"WYSIWYG ebook editor"を謳う"Sigil"での"ePub 編集"作業でも実機検証は不可欠 ......

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 今日もまた、自前の "Web ページ" を "ePub 変換" する作業に明け暮れた。
 ところで、使い慣れた流行語(?)、"ePub 変換" という言葉なのであるが、あまり好ましい言葉ではないのかもしれない。
 "変換" と銘打つと、何か右から左へと機械的に実に簡単に対処できるものという先入観が伴うからだ。確かに、昨日も書いたように、簡単な場合も "あることはある"。しかし、"ePub 変換" の必要さえないような、そんな簡単なケースを取り上げてみても始まらないだろう。
 それなりに手応えのあるケースを想定するならば、やはり、"自動変換" でもイメージしてしまいそうな安直な響きがある "変換" という言葉は避けて、"ePub 編集" とでも言うのが正解であるような気がしている。
 外国語の "翻訳" にしてもそうだ。実に安直に考えがちであり、何か思い違いをしているのではないかとしか思えない。身振り手振りでも十分間に合うようなシチュエーションでの会話などを、外国語の "翻訳" だと取り違えていたのでは話にならない......。

 さて、"Sigil" での "ePub 編集" 作業についてである。
 ちなみに、"Sigil" は "WYSIWYG ebook editor" であると謳われている。"ebook editor" なのです、と言っているわけだ。当を得た自己紹介・宣言だと思う。
 だから、"editing/編集" を進める者がそのプロセスで困らないようにと、<WYSIWYG(ウィジウィグ。モニタ上で見たものとアウトプットされるものが一致するという意味)>方式を採用しているということなのであろう。
 仮に、"Sigil" が右から左へというバカチョン変換のツールだったなら、作業プロセスの支援などは眼中にないわけであり、<WYSIWYG>がどうこうと触れることもなかったはずであろう。ここからも、"Sigil" がこれを使うユーザーが、さまざまなニーズをもって独自に "ebook" を "編集" するということ、それを当然視しているのがよくわかる。

 この辺から覗き見える "Sigil" のスタンスに好感が持てることは前にも書いたかと思う。ユーザー側が、自分の "ebook" を "編集" するのだという意思を持ち、そのためにツールを切望する場合にのみ、ではサポートしましょう、という、そんな関係が悪くないなぁと思うのである。
 人の世での "学習教育" や "能力支援" というジャンルの事柄は、すべからくこうあるべきだと思えるし、またこうでしかあり得ないと思うからだ。
 まして、"電子書籍(eBook)" の提供側立場に接近しようとする者は、安直な"自動変換" を期待するのではなくて、自分なりの "独自な編集" とその方法とを模索すべきなのではないかという気がしている。"電子書籍(eBook)" というニューメディアは、そうした "インディ" としての活動姿勢と親和関係を持つ対象だという気がしてならない。

 余計なことをうだうだと書いてしまったが、今日書いておこうと思ったことは、もっと作業現場的なことであった。たとえ、<WYSIWYG>の "Sigil" がOKを出したスクリプトであっても、ターゲットの "ブック・リーダー" が "異なった反応、表示" を返すこともままあり得る、という点なのである。
 もとより、"Web ページ、スクリプト" では、異なったブラウザやバージョンの異なったブラウザでは、画面表示が異なってくる事実は良く知られている。
 "ePub" ファイルもその実体が "Web スクリプト" である以上、同じような現象が発生し得るということなのである。
 実際、今日の作業では、"Sigil" の<WYSIWYG>画面表示や、"Firefox" の "アドオン" である "EPUBReader" では問題視されなかったスクリプトが、"iPod touch" へ転送してみると "はねられる" というケースがあり、やや当惑させられた。
 良く指摘されるとおり、ソフトは常に "実機テスト" が欠かせないという鉄則があるように、"電子書籍(eBook)" は、ターゲットの "ブック・リーダー" を通しての表示確認・検証が欠かせないということなのである。これは、たとえ "Sigil" であっても同じことだと実感したのだった...... (2010.11.05)













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このページは、yasuo hiroseが2010年11月 5日 00:50に書いたブログ記事です。

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