政治経済一般: 2012年12月 アーカイブ

 "国内景気" が回復路線に向かい、日本経済が立て直されて行くことを望まない者はいないはずだ。しかし、事実認識をさておいて、"思い込み" だけにのめり込もうとしているような "妙な気配" が気になってしょうがない......。

 このところ継続(?) している "円安/株高" をもって "景気回復" が始まったとでもいうような "気配" のことだ。
 ちなみに、最新の "国内景気" 動向に関しては次のような報道がある。

< 日銀の白川方明総裁は20日の金融政策決定会合後の記者会見で、国内景気について「一段と弱含んでいる」と述べた。従来の「弱含み」から判断を引き下げた。長引く海外経済の減速で輸出や生産が減少していることなどが背景にある。
 先行きについては「海外経済減速の影響が設備投資などの内需にも及んでいるなかで、当面弱めに推移する」と語った。......>( 日銀総裁、景気「一段と弱含んでいる」「当面弱含みが続く」/日本経済新聞/2012.12.20

 要するに、"国内景気" 動向評価とこのところの "株高" とは相関しておらず、"株高" 現象は "円相場" の下降変動だけで現象化しているに過ぎないわけだ。要するに、"構造改革" などによる "経済成長" を反映したとでもいう"株高" なんぞではないのだ。
 株式相場は、いわゆる "期待感" だけでも上昇するメカニズムを持つ、言ってみれば "影" のごときもの! さらに "円相場" なぞは、国際経済事象などの "組み合わせ" で流動化する "影" のまた "影" のような事象とは言えないか......。

 どうも、先の総選挙での安倍自民党総裁の "金融緩和" 構想("アベノミクス")のアドバルーンと、"円高" 是正現象が重なったことによって、景気実態よりも "影" への関心が独り歩きしているそんな風潮が気になってしかたがない。
 いや、もし "影" の独り歩きでも、ホントに景気実態を上向かせるのであればそれは結構なことかもしれない。しかし、そんなことは起こらない確率が高いと推察されるので、"思い込み" でしかないと見える。

 "アベノミクス" には、"金融緩和" 策に "物価目標 2%"(いわゆる "インフレターゲット" )という指標を設定で "デフレ脱却" を目指す案が盛り込まれている。
 もとより、専門家たちは、"経済成長" という実態を後回しにしつつ、"金融政策" だけで "デフレ脱却" を図ろうとする構想に大きな疑問を投げかけてきた。この点は、別に専門家はでなくとも分かることだ。長きにわたって "湯水" のごとく財政支出と金融緩和を進めてみても成果が上がらなかった過去を思い起こせば!

 だが、専門家たちは、今改めて "物価目標 2%" という策への "疑問符" を投げかけている。それが、下記引用サイト記事:焦点:2%物価目標だけでは空手形、賃金上昇の青写真提示が必要/REUTERS/2012.12.20 である。

安倍晋三・自民党総裁が2%のインフレターゲットと政府との政策協定の検討を日銀に要請したが、経済専門家は、政府と日銀がその手段をセットで明示しなければ空手形に終わると指摘/ 最大の難関は消費者のデフレマインド解消とみられ、その決定打となる(のが)賃金上昇/ 消費者物価の上昇は、最終的には人々のデフレマインドを払しょくすることで実現するというのが、専門家の間で一致した見方/ 物価目標達成について「決定打となるのは賃金上昇しかない。それがなければ、持続的に物価が1%を上回るという状態は起こらない」/ しかし現在の日本では賃金上昇は極めて起こりにくくなっている/ 企業が賃上げを実施する最大のモチベーションとなるのは業績拡大だが、雇用や賃金上昇に波及するには3─4年の期間が必要となり、持続的な成長が不可欠/ 必要となるのは、「企業の生産性向上に向けた構造改革」

 自分の "姿" が風采が上がらないからといって、いくら "影" をいじり回したところで、己が "姿" が変わるわけではないのだ......。




















 自民党の地滑り的圧勝(自民:294/民主:57/維新:54/公明:31/......)に終わった "衆院選1012" で、そぼ降る雨の月曜日は、寒さ冷たさをひとしお感じさせることとなった。

 子どもの頃に、"平行四辺形の合力" という "物理原理" を学んだ際には、その不思議さに見入ったものだったが、今再び "幻滅感" とともにその "原理" に遭遇するとは思いも寄らなかった。
 もっとも、その "一辺" であった民主党の信じられないほどの体たらく、自滅的所作を踏まえれば、こうした結果となったことも頷けないわけではない。
 何度も変わる機会、立て直す機会があったにもかかわらず、"惰性/慣性" というこれまた "物理原理" に身を任せてなるようになってしまったわけだ。
 これが、モノ以上にモノの性質を具現する "政治屋" 集団の度し難い宿命と言うべきか......

 とするならば、年末番組じゃあるまいに "見たくもない昔の顔" を縷々並べた "自民新政権" もまた、"惰性/慣性" という最も強力な "物理原理" に支配されて行くであろうことは目に見えている。
 下記引用サイト記事では、その点を次のように危惧している。

今回の大勝により、前回2009年の衆院選で落選した元職らが大量に復帰。弱体化した派閥が再び息を吹き返す可能性もある。安倍氏は脱派閥を目指し、党や政府の役職を党本部ですべて調整することを柱とする党改革案をまとめた。しかし、実効性は不透明。安倍氏周辺は「党を掌握するための側近が足りない」とこぼしており、派閥の影響力が強まってきそうだ

 "物理原理" には、今一つ頻発する現象がある。言うまでもなく "反動" であり、今回の選挙でも少なからず発揮されたわけだ。
 そして、"安部新政権" が今、最も警戒しているのが、半年後に控えた "参院選" での世論の "反動" だと言われている。

<「安倍政権が調子に乗って政権運営を誤れば、参院選で大きな反動が起きる」>

 現在の "政治" に、高尚で格調高い "分析概念" なんぞは不必要かと思われる。モノを淡々と支配し、モノに貫徹されている "物理原理" さえ睨んでいれば結果は見えてくる(?)......。

 まさに、<驚きを持って受け止められている>世論調査の結果だと言うほかない。
 まだ<有権者の約30~50%はまだ投票先の政党を決めていない状態で、今後情勢が変わる可能性がある>とはいうものの、<ここ数年、選挙は一過性のイベントになり、無党派層は流れに乗る傾向がある/ 結果、(世論調査の示すように)自民党が大勝する可能性は高いだろう>という観測が妙に説得力を持ったりする。

 ただし、こういう風潮では、"残り一週間の間に想定外イベント" でもあれば、またまたコロリと変わる可能性もあるということになる......。

 "歴史意識/感覚" が根付かず、刹那的なフィーリングだけが支配する空間ともなれば、起こって不思議ではない風潮であろう。

 何がどうだと言って、<原発賛成の自民党に対する支持はまた、昨年の福島第1原発事故を受けた脱原発をめぐる協議以上に、数十年間デフレに見舞われた日本経済のテコ入れがいかに有権者の最優先事項となっているかを示している>ということなのであろうか......。

 今さらのように、"エコノミック・アニマル" ジャパンという海外からの寂しい評価を振り返ってしまう。"貧すれば鈍す!" とはこうした事態を言うのかもしれない......。

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