[再]"休眠預金"の起業家支援活用!(大前研一) 政府のリーダーシップで閉塞状況打破!

| | コメント(0) | トラックバック(0)

 "お金" というのは、目先の "帳尻合わせ" なんぞではなくて、まさに "使い方" 以外の何ものでもない! と痛感させられている。
 一昨日にも書いた "休眠預金" とこの国の "閉塞経済状況" との関係に関する率直な心境のことである。

 ◆参照 "雇用創出"にも繋がる"起業"機運を支えるためのアイディア!"休眠預金"の活用!( 当誌 2012.03.08 )

 あたかも "ダークホース" 的存在の "休眠預金" についてなのであるが、下記引用サイト記事:「休眠預金」は起業家支援に使い、日本を活性化せよ/nikkei BP net | 大前研一の「産業突然死」時代の人生論/2012.03.05 によって "再考" を迫られた思いがする。
 "休眠預金" を "起業家支援活用" にという点は、ますます意が強まるばかりであるが、"休眠預金" の "処理推進主体" に関する点で、 "民間銀行" なのか、"政府" なのかという点なのである
 前回は、不用意にも休眠預金は、銀行自身が有効活用するのが本筋(上記サイト)という発想を是認するかのニュアンスで書いた。

 だが、より大きな "本筋" 論からするならば、「起業家支援に使う」とはっきり言えば銀行は黙らざるを得ない。なんなら金利もろくに払っていない銀行に起業家支援の寄付金を毎年800億円出させてもいい。産業の発展のために銀行も一肌脱げばいいのだ。と喝破する大前研一氏の提言に分があると思われるのだ。
 諸外国の例をも踏まえて、起業家支援は政府のリーダーシップでやってもらいたいとする発想が自然であろう。
 考えてみれば、"休眠預金" を "銀行のもの" と見なすことにはムリがあろう。であれば、"政府" が "イニシアチブ" を発揮して管理すればいい......。

 で、問題はどこにあったかと言えば、政府は休眠預金の使い道を「東日本大震災で被災した企業の支援」としている点だと思われる。政府としての "大局的観点" に立ち切れていない点が問題なのであろう。さらに言えば、"中途半端さ!" が逆に混乱を招くことになっているということかもしれない。
 確かに、この "お金の使い方" であれば、"情が先立つ" 国民からの "一般受け" はしそうである。
 しかし、同時に "玄人筋(?)" である銀行などからすれば、"悪くはないにしても、それでは、現在必須の効果的な景気刺激にはならないじゃないの!" という "ツッコミ" を誘うことは必定だったわけだ。今最大限に配慮すべきは、被災地の復旧復興をも含めてのこの国の経済の立て直しをどう仕掛けるのかにおける "効果的なお金の使い方" だからである。
 そうであるから大前氏は、政府がこういうことを国民にきちんと説明すれば理解も得られやすいだろう。...... 「起業家支援に使う」とはっきり言えば銀行は黙らざるを得ない。と述べているわけなのだと思う。

  "起業家支援" という社会的支援が全体経済にとっても喫緊の重要課題であることは "政府を除いて(?)" は概ね了解されているようだ。また、その資金として "休眠預金" が相当することも同様である。
 そこで、残る問題は、"休眠預金" の "処理推進主体" を誰にするか......、となっていそうである。政府こそが、経済の現状と今後に対して踏み込んだ知恵を発揮する文脈、局面にあると思えるのだが......。

 「休眠預金」は起業家支援に使い、日本を活性化せよ

 政府はこのほど、銀行などで10年以上お金の出し入れがない「休眠口座」の預金を、東日本大震災で被災した企業の支援に使うための検討に入った。
 「休眠預金」は毎年800億~900億円発生していると言われる。その一部を有効活用しようというのが今回の狙いだが、銀行業界は「もともとは顧客のお金。国が勝手に使うのはおかしい」と反発している。

民主党幹部に提案してきた「休眠預金」の活用

 「休眠口座の預金を活用する」というアイデアを、私は以前から主張している。本連載で2010年8月4日に掲載した記事「英キャメロン首相の『大きな政府』構想に注目」でも述べているし、また昨年11月に出版した拙著『訣別―大前研一の新・国家戦略論』(朝日新聞出版)では「いまこそ『偉大な社会』を」という項を立て、より詳細な内容について書いている。
 また、民主党幹部をはじめ政治家と面談する機会も多くあり、折りに触れて休眠預金の積極活用を提案してきた。 ......
 だから今回、政府が休眠預金の活用に踏み出したことは喜ばしいことであり、率直に評価したいと思う。

英国は休眠預金を使った"Big Society Bank"で社会活動を支援

 世界的に見ると、休眠口座の預金を活用することは比較的よく行われている。下に主要国の休眠口座の活用事例をまとめてみた。


[画像のクリックで拡大表示]

 英国では、15年間口座が開かれた状態で、口座名義人の取引活動がない場合、それを休眠口座としている。4億ポンドの休眠預金があり、それをもとに社会活動を支援する基金をつくっている。キャメロン首相の言う"Big Society Bank"だ。
 アイルランドや韓国も基金や財団をつくり、休眠預金を福祉や社会活動の予算に充てている。ところが、日本はと言えば、当然基金も財団もなく、休眠預金はいったん銀行の利益として計上しているのである。 ......

