アベノミクス株高!" リフレ政策=マネタイゼーション"による"バブルの危険性"要警戒!

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 アベノミクスをトリガーとする "円安/株高" が、いよいよ "加速" している。(6日東証終値:前日比416円83銭高の1万1463円75銭。円相場は一時、1ドル=94円台に急落。)
あたかも、「宴(うたげ)」気分を醸し出すひと時の観さえある。
 だが、この "加速" には、政府自民党内にさえ戸惑う声もあるとか......。(<円安・株高が「速すぎる」と懸念する自民党関係者は、...... 気をもんでいる>( 速すぎる株高はアベノミクスの追い風か/日本経済新聞/2013.02.05 ))

 こうした "新局面" が、日本経済の持続的再生へと繋がるのであれば問題はなかろう。しかし、漸く、アベノミクス"影" 部分である "危うさ" に目が向けられ始めている点に着目したいところだ。

 かねてより、景気回復の王道である "成長戦略" に比して "金融緩和と財政出動" 策が凌駕しているアベノミクスに対しては、懸念する声も少なくはなかった。
 この "破格の財政危機!" 状況での大規模な "財政出動" 策への懸念をはじめとして、日銀を動かしての "インフレ・ターゲット" 策などへの警戒だ。円安による輸入エネルギー資源の高騰もある。
 が、不安視するそれらの声を掻き消してきたのは、思いのほか早く "円安/株高" という目に見える指標の推移が "奏功" して来たからであろう。

 しかし、当面の指標に好感が持てそうだからと言って、"経済再生という最終目標" に向かっていると早とちりすることは禁物ではなかろうか。

 下記引用サイト記事:アベノミクス株高に潜む リフレ政策の光と影/日本経済新聞/2013.02.06 は、こうした "懸念" を的確に叙述している。

 "デフレ脱却/リフレ/インフレ喚起" などの期待が込められたアベノミクスという政策は、いわゆる "マネタイゼーション" を伴わざるを得ず、これは<政府が発行する国債を中央銀行が紙幣を発行して引き受けること、すなわち、中央銀行による財政赤字の穴埋めを指す>ものだという。

 そして、<マネタイゼーションの特徴は、財政政策の効果が切れるとはく落するので、所得の先食いをするように、追加の財政出動が求められ、そのたびに日銀の積極的な金融緩和(国債購入)が必要になる>。
 まるで "クスリ漬け" 療法であり、これまでの自民党政権が繰り返して来たところの、"公共投資" によって当面の景気刺激で問題先送りをして来た政策とさほど変わるところがない。

 そして、何よりも警戒されるべきは、<失敗するとその弊害も小さくない>にあり、<歴史を振りかえるとリフレ(インフレ喚起)政策が失敗した時のツケの大きさは証明済み>だという。<一大バブルがわき起こる ⇒ バブルは間もなく崩壊 ⇒ 株価暴落とともに財政再建も頓挫>という史実。

 だからこそ、<加速する株高に潜むリスクを再点検する必要がありそうだ>ということになる。
 そして、<成長の源泉が乏しい場合、バブルの危険性が高まる>ため、経済成長政策をも手ぬかりなく重視して金融政策と経済成長のバランスが重要なのだという。

 為替相場にせよ、株式相場にせよ市場は "当面の利益" に関心を傾けて動くもの......。
 <加速する株高に潜むリスクを再点検する必要がありそうだ>という冷静さと慎重さに意を傾ける価値は大いにありそうだ......。

 アベノミクス株高に潜む リフレ政策の光と影/日本経済新聞/2013.02.06

 金融緩和と財政出動と成長戦略を柱としたアベノミクス(安倍晋三政権の経済政策)がデフレ脱却(リフレ)をもたらすという期待が一段と高まり、株価の上昇ピッチが速まっている市場では1980年代後半のバブル再来をはやす声も聞かれ、久しぶりの日本株復活をチャンスとみた投資マネーが東京市場に流れ込んでいる。 だが、歴史を振りかえるとリフレ(インフレ喚起)政策が失敗した時のツケの大きさは証明済み。加速する株高に潜むリスクを再点検する必要がありそうだ

伝統的な投資家ほど乗り遅れ

 「(ヘッジファンド以外の)伝統的な投資家と運用経験の長い投資家ほど日本株に乗り遅れている」。...... 三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジストは、こんな実感を抱いた。特にドル建てで資産評価する投資家は日本株の為替差損リスクを意識し、株高と同時進行する円安に戸惑っていたという。......

