"Social media" 時代だからこそ、"感情"の"役割"を再発見する意味がありそう! ......

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 "理性と感情" とを比較する議論は随分と古くから、様々なかたちで行われて来たはずだ。だから、"今さら......" という印象が拭い切れないテーマでもある。
 そうした "感情" について、いつも "科学的検証" の上での興味深い記事を提供し続けている "WIRED JAPANESE EDITON" が、感情が「理性より賢い」とき/WIRED JAPANESE EDITON - SCIENCE/2012.03.06 という表題の記事( 下記引用サイト記事参照 )を掲載していた。

 この種の記事には常々関心を向けてきた自分ではあるが、やや "食傷気味" な感触がないわけでもなかった。
 で、思いを巡られたのは、"今、何故、感情なのか?" という文脈についてであった。
 すぐに思い当たった点は、われわれの時代環境がますます "情報過多" の様相を強め、そこで生きるわれわれがその "情報処理" で日々右往左往させられている現状である。
 しかも、その "情報処理" ではのんびりと "理性的" に構える時間的ゆとりも許されていないかのようなので、何かスピーディな "情報処理方法" がないかと思案する......。
 振り返れば、コンピュータ操作における "アイコン" 操作方式に見られるごとく、昨今、デジタル処理操作では、"直観的" 操作という処し方が一般化している。"感覚的" 対応が果たす "スピーディさ" への着目だと言うべきか......。
 どうも、"情報処理" 操作におけるこの "スピーディさ" への要請が、今、アナロジカルに "感情" という働きに着目させている理由ではないか......、と。

もとより、"感情" に根差す "直観"(「感情によるお告げ効果」(emotional oracle effect)) を働かせて、瞬時に "判断"("情報処理" )してしまう方式は、昔から馴染みのある処理方式であった。
 ただ、"感情" に根差す "直観" は、"ヤマカン" に代表されるごとく、如何にも危うさ、信頼性の乏しさが付きまとう。もし、説得性のある "科学的根拠" が伴うならば、"感情" に根差す "直観" ほど "現代スピード時代" に適合した "情報処理" 方式はないはずだ......。
 こうした事情が、今、"感情" という、人間に古くから備わっていた "情報処理装置" の問題に、光を投射している理由のように思えたのである。
 この辺の勘繰りがあながち不当でもなさそうなことは、下記引用記事を精読するならば了解できるのではなかろうか。

 ところで、"今、何故、感情なのか?" という点で目を向けてみたい文脈がある。それは、今や時代環境の一大トピックス化した "ソーシャルメディア" との関係である。
 もっとも、"ソーシャルメディア" もまた、"情報過多" 環境とスピーディな "情報処理方法" の模索という状況下で普及したものであることを考えれば、無縁であるはずがない。
 ただ、それ以上に、"共感" という要素の比重が高い "ソーシャルメディア" は、"感情" と深い親和関係を持っていると思われる。

 ◆ 参照 "YouTube"サイトのプレゼン動画:"Social Media Revolution"が説得力ある理由!( 当誌 2011.12.04 ) ex. "感情の共有"!
 ◆ 参照 <人気動画が拡散する理由>人々は事実の共有より感情を共有(連帯感)したがる?! ( 当誌 2011.08.27 ) ex. 「われわれは、事実を共有したいというより、感情を共有したいのだ。」
 ◆ 参照 やはりインスタントメッセージよりも直接会話が!Socialメディア考察にヒント!?( 当誌 2012.01.17 ) ex. 母が何を言ったかということよりも、母の声自体(韻律学として認知されてきたトーンやイントネーション、リズムなど)に、癒し効果がある

 この辺の問題は、 "言葉によるソーシャルと感情によるソーシャル" というテーマなどさらに "深み" がありそうなので、稿を改めて考察したい。

 感情が「理性より賢い」とき

人間の理性の処理能力には限界があるが、無意識大量の情報を同時に処理する能力を持つ。その無意識への窓になるのが感情であり、さまざまな予測において「自分の感情を信じる人」のほうが優れた成績を示したという研究結果を紹介。


