電子書籍と「デバイスにあわせたレイアウト」!/ePub特有のリフロー=「歯抜け」問題! ......

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 とある "電子書籍" 制作に関するハウツー本の以下の記述が目にとまった。ちょうど、今このテーマに自分の作業がさしかかっていたからである。
 昨日書いた、<"iPod touch"向けに制作した"電子書籍"を、"iPad"用にリサイズ・リメイクする作業>というのがまさにそれなのである。

<●電子書籍に必要な機能
   ・フォントの種類とフォントサイズの変更
   ・ブックマーク機能、メモ機能
   ・目次、ナビゲーションの機能
   ・本棚での管理、整理
   ・縦書き等日本語への対応
   ・デバイスにあわせたレイアウト
   ・サクサク快適な動作
   ・インタラクティブなコンテンツの挿入>
(加藤雅士 著『電子書籍の作り方、売り方 iPad/Kindle/PDF対応版』/2010.11.1/エムディエヌコーポレーション)

 そして、筆者は次のように述べている。

<今後とくに重要なのが「デバイスにあわせたレイアウト」だと思っています。電子書籍のデバイスはiPadやKindle DXのような大きいサイズから、iPhoneやソニーリーダーのようなポケットに入るもの、そしてその間のミドルサイズのものがあり、今後もその展開は続くでしょう。ですから、サイズの違い、縦横比の違いに対応できるフォーマットが重要になってくるのです。そうした柔軟性......>(同上著書)

 この "悩ましい問題" については、以前から注意を向けていて、以前に以下のようにも書いた。

<所詮、"電子書籍(eBook)" 作りで軽視できない "要注意点" とは、"ブック・リーダー" の "画面サイズ" の差異をどう意識し、またどう対処するのか、という点に尽きるような気がしている。
 "ブック・リーダー" 固有の "画面サイズ" に応じて、コンテンツをどう丸く収めて表示するのか。コンテンツが "はみ出す" のもマズイし、逆に小さく "萎縮" して表示されるのもまたマズイ。
 また、"ePub 電子書籍" では、"ブック・リーダー" 側の機能によって "表示文字サイズ" の調整ができる(この点が "ePub" の優れた面だ!)のに対して、"PDF" では画面拡大はできても、"ePub" のような "文字拡大&文字送り" はできない。となると、読者側の煩わしさを軽減すべく、作る時点で "適切かと思われる文字サイズ" が設定されなければならない。これもまた、各々の "ブック・リーダー" 固有の "画面サイズ" 問題と深く関係しているわけなのである。>(<「"Webページ"⇒"ePub/PDF" 電子書籍」作業の要は、リーダーの"画面size"向け対応! (当日誌 2010.10.16)>

 現在、"iPod touch" 向けに制作した "電子書籍" を、"iPad" 用にリサイズ・リメイクする作業を楽しみながら(?)行っているのだが、とは言うものの、望みどおりの結果を出すために、特に、挿入画像の周辺の調整については、結構、煩わしさがつきまとう。
 表示画面 "幅" については、"CSS(スタイルシート)" を設けたことで、該当要素の "width" の数字変更だけで比較的簡単に対処可能ではある。
 が、挿入した画像については、単にサイズを変更するだけでは、解像度の点でボヤけたりして見栄えが悪くなる。そこで、そのコンテンツを遡って再編集する必要が生まれたりるのだ。この辺が手間の掛かる点でもある。
 さらに、"ePub" 仕様特有の表示ページ上の "「歯抜け」問題" という厄介な現象にも留意しなければならない。表示されたページに、結構、見栄えの悪い "空白" 部分が発生してしまう現象なのである。

 そもそも "ePub" 仕様には、"フォントの種類とフォントサイズの変更" というメリットと "抱き合わせ" となった "リフロー/「流し込み」処理" というものがある。つまり、フォントサイズを大きくすると、テキストや画像は次のページに流れ込むことで表示調整をしているわけなのである。確か、"MS Word" にも同じ処理が行われて、鬱陶しさを感じた覚えがある。
 この処理自体に悪意(?)はないのだろうが、結果的に災いして "「歯抜け」問題" を発生させてしまうことがあるのだ。
 以前にも、この "災い" に関して書いたはずである。つまり、"縦書き" 仕様をごり押しに進めると、フォントサイズの変更時に弁解不能なほどの見苦しい "空白" 部分が発生する......、と。それも "ePub" 仕様特有の、この "「歯抜け」問題" だったわけだ。

<"縦書き・縦表示のePub変換" というのは、"変換" とは言うものの、実は "難所" が大き過ぎるし、そこを通過するには "労力" が掛かり過ぎるかに思えるからなのである。どうも、"縦書き・縦表示の PDF変換" に比べて "コスト・パフォーマンス" が悪すぎる!
 そして、"縦書き・縦表示の ePub電子書籍" において可能で、"縦書き・縦表示の PDF電子書籍" ではできないことはと言えば、"フォント・サイズ可変" という "自由度" だけなのかもしれない。
 この点は、"縦書き・縦表示の ePub電子書籍" でも可能は可能ではあるのだが、"ページ・レイアウト" が崩れることなどの "問題点が残る!" のである。また、これを解消するには、これまた半端ではない手数が掛かりそうなのである。こうなると、そこまでして達成することが妥当なことなのか......と、考えざるを得なくなるのである。>(<"縦書きePub変換"は、"縦書きWebページ"からできることはできる!/問題点は残る! (当日誌 2010.10.22)>

 というような事情もあって、"電子書籍"制作に当たっては、「デバイスにあわせたレイアウト」という課題が、意外と最後まで尾を引くような気がしている...... (2010.11.28)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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