"円安"状況"巻き戻し"の力学に警戒感!"エマージング市場"の不安定化で円の買い戻し!?

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 日銀が "異次元緩和" というかたちで "莫大なマネー" を投じながら、ある意味では「元の黙阿弥」!とさえ表現したくもなる気配が漂っている......。
 そればかりか、現時点の "株式/金融市場" は、投機筋が暗躍する "カジノ" 風の賭博場まがいであり、逆に "実体経済" を "撹乱" させてさえいるかのようだ。
 政府によるリップサービスばかりの "成長戦略" が吹聴されるものの、さぞかし実業界のプレーヤー/各企業は、この "乱調" 著しい市場環境のために、"設備投資などの経営判断" に躊躇させられているのではなかろうか。

 結局、13日の市場の概況は、以下のとおりとなった。

 <13日の東京株式市場で日経平均株価は3日続落。終値は前日比843円94銭安の1万2445円38銭と急落した。日銀が異次元緩和を導入する直前の4月3日以来、約2カ月ぶりの安値となった。下げ幅は今年2番目の大きさ。外国為替市場で円相場が1ドル=94円台まで上昇。12日の米株安をきっかけに13日はアジア各国の株式相場も軒並み安となり、投資家の不安心理が高まった。自動車など輸出関連の主力株だけでなく金融株や機械株など幅広い銘柄が売られ、全面安の展開となった。東証1部の売買代金は概算で2兆6935億円(速報ベース)と4日連続で3兆円を割り込んだ。〔日経QUICKニュース(NQN)〕>( 日経平均大引け、急落 「異次元緩和」直前の4月3日以来の安値/日本経済新聞/2013.06.13

 これで、"円安" 状況までが塗り替えられて "束の間の出来事" だった......、となるならば目も当てられない......。
 もちろんそうならない事を願いたいが、片や、"円安" 状況の "巻き戻し!" 力学にも十分な警戒が欠かせないようである。

 下記引用サイト記事:コラム:円高進行3つの要因、警戒すべき新興国市場=佐々木融氏/REUTERS/2013.06.12 - 16:22 JST のコラムは、この "円安" 状況の "巻き戻し!" 力学 に関して用心深いスタンスで解説している。

 <日本の債券・株式市場の不安定化、エマージング市場の不安定化、ドル安という3つの要因> が警戒されるべきだとしてその各々の要因について述べている。
 そして、<第2の要因 : エマージング市場の不安定化> への注意を喚起している。

 <最も怖いのはエマージング市場の不安定化である。ここから出てくる資金の多くは円に戻ってくるはずだからである。よく「安全資産としての円に資金が向けられ」などと言われるが、円は安全資産だから買われるのではない。もともと、円を調達し、それを売って、エマージング通貨・資産を買っているのだから、そのポジションを閉じる時には、円を買い戻し、返す必要があるというだけのこと

 これこそが、最も怖い "巻き戻し!" 力学 であるのかもしれない......。

 コラム: 円高進行 3つの要因、警戒すべき新興国市場 =佐々木融氏/REUTERS/2013.06.12 - 16:22 JST

 佐々木融 JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長(2013年6月12日)

 ドル円相場は、昨年11月中旬の79円台半ばから、今年5月22日に103.74円をつけるまでの半年間で30%も急騰した。半年でこれだけ急騰したのは恐らく1970年以降初めてのことである。

 しかし、同期間に80%上昇していた日経平均株価が5月23日に1000円以上暴落すると、ドル円相場も反落を始め、米5月雇用統計が発表された6月7日に94.98円をつけるまでの12営業日で8.4%下落した。この短期間でこれだけ大きく下落したのは、2008年12月以来4年半ぶりのことである。

 その後、ドル円相場はいったん99円台まで反発したものの、今月11日には再び95円台まで反落。依然としてドルの上値は重く、さらなる円高進行もありそうな気配である。なぜ急に円高・ドル安が進み始めたのだろうか

<日銀が飛び込んだマネーゲームの難しさ>

 第1の要因 は、日本の長期金利上昇とそれを受けた日経平均株価の急落である。4月4日に黒田東彦日銀総裁が示した、「イールドカーブ全体の金利低下を促すことによるポートフォリオリバランス効果」に対する期待とは裏腹に、日本の10年国債利回りは急騰した。