日本全体を覆う閉塞感を吹き飛ばすための「偉大な社会」構想

 政府は休眠預金の使い道を「東日本大震災で被災した企業の支援」としている点については、私は別の考えを持っている。 ......
 現在の日本に求められているのは、国全体を覆う閉塞感を吹き飛ばすことであり、その施策が必要だ。 ...... 膨大な累積債務を考えれば、「大きな政府」からいかに脱却するかという政策が重要で、それを実現するのが私の主張する「偉大な社会(グレート・ソサエティー)」構想だ。
 「偉大な社会」構想とは、...... 税金を使わずに経済や社会活動を活発化し、また個々人が積極的に活動に関わっていく社会をつくるというのがコンセプトである。
 「偉大な社会」構想の一環として、我がBBT(ビジネス・ブレークスルー)では、「スポッフ(SPOF=背中をポンと押す)」と名付けたファンドをつくり、BBTやアタッカーズ・ビジネス・スクール(ABS)の現役学生やOBを対象にした起業家支援に取り組んでいる(「大胆に債務削減し、1兆円規模の企業家支援を」)。

税金を使わず休眠預金で起業家支援を

 これまでの17年間でABSから5500人以上の卒塾生を世に送り出しており、卒塾生による起業も800社に及ぶ。 ......
 だが、やはり私個人、あるいはBBTの力だけでは限界があるのも事実だ。やはり、こうした起業家支援は政府のリーダーシップでやってもらいたい。そして、その資金として税金を使わずに休眠預金を積極的に使ってもらいたいと考えている。
 日本はここ数年上場する企業が激減、 ...... 資本主義社会では企業が雇用をつくり、産業を推進するということを考えると、起業を国民総出でバックアップしていく以外に日本を元気にする方法はない、と私は信じている。

休眠預金800億円で上場企業が400社生まれる

 SPOFの起業資金は、1件当たり200万円だ。私のABSでの経験では800社が新たに生まれ、そのうち7社が上場することに成功している。 ......
 これをもとに計算すると、年間の休眠預金800億円を起業家支援に回すことができれば、実に年間4万社が誕生し、400社近くが上場する可能性があることがわかる。 ......

新しく誕生する企業がない、これこそが最大の問題

 ...... 日本はいつの間にか役所と大企業が市場を支配する"寄らば大樹の陰"国家になってしまっているのだ。戦後の日本を牽引したきらびやかな創業型経営者たちの染色体はいつの間にかどこかに消えてしまった。新しく産まれる子供(企業)がいない――これこそが日本の抱える最大の問題である。
 こういうことを国民にきちんと説明すれば理解も得られやすいだろう。...... 「起業家支援に使う」とはっきり言えば銀行は黙らざるを得ない
 なんなら金利もろくに払っていない銀行に起業家支援の寄付金を毎年800億円出させてもいい。産業の発展のために銀行も一肌脱げばいいのだ。「金利はいらない」と言った篤志家の献金をまとめて起業に回してもらってもよい。また、遺産相続を決めかねているお年寄りも「『偉大な社会』のために寄付しよう」と財産の一部を供出するなど、喜んで協力してくれるのではないか。

起業家精神にあふれ、活気のみなぎる日本社会を

 とにかく若い人たちが夢を持てるような施策を展開してもらいたい
 今の民主党は社会保障の充実をトップに掲げているが、それだけでは国は元気にならない。...... 「失敗しても路頭に迷う心配はない」と思い切って起業する仕掛けを同時に構築しなくてはいけない。
 新しい起業家が毎年数万人(10年で数十万人)出てくれば日本社会は確実に変わる。 ......
 若人だけではない。定年退職したビジネスパーソンの中から「これまでの経験や知識、人脈を生かして起業したい」という人が出てくれば、それを支援するのも悪くはない。...... 経験豊かな人と若い人がジェネレーションを超えて共同で事業を立ち上げるのも素晴らしいことだ。
 官の音頭ではあっても税金を使わない、...... グレートソサエティーこそ今の日本にもっとも必要な施策である。起業家精神にあふれ、活気のみなぎる日本社会を国民総出でつくっていかなければならない。

「休眠預金」は起業家支援に使い、日本を活性化せよ/nikkei BP net | 大前研一の「産業突然死」時代の人生論/2012.03.05

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛箇所を施しています。)

 "休眠預金" による "起業家支援" というテーマは、政府による "お金の使い方" という問題を図らずも照らし出したかのようだ。目先の "帳尻合わせ" に汲々としていて、"持続して行く社会" を棚上げにしているかのような点が最大の問題か...... (2012.03.10)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: [再]"休眠預金"の起業家支援活用!(大前研一) 政府のリーダーシップで閉塞状況打破!

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://adhocrat.net/mt/mt-tb.cgi/1849

コメントする

2020年11月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          














関連サイトへのリンク


  • 電子書籍(eBooks)制作にフォーカスしたサイト
  • 明けない夜はないことを確信するサイト
  • Green(地球環境改善)にフォーカスしたサイト
  • ソフトウェア技術者やSEのための評価と育成、人事考課制度を考えるサイト
  • さまざまな業種・業態でご利用可能なモバイル活用の予約システム!
  • 創作小説『海念と保兵衛』のサイト
  • 創作小説『かもめたちの行方』のサイト
  • 当ブログ推奨の商品を展示したAmazon ストアー!
  • 当AdhocBlogブログの過去のエントリー
  • 株式会社アドホクラット当時のサイト

★売れ筋! No.1!
家庭用"放射線測定器"

日本通信 bモバイルWiFi ルータ+1 ヶ月定額SIM BM-U300W-1M
価格:¥ 20,208
国内配送料無料 Amazon





このブログ記事について

このページは、yasuo hiroseが2012年3月10日 00:01に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は、
 「"Social media" 時代だからこそ、"感情"の"役割"を再発見する意味がありそう! ......
です。

次のブログ記事は、
 「跡を絶たない詐欺! スマホ狙うワンクリ詐欺の新演出?! 振り込め詐欺は米国でも! ......
です。

最近のコンテンツは、
 インデックスページ
で見られます。

過去に書かれたものは、
 アーカイブのページ
で見られます。

年月別アーカイブ

最近のトラックバック