Facebookで、六次の隔たりだったスモールワールドがさらに狭く四次の隔たりへ! ......

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 "スモールワールド" とは、「世間は狭いね!」との感慨をもたらす日常的経験に関する "実験的事実" のことだ。
 当誌でも以前に下記のように注目したことがあった。

―――― < 私たちの社会は、お互いに離れているように見えても、実はみなつながり合っていて、世界は意外と狭いという学説がある。イェール大学のスタンレー・ミルグラムによる実験が有名だ。1967年に行われたその実験は、アメリカ中部の州で160人の協力者に、東部にあるボストンで株式ブローカーをしている人物の名前と写真を示し、知り合いの知り合いを通じて、この人物にたどり着けるかを試すというものだった。結果、被験者の約4分の1がみごと到達し、平均して6人の知人を伝ってたどり着いた。このことから私たちの社会は、それぞれ6次の隔たり( Sixth Degree )でつながり合っていると発表された。......
日本の大手SNSミクシィにおいても、その友達どうしの関係図を分析したところ、6~7人で95%以上の利用者がつながり合っているというデータが発表された。( 武田隆 (著)『ソーシャルメディア進化論』ダイヤモンド社 2011.07.29 )

 "スモールワールド" という視点、切り口が示すものは、"ネットワーク" という現象自体が、われわれの想像を超えて "豊饒" であるということ。その結果として、人間世界は 濃密な "相互関連" で凝縮されることとなり、"関連のない未知数的要素" で大きく水ぶくれした巨大さではなくて、思いのほか "スモール" だと考えざるを得ない......、ということであろうか。それを日常感覚的に言ったのが、まさに「世間は狭いね!」との感慨なのであろう。>ソーシャルメディア"炎上"原因の"見える人"と"見えない人"/"スモールワールド"!( 当誌 2011.11.07 )


 "斜に構える" ならば、だからどうだって言うの? という感想もアリだろう。
 "無縁社会" という不気味な言葉にも直面している現実を思えば、下記記事にもあるとおり、<隔たりが減少したとしても、ユーザー間のつながりの「質」を計るのは依然として難しいとバックストーム氏は認めた。>とあるが、本当の問題、意味ある問題は、"つながり" の "質" 、"中身" なのだと迫ることも十分に可能だ。
 また、"斜に構える" 姿勢を続ければ、<州、国、さらには大陸全体のユーザー間の隔たりの数が減少している一方で、友人の大半は自分の周辺に局所的に集中していて、すべての関係の84%が、同じ国に住んでいるユーザー間のものだった。>という調査事実も注目しておいて良いかもしれない。

 しかし、それでもなお、"SNS" の Facebook が、世界をますます "狭く" させていて、"スモールワールド" への傾向を強めている事実には目を見張るものがある......。

―――― Facebookで「狭くなった」世界を実証
ミラノ大学の研究者と共同で行われた『Facebook』の調査で、これまで人々は「六次の隔たり」でつながっているとされてきたのに対し、Facebookユーザーの場合は「四次の隔たり」であることがわかった。


 社会心理学者のスタンレー・ミルグラムが1967年に発表した「六次の隔たり」という仮説は、社会学だけではなく、ポップカルチャーなどさまざまなところで知られる概念となってきた。 [ 六次の隔たり」とは、人は自分の知り合いを6人以上介すると世界中の人々と間接的な知り合いになれるという仮説で、「多くの人数からなる世界」が「比較的少ない人数」を介して繋がるスモール・ワールド(世間は狭い)現象の一例とされる ]

 ソーシャルネットワークの興隆に伴って、われわれの間のつながりがさらに緊密になったとしても不思議ではないだろう。『Facebook』は22日(米国時間)、自らのネットワークに関する調査をふたつ発表し、Facebookユーザー同士のつながりは今まで考えられてきたより近いと結論した。

 Facebookがイタリアのミラノ大学の学術研究者と共同で行った調査で、一般の人々は「六次の隔たり」でつながっているとされてきたが、Facebookユーザーの場合は「四次の隔たり」でつながっていることがわかったのだ。

 ミルグラム氏が1967年に行った実験と、今回Facebookが行った調査では、2つの実験グループに多少の違いがある。ミルグラム氏の実験では、296名を被検者として、特定の個人に葉書を送るという実験を行った。その際、使用するのは既存の人脈のみで、これを受け取った人がさらに知り合いに送るという形で、指定された個人に葉書が届くかどうかを調べた。
 ......

 Facebookの調査では、7億2,100万人にのぼる登録者全体を対象とした。特定の2人の間の距離を、より正確に示したことになる。

 今回の論文の共著者であり、Facebookデータ・チームに属するソフトウェア・エンジニアのラーズ・バックストームは、「Facebookに新しいユーザーが参加すると、そのたびに、互いの経路を短くする近道が生まれる可能性がある」と説明する。

 この調査からは、ほかにも興味深い結果が得られたと、バックストーム氏は指摘した。州、国、さらには大陸全体のユーザー間の隔たりの数が減少している一方で、友人の大半は自分の周辺に局所的に集中していて、すべての関係の84%が、同じ国に住んでいるユーザー間のものだった。

 「われわれの間のつながりの距離は短くなっている。だが同時に、こうした強力なコミュニティー構造も存在するのだ」とバックストーム氏は述べた。

 隔たりが減少したとしても、ユーザー間のつながりの「質」を計るのは依然として難しいとバックストーム氏は認めた。ただし、Pew Researchが6月に実施した調査では、調査対象となった4つの主要ソーシャル・ネットワーク(Facebook、『Twitter』『LinkedIn』『MySpace』)のうち、Facebookユーザー間のつながりはより緊密である傾向が高いという結果が出ている。ただし、この調査が実施されたときには『Google+』はまだあまり広まっていなかった。

Facebookデータ・チームによるブログ記事はこちら。

TEXT BY Mike Isaac
TRANSLATION BY ガリレオ -天野美保/合原弘子
Facebookで「狭くなった」世界を実証/WIRED JAPAN - CULTURE/2011.11.24

 "斜に構える" 姿勢を徹底して、ふと妙なことを考えるならば、"一次の隔たり" という究極のイメージを描くこともアリなのではなかろうか。"つながりの質" を不問に付す条件ならば、Facebook なり Google なりのサーバー自体を調査対象に加えてしまうのである。多分、世界中の人間の消息が "一度のアクセス" で追跡可能! となるような気がするのだ。とすれば、確かに世界は "スモールワールド" になっていることが判明して余りあることになる...... (2011.11.26)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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