久々に、"自炊型" 電子書籍作成に話題を振り向けてみる。
今回、語学関係のハウツー(How-to)本の "自炊作業" をしてみた。ちょっと毛色の変わったものを試してみようかと思ったのである。
実は、書斎の一角には、私の "自炊作業" を首長く待って "待ち行列(?)" を作る本たちが犇(ひしめ)いているのだ。
そこには大きく分けて二種類、いや三種類の "紙の書籍" たちがいるかと思われる。
先ず、第一グループは、"読み上げ" が可能となるように、後ほど、いずれは "OCR" → "読んde!!ココ" などでの編集も想定されているような書籍。比較的 "覚えがいい" 書籍たちが対象となっている。
第二グループは、"読み上げ" やそのための "テキスト起こし" が想定されない、文字画像あるいは画像を主体とした書籍。特に、"透明テキスト付き" という点にはこだわらず、"電子ブックリーダー" で読めればよいというもの。通常、"自炊型" 電子書籍というとこの辺りの作成書籍が指されることが多いようだ。
そして第三グループは、古い蔵書であり、ページも黄ばんでいれば表紙も心もとなくなってしまい、今、"自炊作業" で救済(?)しておかなければ、結局は "資源ゴミ" として廃棄されかねない、そんな書籍ということになろうか。もちろん、中身は捨て難いものに限られるが。
これまで、どちらかというと "自炊型" 電子書籍に関しては、"読み上げ" のための "テキスト起こし" ("透明テキスト付き"の"自炊 PDF" )というテーマに強い関心が向いてしまい( 参照:<"読み上げ"を可能にした"PDF電子書籍"の音声を、"mp3"に変換の上"iPod touch"へ(当日誌 2010.10.07)> )、上記の「第一グループ」ばかりに目が向いていたかのようである。
しかし、「第二グループ」の "画像文字オンリー" といったオーソドックスな "自炊型" 電子書籍も決して捨てたものではないわけだ。現に、自分も写真集や "谷内六郎" の画集、そして "つげ義春" や "東海林さだお" の漫画本などをスキャニングして、随時楽しんでいる。
これはこれで、"テキスト起こし" に掛かる手間も不必要であるし、それでいて読む際にも "構える姿勢" 無しで目が通せるコンテンツなので、万事、イージーなエンジョイが可能である。意外と、"電子書籍" のもう一つの "素顔" なのかなぁ、と思わされるのである。
しかも、"電子ブックリーダー" や "iPhone" で "電子書籍" が楽しまれる "TPO" というものを想定するならば、"電子書籍" にはどちらかと言えば "イージーなエンジョイ" が求められているのかもしれない。
ちょっとした空き時間、待ち時間、電車の車中、ごろ寝の際などなど、を想像するならば、"正規の読書(?)" というよりも、"立ち読み(寝っ転び読み?)" 風の気軽さ、"スナック菓子" あたりのコンテンツのライトさがフィットしている、と十分に考えられるからである。電子書籍の "アンビエント性" は、こんな点にも関係しているのかもしれない。
そんなこんなを考えてみると、"電子書籍"制作、"セルフパブリッシング" を志す者は、"自炊型" 書籍の対象とされがちな書籍の種類から、ターゲット書籍のヒントを得ることもできそうかな、と思ったのであった。
仮に、"小説" にしたところで、自分のような "シリアスさよがり" ではなくて、"ライトさ、さりげなさ" が案外妥当なのかもしれない...... (2010.11.18)
コメントする