大きな外科手術では "輸血" という緊急措置が必要となる場合がある。そんな場合、準備された "血液製剤" に、何ら問題のないことを祈りたいが、"不安材料" が無いわけでもない......。
つい先日には、<エイズウイルス(HIV)に感染した献血者の血液が日本赤十字社の安全検査をすり抜けて輸血された問題>( もう1人の輸血患者、HIV感染なし 検査すり抜け/日本経済新聞/2013.11.29 19:41 )が報じられて、世間を震撼させた。
献血された血液は、所定の処理過程を経て安全な "血液製剤" となって医療機関に届けられるわけだが、<安全検査をすり抜け......> というケースが決して皆無ではないことが突きつけられてしまったことになる。
そんなタイミングということもあり、下記引用サイト記事 : 京大、iPSから赤血球を量産 血液の難病治療に道/日本経済新聞/2013.12.06 - 02:00 は、"明るい展望!" を切り拓いてくれる。
<京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之教授らは、血液中で酸素を運ぶ赤血球をiPS細胞から大量に作り出す技術を開発した。赤血球のもとになる細胞を作って増殖させる。輸血に使う血液の確保のほか、白血病など血液の難病の治療に役立つ成果という。米科学誌ステムセル・リポーツ(電子版)に6日掲載される> とある。
これまでは、<iPS細胞から赤血球を作ることはできたが増殖できず、量産できなかった> のだという。
それに対して、当該の研究グループは、<ほぼ無限に増殖できる赤血球のもとになる細胞>、すなわち<「不死化赤血球前駆細胞」と呼ぶ特殊な細胞> の段階に着眼し、"この段階で増やす!" ことを叶え、これらを<赤血球のもとになる細胞> へと導くアプローチを採用したのだという......。
京大、iPSから赤血球を量産 血液の難病治療に道/日本経済新聞/2013.12.06 - 02:00
京都大学iPS細胞研究所の江藤浩之教授らは、血液中で酸素を運ぶ赤血球をiPS細胞から大量に作り出す技術を開発した。赤血球のもとになる細胞を作って増殖させる。輸血に使う血液の確保のほか、白血病など血液の難病の治療に役立つ成果という。米科学誌ステムセル・リポーツ(電子版)に6日掲載される。
iPS細胞に「c―MYC」と「BCL―XL」という2種類の遺伝子を組み込んだところ「不死化赤血球前駆細胞」と呼ぶ特殊な細胞ができた。この細胞はほぼ無限に増殖し、80日ほどで細胞の数が100億~1000億倍に増える。
その後、2つの遺伝子の働きを止めると、増殖した細胞は赤血球のもとになる細胞に育った。酸素を運ぶ能力もあった。マウスの血管に注入すると体内を循環して赤血球に育つことを確かめた。
これまでもiPS細胞から赤血球を作ることはできたが増殖できず、量産できなかった。研究グループは、ほぼ無限に増殖できる赤血球のもとになる細胞の段階で増やすことで課題を解決した。
【 同一記事参照 】
iPSから赤血球のもと大量生産 京大、輸血安定供給に/【共同通信】/2013.12.06 02:00
"献血された血液" だけに依存するのではない、"より安全性の高い血液" 確保への道が、今、敷かれようとしている。大いに期待されるところだ...... (2013.12.07)
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