楽天"kobo"現象から覗ける"電子書籍ユーザー像"の要再吟味?! マニア層 → "一般層"?!

| | コメント(0) | トラックバック(0)

 その "扱い方・操作方法" がイージーな "モバイル(型PC)" の急速な普及で、モバイル/PCにおけるユーザーの内実に "少なからぬ変化" がもたらされていることは、これまでにもいろいろと指摘されてきた。
 要するに、"PC" 志向の "マニア型" ユーザーから、"モバイル(型PC)" 活用の "一般層" ユーザーへのシフト! という趨勢だと言える。いわゆる "大衆化" である。
 もちろん、これらの趨勢を陰で推し進めているのは、"IT の発展" によるデバイス操作の "自動化技術" であり、また、デバイス価格低廉化による裾野拡大的な普及であろう。

 こうした趨勢は、デバイスの周辺を起点としながら、あらゆる社会現象に影響を及ぼしている。唐突に言えば、政治ジャンルでの "ポピュリズム" 云々という議論もこの趨勢と無縁ではなかろう。
 それはともかく、今、"モバイル(型PC)" の急速な普及が大きく揺さぶりをかけているジャンルのひとつは、"電子書籍" ジャンルだ。

 "楽天の電子書籍端末「kobo Touch」" の "一連の話題" も、この文脈で考察できるはずだ。
 "一連の話題" 自体に深入りするつもりはない。ただ一点、"UX"(User Experience/利用者体験)の視点からどう評価できるのか、その点だけに関心が向かう。( 参照 「電子書籍とは"UX"(User Experience/利用者体験)によってインスパイアされる商品!」( 当誌 2012.08.03 )

 さて、この辺の事情に関して "やや興味深い視点" を提示している記事があった。
 下記引用サイト記事:楽天「kobo」大不評に見る、電子書籍成功のヒント?/Business Journal/2012.08.08 である。
 <大量の不満レビューから見えてくる「一般層」ユーザー>という "逆説的(?)" な観察である。

 <今回の騒動で意外だったのは、荒れに荒れた楽天レビューや各種SNSコメント等の中に、あまりこの手の端末やサービスに詳しくなさそうなコメントが目立ったことだ。/ ユーザー自身の知識不足や勘違い/ 知識がないのが悪いわけではない。そういう、ごく普通の層がユーザーになったことが驚きだったのだ。/ つまり、楽天で販売されているほかの家電等と同じく、どこか的外れなレビューもたくさんあるという状況は、これまで電子書籍端末に触れてこなかった一般ユーザーを振り向かせることができたということではないだろうか。
と指摘されている。
  言いかえれば、<なによりも価格だ。税込、送料無料の定価が7980円>という点や<告知力と楽天というプラットフォームでの販売>という点によって引き出された事実、それは、<これまで電子書籍端末に触れてこなかった一般ユーザーを振り向かせること>( 一般ユーザーの新規参入? )になったのではないかと。

 この推移こそは、"IT の発展" に促される製品・サービスの急速な普及が辿る典型的な軌跡なのだと改めて思い知らされる。
 そして、そこでは、<ある意味マニア層からは出てこない>ところの "「一般層」ユーザーによる苦情" 散乱に向けた蓋が開いてしまうことになるわけだ......。
 価格面その他によって "ハードルの高さ" の下げられたことが、逆に "新たな問題状況" を照らし出し始める、という成り行き!
 どうも、現代という時代が遭遇している "解き難い難問" の好例が、ここでも立ち上がってきているのだと思えた......。

 楽天「kobo」大不評に見る、電子書籍成功のヒント?/Business Journal/2012.08.08

 楽天の電子書籍端末「kobo Touch」が発売された。発売直後から大変話題になっているが、その内容の大半は悪評だ。

 「初期設定が完了できない」
 「まともに動かない」
 「使えはするものの使いづらい」
 「サポートがなっていない」

 そんな声が方々で渦巻いている。...... 今後どうなっていくのかは、見守っていきたいところだ。

大量の不満レビューから見えてくる「一般層」ユーザー

 今回の騒動で意外だったのは、荒れに荒れた楽天レビューや各種SNSコメント等の中に、あまりこの手の端末やサービスに詳しくなさそうなコメントが目立ったことだ

 例えば、

 「ページ切り替え時に白黒がちらちらする」
 「前ページの残像のようなものが残る」

というコメントがあったが、これはE Inkの一般的な特性だ。基本的に1ページを比較的長めに表示して読む書籍用のものなので、マンガのようにコントラストの強いコンテンツを高速でページ移動する読み方には、あまり向いていない。「暗い部屋で読めない」というのもE Ink端末としては当たり前だ。

 さまざまな苦情の中に、明らかに端末本体や楽天側に問題があると感じられるものと、ユーザー自身の知識不足や勘違いが含まれているものがごちゃ混ぜになっていた。スペック表の読み落としもあれば、楽天側の公表情報に不足があった部分もある。知識がないのが悪いわけではない。そういう、ごく普通の層がユーザーになったことが驚きだったのだ

 日本では、専用端末での電子書籍利用は、かけ声ばかりが大きい状況だ。実際に手にとったことがある人はまだ少数だろう。そして、そうした少数の人々は特別に興味を持っている層で、電子書籍端末といえば、たいていは白黒表示のE Ink採用だということも、E Inkがどういう動きをするものなのかも知っている。そういう層だけが手にとったのならば、こういう苦情は出ない。

 つまり、楽天で販売されているほかの家電等と同じく、どこか的外れなレビューもたくさんあるという状況は、これまで電子書籍端末に触れてこなかった一般ユーザーを振り向かせることができたということではないだろうか

今後の端末&サービス開発のヒントになる?

