PCユーザーが決して目にしたくない画面として "ブルースクリーン" というものがある。
直面した誰もが、ゾッ! とするはずである。というのも、最悪、つい今しがたまで問題なく動いていたPCシステムが "再起不能" となってしまう場合も十分にあり得るからだ。
自分も、これまでに何度となく経験し、無事に修復できた場合もあれば、そのまま最悪のケースに引き摺り込まれた苦い経験もある。
下記引用サイト:自然のプロセスに学ぶ「クラッシュしないコンピューター」/WIRED/2013.02.19 は、こうした "不吉なブルースクリーン" を不要とするかもしれない"「クラッシュしないコンピューター」"が開発されているというニュースなのである。
その設計開発の指針はいくつかあるようだが、中心となっているのは次の点だという。
<「(自然の)プロセスというのは分散的で、非集中的で、確率的だ/ そしてフォールト・トレラントであり、自らを修復できる」> という<自然のなかで見られるシステム>から学んだとされる。
そう言えば、"分散的" なネットワークとして構築された "インターネット" システムもまたこうした発想に基づいていたことを思い起こす。
"自然のプロセス" から学べるものは少なくないようだ......。
自然のプロセスに学ぶ「クラッシュしないコンピューター」/WIRED/2013.02.19
自然のプロセスは、分散的で自らを修復できる。これを応用した、「クラッシュしないコンピューター」が開発されている。
TEXT BY PHILIPPA WARR
TRANSLATION BY RYO OGATA/GALILEO
自然のなかで見られるシステムに学んだコンピューター設計が、「死のブルースクリーン」をなくすかもしれない。
『New Scientist』誌の記事によると、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のコンピューター科学者らが開発したこのシステムは、データと命令をコンテクストに応じた小さなシステムに分け、それぞれにメモリを確保するという。その上で、擬似乱数生成システムを使ってプログラム実行の順序を選択する。
「(自然の)プロセスというのは分散的で、非集中的で、確率的だ」と、開発チームのひとりであるピーター・ベントレーは語っている。「そしてフォールト・トレラントであり、自らを修復できる。コンピューターはそれから学ぶ必要がある」
このコンピューターでは各システムにメモリを確保し、また、主要なプロセスを実行するシステムを複製しておくことで、どこかのデータが引き出せなくなっても、別のソースに切り替えて通常通りに動き続けることができる。こうしたことから、クラッシュが生死にかかわる戦場などで役立つだろう。
プロジェクトでは次の段階として、このコンピューターに「環境への対応」を仕込もうとしている。局所的な変化に対応して自らのコードを変化させることをコンピューターに教え込むというものだ。
もちろん、スマホやタブレットを活用しているからといって、決してPC(コンピューター)を卒業できたわけではないのであって、こうした"「クラッシュしないコンピューター」"の開発の意義は計り知れない価値があると言えそうだ...... (2013.02.20)
コメントする