この間進めて来た "ePub editor Sigil" を使って "Webページ" を、"iPad" 向けに "ePub 編集・変換" するという作業の件である。ようやく、フィニッシュに近づいた。
ところで、こんなことをすることに意味があるのだろうか......、という迷いがないわけではなかった。もっとも、"ePub 変換" 技量アップのためのトレーニングとしての意味付けが小さくはなかったのだから、これはこれでよし、と思ったりしているのだが。
結構な "手間ヒマ" が掛かったことになるので、ふと、迷ったりもしたわけなのだ。
この "Webページ" というのは、元々が、"ポピュラーなテーマ・サイト" ではない。いわゆる "アクセス件数" を強く意識したサイトではなく、"その筋の専門家" がお困りの際には参考になさってください......、とでもいう類のサイトなのである。( <「SE Human Assessment ソフトウェア技術者のための評価と人事考課」> )
しかし、極めて "地味" ではあるのだが、訪問者が皆無の日は少なく、日ごとパラパラとした数の閲覧者がいらっしゃる。そして、僅少ではあるが、10年、20年前のコンテンツの、その<復刻版>なるものも購入してくださる企業も継続したりしている。
サイトのコンテンツの内容はというと、この分野の性格上、"遠・高・狭" と揶揄された公団ではないが、"字が小さい"、"表現が固い"、"複雑難解" といったネガ三拍子を備えている。そして、資料もやたらに多く、別途ダウンロードしていただく "PDF" での資料も十数種類を "完備(?)" しているのだ。
これだと、余程、"その筋の専門家" や担当者の方が、職務上頭を抱えてお悩みという事情でもない限り、素通りしたくなるに決まっていよう......。
ただ、逆に、切実にお悩みの方にとっては、ブラウザを睨みながら熟慮するにはちょっと辛いかなぁ......、という感触を抱かれるのではないかとも想像して来た。
"こうした類" のコンテンツは、"Webページ" ではなくて、どちらかと言うと "紙の書籍" のように、しっかりと "手元に引き寄せて" 「眼光紙背に徹す」に近い姿勢で精読すべきものなのかもしれない、と......。
かつて、次のように書いたこともあった。
< とにかくスピーディに "ファースト情報" を得るためには、"Web ページ" は最適だと思われる。しかし、PCにかじりつくような、前のめりの姿勢では、コンテンツを "ジックリ" と読む、ということにはならないのではなかろうか。
『電子書籍の衝撃』の筆者/佐々木俊尚氏は、この辺の事情を以下のように述べていた。
≪* 姿勢と距離から見る、コンテンツとデバイスの相性
いま、ものすごい勢いで「タブレットサイズ」と呼ばれる電子ブックを読むためのコンピュータが登場してきています。
つい最近まで、電子ブックを読む機器はパソコンか、そうでなければケータイでした。しかし、パソコンやケータイで本を読むという行為が本当に最適な読書スタイルなのかというと、かなり疑問です。
コンテンツは、それに適した「姿勢」と「距離」が用意されないと、じっくりと楽しんだり取り組んだりできません。≫(佐々木俊尚『電子書籍の衝撃』/ディスカヴァ一携書/2010.04.15)
もっとも、 "忙しい" 現代人のどの程度が、飛び交うコンテンツを "ジックリ" と読みたいと思っているかという、そんな疑問がないわけではない。><"ジックリ読ませたいコンテンツ"提供なら"Webページ"よりも"電子書籍"がbetter! (当日誌 2011.01.15)>
こうした事情が、ならばこの際、このサイトをそっくり "iPad" 向け "ePub 電子書籍" 化してしまったらどうか......、という動機づけに繋がったのである。中身は、長く "公開" して来たコンテンツであるため、"無償ダウンロード" ができる "ePub 電子書籍" 扱いにでもしようかと考えている。近々、設定するつもりでいる。
それにしても、"Webページ" とは差別化された "電子書籍" の存在意義というのは、マンマシーン・インターフェイスレベルの差異だけではなくて、"コンテンツ自体の性格" という点に深く関わっているように思える...... (2011.02.25)
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