。
 だが、"マッチ・ポンプ" さながらに、話題の "上げ下げ" に奔走するマス・メディアが、当該現象の "下げ" 局面に触れ始めた? と匂わせる、その点だけが気になったのである。
 "iPad" ≒ "電子書籍" の "ブーム性" 、つまり "加熱" と "醒め" とが表裏一体となった "ブーム" というニュアンスが早くも浮上してきたということか......、と。

 おそらく、マス・メディアの嗅覚はまんざら埒外(らちがい)でもなく、"iPad" にせよ "電子書籍" にせよ、急加熱で作り上げられた人気の部分( "ブーム性" の部分)が剥落していくのは当然のことだろう。
 あえてクールな見方をするならば、"ポスト・ブーム" で一体何を残すのか、という点こそをポイントだとして見据えるべきなのであろう。

 こうして、"電子書籍" の "ブーム性" について着目していたら、 "反語的言い回し" である「なぜ米国で「電子書籍ブーム」は起きないのか」という秀逸な書評が目に入ったのだった。
 筆者の奥野 宣之さんは、この国の現行のような「惹句(じゃっく)」(宣伝・広告などで人を引きつける文句)性に満ちた「電子書籍ブーム」ではなくて、米国のような<静かに、少しずつ、着々>という "電子書籍" へのアプローチこそが相応しい、とでも言わんとしているかのように聞こえた。

<「電子書籍時代あえて日本最大200万冊...ジュンク堂が新店、大阪駅周辺が激戦地に」......「日本最大の巨大書店ができる」という普通のニュースに、このような見出しが付くこと自体が、「電子書籍」がいま、日本では「本の便利な形態」ではなく、一種の「惹句(じゃっく)」として使われていることの証明だと思いました。>(奥野、同上)
<米国で、日本の書籍の翻訳出版権を海外の出版社に売り込むエージェントをしている著者は、「身の回りで本は静かに、少しずつ、着々と電子化されていたのであり、そこに『衝撃』はなかった」と、穏やかに電子書籍が普及していくアメリカの状況を語り出します。
 それは、例えば「持ち運びに困る本が外で読めるようになってよかった」「手に入らなかった本が読めるようになってよかった」「読書体験がネット上で共有できるようになってよかった」といった、読者の極めてポジティブな反応です。
 「黒船が来た」「革命が起きる」「紙の本がなくなる」と身構え、大騒ぎしていた日本とは対照的に、本場アメリカでは、電子書籍がもっと自然に「本の便利な形態」として受け入れられたことが分かります。>(奥野、同上)

 多分、"電子書籍" に託す<本場アメリカ>の "ココロ" と、自分自身の感覚とはさほど遠くないものだと思いつつも、是非、この<大原 ケイ・著『ルポ 電子書籍大国アメリカ』/アスキー・メディアワークス/780円>を読んでみようかと...... (2010.11.10)













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