東日本大震災: 2012年1月 アーカイブ

 "東日本大震災" の際に、"ソーシャルメディア" がさまざまな社会貢献をしたことは広く語り継がれている。
 本来、人と人との "つながり" を "自主的" に 構築してゆく "ソーシャルメディア" には、そうした "潜在的パワー" が内在していると思われる。
 そして、今、時代環境は、とても "手放し" ではいられない未曾有の "苦境・苦難" に遭遇している。誰かれに関わりなく、誰にとっても同じである。
 そんな場合、四の五のと言っては言られまい。"自力救済と人助け" という "問題解決型スタンス" に立つことが大なり小なり望まれそうだ。"ソーシャルメディア" も、そうしたアプローチが活性化されてもいいのではなかろうか。

 そんなふうに思い直す時、自然に視野に入って来るのが「ソーシャル・キャピタル(Social Capital)」という観点である。
 "キャピタル" というと "資本" となり、"経済的な、強欲な(?)" イメージを思い起こさせるが、実はそうではなく、「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴であり、共通の目的に向かって協調行動を導くものとされる。いわば、信頼に裏打ちされた社会的な繋がりあるいは豊かな人間関係(【 引用記事 3 】より)のことなのである。
 なぜ、"キャピタル" と称されるのかと言うと人と人のネットワークが社会システムを補完し効率を高めるなど経済的な効用があるため(【 引用記事 1 】より)だからだという。




















 "ソーシャルネットワーク" ではなくて、"ソーシャルニットワーク" というプロジェクトがあるんですねぇ。
 TVで、大震災被害への支援番組を見ていたところ、このプロジェクトの活動の紹介に出会ったのだ。文句なく素晴らしい活動だと感じ入った。なお、このプロジェクトについては、検索の結果、下記引用サイト 被災地で編み物の仕事作り-買い手×編み手 マッチメイク会 が それであることが分かった。

 大震災の被災地域に住むご婦人たちが、"生きがい"と"仕事" とを手にして、日がな一日せっせと "ニット(手編み)" 作業に没頭していたのである。何とも心温まる光景であり、これが大正解! これこれ! という納得感で満たされたものであった。
 あるお年寄りの婦人は、日課である昼寝もせずに一日中目一杯編み続けている、と目を輝かせて語っていた。がんばれば月数万円の収入となることもあり、"頑張り甲斐" があるとのことだ。
 被災者たちが今、心底必要としているのは、支援物資もさることながら、"生きがい" とのセットとなった "仕事" なのだという、そんな平凡な事実がじわじわと伝わってくるのであった。

 番組を見ていて意を強めさせられたのは、いくらかでも余裕とパワーのある者たちは、 "仕事作り" という緊急課題に挑まなければいけない、という思いであった。
 被災地に限らず、このご時世、未曾有の "経済災害(?)" で収入が途絶え、"生きがい"と"仕事" とをともに剥奪されてしまった人々は数知れないはず。そして、残念ながらこれから先この状態は悪化の一途を辿ることは想像に難くない。
 こうした不幸な事態を目の当たりにするにつけ、考えようによってはあの終戦直後以上に悲惨なのかもしれないという直観が働いたりもする。と言うのも、事、"仕事" という点となると、現時点での "仕事" というものが成立する社会的条件は、終戦直後の大混乱時よりも逆に狭まっていそうな気配がするからである。
 つまり、"非力な個々の庶民" が日銭を得る機会、"隙間" は意外と埋め尽くされているからだ。個人自営業でさえ危機に瀕するほどに、低廉なモノやサービスは市場に溢れ、その市場自体は大企業によって制覇されている......。

 若い "ネット・ネイティブ" たちでさえ、一頃のようなネット活用に基づくスモールビジネスからの収入を得るのに苦悩しているとも聞く。
 IT 環境がますます巨大な "装置産業" 化することによって制覇され、"インディ" や "フリーランサー" たちの出る幕を圧倒的に狭めているとさえ見えるからだ。
 "格差" という言葉を "所得格差" といった抽象的理解にとどまらず、逐一見て行くならば、チャレンジのための "機会" に急速に "格差" 現象が滑り込んでいる点に注意をむけなければならないはずであろう。

 さて、冒頭の "ソーシャルニットワーク" というプロジェクトの話に戻るが、ここには重要な "ヒント" が潜んでいると思われる。以下、これに関して三点ほどメモをしておきたい。

1."仕事作り" という視点に集中すること!
 "起業" という言葉がありふれて口にされるようになってきたが、"起業" とは要するに"仕事作り" 以外ではない。ここで留意すべきは、半端な "シーズ志向" に走らず、"ニーズ志向" に徹することと、自身の "仕事" に閉じこもらずに、欲する人たちに "仕事" を "シェア" できるかたちがベストとなる点。

2."仕組み(ビジネス・モデル)作り" を外すわけには行かない!
 "仕事作り" を "ニッチ" 探求型で追及するとしても、"出来合い" の対象があると考えるのは甘い! "仕組み(ビジネス・モデル)作り" の知的プロセスが不可避と考えなければならない!

3."ソーシャルメディア" を "一点突破" 的に活用!
 "ソーシャルメディア" とは、人と人との "つながり" である。"仕事" の片方では "持続性" が要求され、それは "儲ける" ことなしでは済まない。
 "儲ける" という漢字は、 "人ベン" と "諸" で形作られて、 "諸人(もろびと)" の関与を示唆して余りある。
 "ソーシャルメディア" こそは "諸人の関与" そのものであり、ここに "お宝" が埋まっていることは言うをまたない。
 ただし、当然のこと、"お宝" を引き出すのか、"お賽銭" に終わるのか、あるいは "炎上" や "詐欺" で自滅するのか、その幅は広い......。
 "ソーシャルメディア" で "ヒマ潰し" をしたり、どうせ大したことになろうはずがない "お賽銭" 漁りに奔走するヒマはなさそうだ。
 "仕事" のもう片方に控えている "社会的貢献!"( "Social Good" )にこそ比重をかけなければ、"ソーシャルメディア" は回って行かないはずだ。

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