つい先日、( 世界的な食品価格高が再来か!? 米国本土1956年12月以来最悪の"干ばつ"(←異常熱波)!( 当誌 2012.07.18 ) )と "米国の干ばつ" について書いた。
心配性だから目を向けたというよりも、この "干ばつ=穀物不作" による "穀物価格高騰" は、ちょっと大変なことになりそうだと思えたからだ。
今後、"便乗投機" も加わるであろうから、今はまだ序の口なのかもしれない......。
打撃を被るのは一般家庭での家計だが、同時に、豆腐屋さんその他の食品加工自営業者や、牧畜業者への打撃は計り知れないと思われる。このデフレ状況では、価格転嫁の値上げとてままならないからだ。
下記引用サイト記事:大豆先物、連日の最高値更新...小麦なども高騰/YOMIURI ONLINE/2012.07.20 が、最新の "穀物価格高騰" ぶりを伝えている。
しかし、文字面だけでは分かりづらいので、試しに、数字を元にした "推移グラフ" を作ってみた。以下の通りである。
◆ 大豆..................17・49 ドル/1ブッシェル(=約 27 kg)→ 約 648 ドル/1000 kg
◆ トウモロコシ............8.1675 ドル/1ブッシェル(=約 25 kg)→ 約 327 ドル/1000 kg
穀物は、急遽増産に打って出るわけには行かない代物だ。それだからこそ、"価格高騰" が始まると上げ相場は短期では収まらず、得体の知れない成り行きに進みがちだ......。
大豆先物、連日の最高値更新...小麦なども高騰/YOMIURI ONLINE/2012.07.20
【ニューヨーク=小谷野太郎】19日のシカゴ商品市場で、大豆先物の8月渡し価格が一時、1ブッシェル(約27キロ・グラム)=17・49ドルまで上昇し、2日続けて史上最高値を更新した。
主産地の米中西部で猛暑による干ばつが続くとの見方から買い進まれた。
トウモロコシの9月渡し価格は一時、1ブッシェル(約25キロ・グラム)=8・1675ドルと初めて8ドル台をつけ、昨年6月につけた過去最高値を約1年1か月ぶりに更新した。小麦の9月渡し価格も一時、1ブッシェル(約27キロ・グラム)=9・38ドルと約4年3か月ぶりの高値をつけるなど、主要穀物の高騰が続いている。
( 大豆先物、連日の最高値更新...小麦なども高騰/YOMIURI ONLINE/2012.07.20 )
その上日本は、日本のトウモロコシ輸入に占める米のシェアは90%、大豆は66%と圧倒的であることを踏まえると、"米国の干ばつ=穀物不作" は、他人事ではなく "国内事情そのもの" だと見なければならない......。
日本など輸入国に影響 食肉値上がりの可能性/日本経済新聞/2012.07.20
【ワシントン=矢沢俊樹】米の深刻な干ばつは、トウモロコシなどの食糧輸入の多くを米に依存する日本をはじめ各国に様々な影響を及ぼしそうだ。
ビルサック農務長官は18日の会見で干ばつを受けたトウモロコシと大豆の国外輸出について「減少するだろう」と明言。輸出高の縮減幅は「現時点では小さい」としながらも「状況次第だ」と先行きに警戒感を示した。市場では「黒海沿岸の悪天候やエルニーニョの動向なども懸念材料だ」(バークレイズ)との声もあり、干ばつが米以外に広がるシナリオも捨てきれない。
日本政府関係者によると日本のトウモロコシ輸入に占める米のシェアは90%、大豆は66%と圧倒的。米の干ばつが長期化した場合は日本の家計も加工品を含め米国産品の値上がりに見舞われる可能性がある。穀物価格上昇で飼料コストが高くなり、牛、豚など食肉の値段が上がるとの見方もある。日本は豚肉の4割を米から輸入しており、米の価格上昇が波及してくる経路が幅広い。
穀物高騰で相対的に大きなダメージを受けやすい新興・途上国の経済が減速すれば、世界的な景気下押しリスクが強まる恐れもある。
( 日本など輸入国に影響 食肉値上がりの可能性/日本経済新聞/2012.07.20 )
"他人事" 姿勢と "問題先送り" 姿勢で、猶予されていた時間の八割九割を使い潰し、手遅れ以外ではない "場当たり的" 対応( "土壇場勝負" )に終始する愚かしさ!
人が誰しも陥る愚かさではあるが、国が同じことをしているのは許されない...... (2012.07.22)
コメントする