米国の投票ブース。Image: SarahPAC-USA/Flickr

 人間は長い間、感情を低次なものと見てきた。原始的なものであり、動物であった過去の時代から引き継ぐ残念なものにすぎないとして。

 例えばケーキを食べ過ぎたり 間違った人とベッドをともにしたり、サブプライム・ローンを借りたりするなどの愚かな行動をとったとき、われわれはふつう、それを短視眼的な「感情」のせいだとする。さらに、激情から犯罪を犯す人はいるが、理性から犯罪を犯す人はいない、とも考える。

 感情に対してこうしたバイアスを持つため、人は常に理性は正しいと考えがちだ。難しいジレンマに直面したとき、ほとんどの人々は選択肢を注意深く評価し、情報を集めて意識的に検討する方法がいちばんいいと考える。

 しかし、もしわれわれの感情が、より賢く、事態をよりよく把握しているとしたらどうだろう。最近、たくさんの変数を含む複雑な決定においては、「感情的なシステム」や無意識のほうが「意識的な脳」よりも優れている場合があるという研究が 行われている(日本語版記事)。

 非合理的で衝動的だとして見下されてきたプロセスが、少なくともある条件下では、より「知的」であるかもしれないのだ

 こうした研究のひとつに、コロンビア大学経営大学院のミシェル・ファム教授が行った研究(PDF)がある。この研究では大学生の被験者たちに、8つの異なる事柄について結果を予測させた

 予測の対象は、2008年に行われた大統領選の民主党予備選挙や、オーディション番組『アメリカン・アイドル』の決勝進出者、ダウ・ジョーンズ工業株価平均、大学フットボールのBCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームの勝者などだ。

 予測対象になった事柄は多方面にわたっていたにもかかわらず、その結果はある共通する傾向を見せた。自分の感情を信じる傾向の強い被験者のほうが、結果を正確に予測する確率が高かったのだ。

 例えば、感情を信じる傾向の強い被験者は、『アメリカン・アイドル』の勝者を41%の確率で言い当てたのに対し、自分の感情を信じない被験者の正答率はわずか24%だった。

 この傾向は株価の予測でも変わらず、「感情派」の被験者は、『スタートレック』のスポックのような「理論派」に比べて、予測の当たる率が25%も高かった。研究を手がけたファム教授は、この現象をわかりやすく「感情によるお告げ効果」(emotional oracle effect)と名付けた。

 こうした逆説的な効果はなぜ起こるのだろうか。答えは「処理能力」にありそうだ。近年、人間の「無意識」大量の情報を同時に処理する能力を持ち、膨大なデータセットでも滞りなく分析できることが明らかになってきている(これに対し、人間の「理性」には非常に厳密な限界があり、一度に処理できるデータは常時わずか4ビット程度だ)。

 では、無意識にはどうやったらアクセスできるのだろうか。そもそも無意識とは、その定義から来るように、「意識の外で」行われていることなのだ。

 ここでになるのが感情だ。

 あらゆる感情はデータの要約、つまりわれわれが意識の上ではアクセスできないすべての情報処理を手早くまとめたようなものだ(ファム教授はこれを、感情は無意識の領域を覗き込むための「専用窓」のようなものだと表現している)。複雑な事象について予測を立てるときには、この余分な情報がしばしば重要になる。これが情報に基づく推測と、単なる偶然との違いだ。

 ......

 それと同様に、ファム教授の研究の被験者もまた、「感情によるお告げ効果」はある程度知識のある事柄においてしか得られなかったようだ。大学フットボールの知識を持たない被験者の場合、BCSナショナル・チャンピオンシップ・ゲームの結果の予測に感情は役立たなかった。

 つまり、われわれの感情は愚かでも万能でもない。感情のお告げは不完全だ。しかし、それでも強い感情というものは、「たとえ何もわからないと思っているときでも、実は脳は何かを知っている」ということの知らせなのだ。

TEXT BY Jonah Lehrer
TRANSLATION BY ガリレオ -高橋朋子/合原弘子
感情が「理性より賢い」とき/WIRED JAPANESE EDITON - SCIENCE/2012.03.06
( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛箇所を施しています。)

 差し当たって、"今、何故、感情なのか?"という文脈に潜む事柄としては、"情報過多"時代でのスピーディな"情報処理""共感"を基軸とした"ソーシャルメディア"の普及と言う点に注目しておきたい...... (2012.03.09)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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