"ロシアでの隕石落下" 現象は恐ろしいものであったが、これをことのほかセンセーショナルなニュースにしたのは、実に多く紹介された "リアルタイムのビデオ動画" があったからだとも思われる。
まあ、昨今では、趣味と実益とを兼ねた "動画投稿" への関心が高まっているため、"突然の事件" を目撃して、それを撮影するのは、"街中の監視カメラ" と並んで "アマチュアカメラマン"のビデオカメラ だとも言えそうだ。
現に、隕石落下時の "衝撃波" による被害のあり様については、多くの "アマチュアカメラマン"のビデオカメラ によって撮影されていたようだ。
ところが、"隕石落下" それ自体の落下プロセスの "ビデオ動画" がさまざまに紹介されていた点には、やや意表を衝かれた。
"NASA" でさえ、こうした "隕石落下" に関しては "予測不可能" と表明しているのであるから、尚のこと不思議な気がする。
この "謎解き" をしてくれるのが、下記引用サイト記事:隕石落下のビデオがYouTubeにあふれた理由はロシアの独特の"車事情"から/TechCrunch/2013.02.16 である。
ビデオカメラは、"別な被写体!" を想定して回されていたのだそうである。
<ロシアでは、車のダッシュボードにビデオカメラを据え付けている人が多い。それは、証拠画像を録画しておいて、事故のときに自分の立場を守るため、あるいは悪徳警官に交通違反の罰金(と称するワイロ)を取られるのを防ぐためだ> というのである。
そして、<今回は、ロシアの一般市民ドライバーが、隕石の落下を報じる市民ジャーナリストに変身した> のだと。
無窮の宇宙からの使者(隕石)を、ロシアの世知辛さに根差す日常対策(自動車事故対策!)が撮影させたのだと思うと、笑うに笑えない......。
隕石落下のビデオがYouTubeにあふれた理由はロシアの独特の"車事情"から/TechCrunch/2013.02.16
ロシアのチェリアビンスク地方に落ちた隕石で、 推定500名の負傷者〔その後の報道では1200名〕が生じた。モスクワから900マイル、ウラル山脈の近くのその地に、一体何ごとが起きたのかと人びとが色めき立っているとき、彼らの野次馬欲を満たしたのが、一般人が車のダッシュボードから撮(うつ)したしろうとビデオだった。
ロシアでは、車のダッシュボードにビデオカメラを据え付けている人が多い。それは、証拠画像を録画しておいて、事故のときに自分の立場を守るため、あるいは悪徳警官に交通違反の罰金(と称するワイロ)を取られるのを防ぐためだ。
Marina Galperinaという人が、こう説明している:
ダッシュボードカメラの記録は、裁判で自分の主張を裏付けるための唯一の方法だ。目撃者は、あてにならない。接触事故は日常茶飯事であり、保険会社は被害者の主張を拒否することで悪名高い。車両込みの保険は保険料がきわめて高く、車の車歴が10年以上なら認められない。事故の大小を問わず、先方の加害者ないし被害者は警察に必ず嘘をつく。追突は、ほとんどの場合当て逃げだ。保険は加害者が見つかって訴えられないかぎり下りないから、ダッシュボードのカメラが逃走する車のナンバーを記録していることが、とても重要なのだ。
〔上の文の一部は、Wikipediaの記事からの引用。〕
ロシアのダッシュボードカメラの数については、約100万という推計がある。これまでにもYouTube上には、無謀運転や車からの銃撃など、とんでもない運転シーンをロシアの人びとが撮った、おびただしい数のビデオが氾濫している。そのすべてが、ダッシュボードカメラから撮られたものだ。そして今回は、ロシアの一般市民ドライバーが、隕石の落下を報じる市民ジャーナリストに変身したのだ。
それにしても、かつては "恐竜時代" に終止符をも打ったとされる "隕石" ! そうした "宇宙" 発の自然現象の、その破格のスケールの大きさに今さらながら目を向けさせる一事であった...... (2013.02.18)
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