 そして、黒田総裁が5月22日に「中央銀行は完全に長期金利をコントロールできるものではない」と発言すると、マーケットは梯子(はしご)を外された形となり、その翌日に10年国債利回りは1%に達し、日経平均株価は暴落した。黒田総裁の狙い通り、イールドカーブ全体の金利が大きく低下するのであれば、投資家が株や外債に資金を移す可能性は十分ある。しかし、金利は上昇してしまったので、株の極端な上昇が支えられなくなったと考えられる

 6月11日の決定会合では市場の予想に反して、金融政策の変更は行わず、株安・円高を誘った。マネーゲームに自ら飛び込み、債券・為替・株式市場を大きく動かそうとした日銀は今、ゲームの難しさを実感していることだろう期待で動いた相場は、すぐに期待を織り込んでしまい、次の期待を持たせてくれることを際限なく要求してくる。実体経済に本当の変化が起きるまでこの心理戦は続くのである。

 第2の要因 は、エマージング市場の不安定化だ。米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和政策を縮小させるとの期待が高まる中、米国の金利が上昇し、その結果エマージング市場から資金が流出し、同市場は全体的に不安定な状態が続いている。そこにトルコ反政府デモの激化が加わったこともあって、一部のエマージング通貨・債券・株は大きく下落し、ボラティリティも上昇している。

 トルコの株価指数は反政府デモが始まった5月31日から1週間で15%程度急落している。エマージング市場全体でも、5月最終週頃から不安定化し始め、同月29日以降の2週間で見ると、ブラジルやインドネシアの株価指数は11%、タイは10%、フィリピンは8%、ロシアは7%も下落している。また、通貨でも南アフリカランド、インドルピー、ブラジルレアルなどが大きく売られている

 5月半ばまでの半年間で進んだ円安は、ほとんどが海外短期筋の円売りに起因する。したがって、市場に積み上がった円ショート・ポジションは非常に大きいだろう。そして、円ショートの反対側でロングになっているのはエマージング市場の通貨・資産である場合も多いと考えられる。このままエマージング通貨・資産の売りが続くということは、ポジションが閉じられる、つまり、円が買い戻されることを意味するのである。

<円は安全資産だから買われるのではない>

 第3の要因 は、ほかならぬドルの下落だ。5月半ばまでの半年間のドル円相場急騰のほとんどは「円安」に拠るところが大きいが、5月9日の100円台乗せ以降は「ドル高」に支えられた部分も大きかった。量的緩和縮小に対する期待の高まりなどを背景に、ドル名目実効レートは5月9日から約2週間で3%超上昇した。そのドルが6月に入ってから反落を続けており、上昇分の半分以上をすでに失っている

 実効レートで言うと分かりづらいかもしれないが、ユーロとポンドが対ドルで6月に入って上昇しているのは、ドルが全体的に弱くなってきたからである。ドルは米長期金利が引き続き上昇トレンドにある中で下落に転じており、こうしたトレンドが続くようであれば、ドル円相場に下落圧力をかけるだろう。

 このように、日本の債券・株式市場の不安定化、エマージング市場の不安定化、ドル安という3つの要因が今後も続くようだと、ドル円相場の下落トレンドはもうしばらく続くかもしれない。

 ただ、第1と第3の要因はそれだけでドル円相場が80円台まで下落するほどのインパクトとはならないだろう。最も怖いのはエマージング市場の不安定化である。ここから出てくる資金の多くは円に戻ってくるはずだからである。よく「安全資産としての円に資金が向けられ」などと言われるが、円は安全資産だから買われるのではない。もともと、円を調達し、それを売って、エマージング通貨・資産を買っているのだから、そのポジションを閉じる時には、円を買い戻し、返す必要があるというだけのことだ。

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 <5月半ばまでの半年間で進んだ円安は、ほとんどが海外短期筋の円売りに起因する。したがって、市場に積み上がった円ショート・ポジションは非常に大きい/ 円ショートの反対側でロングになっているのはエマージング市場の通貨・資産である場合も多い/ このままエマージング通貨・資産の売りが続くということは、ポジションが閉じられる、つまり、円が買い戻されることを意味する> といった金融取引の粛々とした "力学" に改めて目を向けなければならない時のようである...... (2013.06.14)













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