 需給主導の印象が強い株式相場とはいえ、投資家がマネーをつぎ込むにはそれなりの理由が必要だ。日銀による2%のインフレ目標導入が先月決まり、政権の経済政策を後押しするような日銀新総裁の就任も市場は織り込みつつある。「1ドル=100円や来期の企業業績4割増も織り込み始めた」との声もある。それでは、足元で加速する株高は、その先にある何を織り込もうとしているのだろうか

マネタイゼーションの気配

 「政府はマネタイゼーションに向けて動いている」。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは話す。マネタイゼーションとは、現金化あるいは貨幣化と訳されるが、一般に、政府が発行する国債を中央銀行が紙幣を発行して引き受けること、すなわち、中央銀行による財政赤字の穴埋めを指す

 マネタイゼーションの特徴は、財政政策の効果が切れるとはく落するので、所得の先食いをするように、追加の財政出動が求められ、そのたびに日銀の積極的な金融緩和(国債購入)が必要になることだという。河野氏は、2013年1~3月期に続き、消費税引き上げ前の2014年1~3月期と2015年4~6月期にも追加財政が打たれる可能性が高いとみる

 だが、こうしたマネタイゼーションは失敗するとその弊害も小さくない。歴史的に有名なのは、ルイ14世時代のデフレから脱却し、国家財政を立て直すため史上初めて、不換紙幣制度を発明した18世紀のフランスの財政家ジョン・ローのケースだ。

 ローは中央銀行を設立して銀行券を発行。信用創造による景気拡大を目指すとともに、民間経済活動の活性化のため、北米などでの貿易の独占企業である西方会社(ミシシッピ会社、後のインド会社)を設立。その会社に投機マネーを呼び込み、一大バブルがわき起こった

 だが、そのバブルは間もなく崩壊する。ローの設立した会社は貿易で取り扱うような商品や資源といった資産の裏付けがなかったためだ。国家債務を会社の株式と交換する仕組み(デット・エクイティ・スワップ)だったため、株価暴落とともに財政再建も頓挫した。

金融政策と経済成長のバランス重要

 ローの研究で知られる一橋大学の北村行伸教授は、ローの教訓について、リフレ政策(【 注 】)は金融政策と経済成長のバランスが重要と話す。日本の1960年代のように両者のバランスが取れていれば有効だが、ミシシッピ会社を公共投資に例え、成長の源泉が乏しい場合、バブルの危険性が高まるという。 ......

【 注 】リフレ政策 [ reflation policy ]  デフレ下で生産活動が停滞しているとき、インフレを避けながら金利の引き下げや財政支出の拡大などにより景気を刺激し、景気回復を図ること。リフレ政策の代表的な例は、1933年から34年にかけて米国で行われたニューディール政策である。日本でも、バブル崩壊後の不況時のマネーサプライ低迷をリフレ政策によって解消すべきだとの論議が高まった。

 市場には、「長期金利(【 注 】)が落ち着いているため、市場がマネタイゼーションを意識しているとは考えにくい」(三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジスト)という声があるが、歴史をひもとくとリフレ政策の光と影はくっきりと浮かび上がる。買うから上がる、上がるから買うという状況に沸く株式市場は、いつの時代も変わらないが、「宴(うたげ)」は永遠に続くわけではない。アベノミクスを冷静に分析するタイミングが近づいている

【 注 】長期金利 [ long-term interest rate ]  1年以上の長期間の貸し借りに適用する金利。国債や社債などの利回り、長期プライムレート、定期預金金利などの種類がある。日本では代表的な長期金利として、新発10年物国債利回りを指標にすることが多い。一般に景気動向に沿う形で推移するが、財政状況の悪化に伴う国債の大量発行で需給悪化懸念が高まった場合も上昇する。長期金利の上昇は企業の資金調達コストの上昇を通じて設備投資の抑制要因になる。
〔日経QUICKニュース(NQN) 編集委員 永井洋一〕
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 今、アベノミクスは、市場を足場にしつつある種の "空気" を作っている観がある。もちろん、"参院選" を控えた政権としては、可能なかぎりの "演出" を駆使してでもそうした "空気" 作りに徹底したいに違いなかろう。
 しかし、現在のこの国の情勢は、とても、"リスキーな政策実験!" に堪えられるような状態ではなさそうに見えるのだが...... (2013.02.08)













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このページは、yasuo hiroseが2013年2月 7日 00:01に書いたブログ記事です。

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