これだけ "円安/株高" が表面化しているのだから、それと比べて "実体経済" がどう改善しているのか? という評価基準がこの際妥当なはずであろう。
"円安/株高" の勢いだけを見て、再び "期待感" を増幅させてみたところで、"今後の景気動向" が十分に予測できるとは限らないからだ。
言うまでもなく、気になり続けているのは、"期待感" とそれに基づく "投機筋の仕掛け的動き" なのであり、"実体との乖離" が広がれば広がるほどにリスクが蓄積されざるを得ない......。
慎ましやかに報じられている下記引用サイト記事【 引用記事 1 】:4月の街角景気、6カ月ぶり低下 天候不順で春物不振日本経済新聞/2013.05.10-19:11 /【 引用記事 2 】:4月の街角景気、天候不順で改善一服 先行き指数は最高更新/日本経済新聞/2013.05.10-15:40 によれば、この<4月の街角景気、6カ月ぶり低下> とある。
ここに来ての "景況感" の低下は、お座なりにされてよいとは思えない。
この間の "円安/株高" 推移の過熱ぶりを目の当たりにしていると、そこでの "落ち込み" の "言い訳" を、<天候不順> に求めるのは、一理あるにせよ説得力に欠けるのではなかろうか。
むしろ、<「円安で輸入品の価格が上がり、財布のひもが固くなっている」> と読むのが順当ではなかろうか。
そして、<ただ「燃料費の高止まりによるコスト負担が運賃に転嫁できず、今後極端に良くなるとは思えない」(北陸の輸送業)といった円安デメリットを懸念する見方も広がっている> といった側面に十分意を払うことが不可欠かと思われる......。
【 引用記事 1 】
4月の街角景気、6カ月ぶり低下 天候不順で春物不振/日本経済新聞/2013.05.10-19:11
内閣府が10日まとめた4月の景気ウオッチャー調査によると、足元の景況感を示す現状判断指数は前月比0.8ポイント低下の56.5と、6カ月ぶりに前月を下回った。天候不順による春物衣料品の販売不振が主因。好不況の分かれ目となる50は3カ月連続で上回った。基調判断を「景気は持ち直している」と前月の判断を据え置いた。
家計部門は「気温が上がらず春物の動きが鈍い」(中国地方の百貨店)、「円安で輸入品の価格が上がり、財布のひもが固くなっている」(北関東の通信会社)と慎重な声が目立った。雇用部門も年度末で派遣契約が切れた従業員が多く、悪化した。......
2~3カ月先の景気を占う先行き判断指数は前月比0.3ポイント上昇の57.8。円安による輸出増、設備投資拡大への期待から、2000年の統計開始以来最高を更新。これまで最高だった2月の数字を0.1ポイント上回った。「株高・円安により地場企業の雇用や設備投資が上向く」(東北の通信業)と企業部門で前向きな声が目立った。
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
【 引用記事 2 】
4月の街角景気、天候不順で改善一服 先行き指数は最高更新/日本経済新聞/2013.05.10-15:40
内閣府が10日発表した4月の景気ウオッチャー調査(街角景気)によると、足元の景気実感を示す現状判断指数は前月比0.8ポイント低下の56.5だった。株高を背景に高額品の売れ行きは伸びたが、天候不順による春物衣料の不振が響き、過去最高に並んだ3月から一転、6カ月ぶりに悪化した。内閣府は基調判断について「持ち直している」を維持した。
4月は「家計」と「雇用」で低下した。株高が消費者の購買意欲を刺激し「宝飾品やブランド品といった高額品の売り上げが前年を大きく上回っている」(東北の百貨店)との指摘がある半面、「4月中旬は気温が低下して売り上げが大きく落ち込んだ」(四国の衣料品専門店)との声が目立った。雇用についても新年度向けの人材の需要増が一巡したとみられる。
一方、2~3カ月後の景気を占う先行き判断指数は0.3ポイント上昇の57.8と、2カ月ぶりに改善。製造業を中心に円安による収益改善を見込む声が根強く、調査を開始した2000年1月以降の最高を更新した。ただ「燃料費の高止まりによるコスト負担が運賃に転嫁できず、今後極端に良くなるとは思えない」(北陸の輸送業)といった円安デメリットを懸念する見方も広がっている。
調査は景気に敏感な小売業など2050人が対象で、有効回答率は90.5%。3カ月前と比べた現状や2~3カ月後の予想を「良い」から「悪い」まで5段階で評価して指数化する。今回の調査は4月25日から月末まで。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
今、"世界的な金融緩和" が、まさしく "トレンド" となり、それが "期待感" のエネルギー源となっている。ただ、この "期待感" の "楽観性" は、しばらくは継続するとして、果たしていつまでもつのであろうか...... (2013.05.11)
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