「ハーバード白熱教室」で知られたマイケル・サンデル教授の "白熱教室" ぶりの video 9巻が、アップルの "iTunes U(アイチューンズ・ユー)" から "無料" でダウンロードできるんですね。
―――― <マイケル・サンデル「ハーバード白熱教室 in JAPAN 東京大学 詳細 「ハーバード白熱教室 in JAPAN」NHK教育テレビ「ハーバード白熱教室」の講義や、早川書房「これからの『正義』の話をしよう」でも著名な、ハーバード大学マイケル・サンデル教授による講義を開催しました。この講義は、大学総合教育研究センター・NHK共催「ハーバード白熱教室 in JAPAN」として安田講堂にて行われ、身近な問題を題材に「正義」を論じる、3時間を超える対話型講義となりました。>( iTunes/iTunes Store/iTunes U より)
いや、 "無料" でダウンロードできるのは video ばかりではない。"電子書籍" に関しても、 "U" 水準の、ビジネス、工学、美術、医学/薬学、......人文科学、文学、科学、社会科学、教育などのすべての学問ジャンルに渡っている。まさに、"Open University" の観ありなのである。
遅ればせながらこれを話題とするのは、"電子書籍" とは何かを考察することや、"電子書籍" の普及を進める上でも大いに参考となると感じたからである。
このように "電子メディア" (この際、video と"電子書籍"との差異は問題ではない)とその環境によって最高峰のコンテンツが、いとも簡単な操作で、しかも無料で、誰でもが享受できるということ、ここに、"電子メディア" の "本質" が浮かび上がっていると先ずは痛感させられたわけである。
そして、注意すべきは、これは "技術的成果" だけでもたらされているのではない、ということ。別にアップだけルを称賛するつもりはないが、"電子メディア" の "本質" を理解し、これを活かそうとする者たちの聡明な営為が加わることによってのみこうした仕組みが達成されたのだと知らされた思いがしたのである。
"電子書籍" の普及においても、この "iTunes U" が示す "聡明な発想、仕組み" から多くを学ぶ必要がありそうな気がしている。<誰もが簡単に利用>できる仕組み(無料化への工夫 ?! )作りが伴わなければ、"技術的な魅力" は申し分ない "電子書籍" ではあっても、どこかで "頭打ち" になる可能性が残されているのかもしれない......。
ちなみに、以下は、「iTunes® U(アイチューンズ・ユー)」立ち上げの主旨だ。
―――― <アップル、iTunes Storeに「iTunes U」を開設
米国著名大学のコンテンツを無料で提供
2007年5月31日、アップルは本日、iTunes Store(www.itunes.com)内の専用エリアとして「iTunes® U(アイチューンズ・ユー)」を立ち上げると発表しました。これにより、スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、デューク大学、マサチューセッツ工科大学といった米国内の著名大学から提供される教育課程の講義、語学の授業、研究デモ、スポーツの名場面、キャンパスツアーといったコンテンツが無料で配信されます。
「iTunes Uは米国内の著名大学から提供される素晴らしい教材を、誰もが簡単に利用できるようにするものです。教育は生涯にわたって継続されるものであり、iTunesを通じて講義やスピーチ、その他の学術系コンテンツを誰もが無料でダウンロードできる手段を提供することをを喜ばしく思います」と、アップルのiTunes担当バイスプレジデント、エディー・キューは述べています。
「スタンフォード大学ではかなり早い時期から、教授陣や学生がもつ知識や情報を一般の方々に提供するよう努めてきました。この度のスタンフォード大学とアップルならびにiTunes Uとの協力関係により、斬新的かつ革新的な方法で、何百万もの人々に我々の教育、学習、研究を伝え、多くの方にスタンフォード大学流の知的な探求と発見を経験してもらえるものと考えています」と、スタンフォード大学長、ジョン・エチメンディ氏は述べています。
多くの大学の協力によって生まれたiTunes Uにより、学習を続ける、興味を広げる、大学の詳細を知る、出身校の情報を得るといったことがかつてないほどに容易になります。iTunesを通じて入手したコンテンツはワンクリックでiPod®に転送し、いつでもどこでも視聴できることから、音楽を楽しむのと同じくらいの気軽さで、大学の講義を受けられるようになります。......
※iTunes Uのコンテンツは日本のiTunes Storeからも無料でダウンロードしていただけます。>( Apple Press Info/アップル、iTunes Storeに「iTunes U」を開設 米国著名大学のコンテンツを無料で提供 )
これと併せて、上記の "仕組み" 作りに関し、日本における "電子書籍" をめぐる現状や将来展望の問題に目を向けるつもりであったが、日を改めることとする...... (2011.07.14)
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