 それだけ一般層に売れた理由は2つ考えられる。

 まず、なによりも価格だ。税込、送料無料の定価が7980円。さらに楽天では、ユーザーの会員ランクごとにポイントバックキャンペーンを実施した。プラチナ会員だと、実質5000円で「kobo Touch」が購入できたのだ。

 もう1つの理由は、告知力と楽天というプラットフォームでの販売だ。テレビCMまで行って発売を告知したが、楽天でプラチナ会員になるほど買い物をしている人々なら、普段の買い物中に発売前告知を目にすることも多かったはずだ。しかも、その場でクリックしてゆけば予約できてしまうという手軽さは衝動買いを誘う

 5000〜8000円程度で、気軽に購入できる窓口があれば、ふんわりとしたイメージ広告だけでも購入につなげることはできるという実績だ。コンテンツ数などにも他社サービスに比べて魅力的な部分はなかったが、それでも売れた。今の一般ユーザーはこの程度の価格ならば買ってくれるととるか、ここまで価格を下げなければ売れないととるかという問題はあるが、1つのわかりやすい指標になるだろう。

 また、そうして購入したユーザーがどういうイメージを持っているのか、どんなサポートを求めているのかが読み取れるのが、「kobo Touch」に関するレビューだった。

 「アクティベートにPCを使うのは面倒」
 「フォルダ名やユーザー名に日本語が使えないとは想像もしなかった」

という、ある意味マニア層からは出てこないコメントは、製品・サービスづくりにも役立ちそうだ。東洋経済オンラインの記事(http://www.toyokeizai.net/business/interview/detail/AC/4497ab666f3b559b88a3962aaa795a96/)によれば三木谷氏はネガティブなレビューを誤情報として削除したがっているようだが、業界成長のためにもぜひ、取捨選択などせずレビューはすべて公開してほしい。
(文=エースラッシュ)
楽天「kobo」大不評に見る、電子書籍成功のヒント?/Business Journal/2012.08.08

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 電子書籍ジャンルに話を戻すと、電子書籍ユーザー像もまた "分極化"(あるいは多極化)して行くという予感を持たざるを得ない。メジャーであるのは、極力自己エネルギーを消費せずに "臨場感(?)" を追及するユーザーなのかもしれない。ただ、この延長線上に "飽き" という自然現象を予想することは難しくなさそうだ。
 片や、従来どおりの "マニア層" や "自作派" たちの営為......。ネックは "マネタイズ" 問題か?
 さて、そんな構図を想定する時、どんな構想や判断が立ち上がってくるのであろうか ...... (2012.08.10)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 楽天"kobo"現象から覗ける"電子書籍ユーザー像"の要再吟味?! マニア層 → "一般層"?!

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://adhocrat.net/mt/mt-tb.cgi/2022

コメントする

2020年11月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          














関連サイトへのリンク


  • 電子書籍(eBooks)制作にフォーカスしたサイト
  • 明けない夜はないことを確信するサイト
  • Green(地球環境改善)にフォーカスしたサイト
  • ソフトウェア技術者やSEのための評価と育成、人事考課制度を考えるサイト
  • さまざまな業種・業態でご利用可能なモバイル活用の予約システム!
  • 創作小説『海念と保兵衛』のサイト
  • 創作小説『かもめたちの行方』のサイト
  • 当ブログ推奨の商品を展示したAmazon ストアー!
  • 当AdhocBlogブログの過去のエントリー
  • 株式会社アドホクラット当時のサイト

★売れ筋! No.1!
家庭用"放射線測定器"

日本通信 bモバイルWiFi ルータ+1 ヶ月定額SIM BM-U300W-1M
価格:¥ 20,208
国内配送料無料 Amazon





このブログ記事について

このページは、yasuo hiroseが2012年8月10日 00:01に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は、
 「ソーラーパネルの超・低価格化を"ナノ技術"が切り開く!シリコン使わず安価な材料で!
です。

次のブログ記事は、
 「"食料危機再来の懸念"の中、日本の"食料自給率"2年連続40%割れ(主要先進国で最低)!
です。

最近のコンテンツは、
 インデックスページ
で見られます。

過去に書かれたものは、
 アーカイブのページ
で見られます。

年月別アーカイブ

最近のトラックバック