高齢化社会の到来で、"がん" と並び、その発症が不安視されているのが、"認知症"。そして現在、その半数を占めるとされている "アルツハイマー病" への関心は高まるばかり......。
そんな中で、この病の "研究" は進み、その "発症メカニズム" も明らかになりつつあり、また "治療の新手法" の開発もなされている。
◆ 参照 記憶障害を伴う認知症"アルツハイマー病"を注射で治療!原因物質"分解"促進に新手法!(当誌 2013.03.21)
◆ 参照 iPS細胞を使い、認知症の原因でもある"アルツハイマー病"発症のメカニズム一部解明!(当誌 2011.02.24)
ただし、"治療の新手法" 実用化までには相応の時間が必要とされるようであり、それゆえに、もう一方で "早期発見と対策" が求められるというのが実情のようだ。
下記引用サイト記事:アルツハイマー、脳波で早期診断 14年実用化へ/日本経済新聞/2013.05.11 によれば、
<アルツハイマー病は治らないが、早期に診断がつけば進行を遅らせることは可能>だそうなのである。
だが、問題となるのは、
<現在は医師による専用テストと脳の画像からアルツハイマー病かどうかを判断するが、早期診断は難しい> という状況だと言う。
そこに登場したのが、<脳波で早期診断> という "新手法" !
<アルツハイマー病を脳波を使って早期診断する手法を開発/ 多くの病院が持つ脳波測定装置を改良するだけで検査でき、費用も数千円程度に抑えられる。2014年を目標に実用化>
その "診断精度" は、<86%を検出> とされるから、信頼性が高いと言ってよさそうだ。
"早期発見" によって病状の進行を遅らせ、"治療の新手法" を待つ......、という "希望" も生まれそうである......。
アルツハイマー、脳波で早期診断 14年実用化へ/日本経済新聞/2013.05.11
東京工業大学発ベンチャーの脳機能研究所(横浜市)は、アルツハイマー病を脳波を使って早期診断する手法を開発した。多くの病院が持つ脳波測定装置を改良するだけで検査でき、費用も数千円程度に抑えられる。2014年を目標に実用化し、データ解析を請け負う形で事業化する。
現在、認知症の患者数は約300万人とされ、その半分がアルツハイマー病といわれる。アルツハイマー病は治らないが、早期に診断がつけば進行を遅らせることは可能。現在は医師による専用テストと脳の画像からアルツハイマー病かどうかを判断するが、早期診断は難しい。
新しい診断法では、認知機能の低下など症状が出る前の脳の神経細胞の働きが弱まった段階で脳波に現れる微妙な変化をとらえる。あらかじめアルツハイマー病の初期に特徴的な脳波のパターンを数人の患者から導き出した。検査で脳波を測り、このパターンと照合して判定する。
実際の検査では既存の脳波測定装置に21個の電極が付いた帽子型の装置を付け、約5分間、脳波を測定する。筑波大学などと共同で約400人の脳波データを調べたところ、数年後に実際にアルツハイマー病を発症した人の86%を検出できた。病院で測った脳波のデータをインターネット経由で送り自動解析して返信するシステムを構築しており、脳波測定装置を持つ病院であればどこでも活用できるようにした。
また、脳血管が詰まって起きるタイプの認知症も同じ手法で早期診断できるとみており、富山大学と共同研究を進めている。( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)
この "新手法" が評価できるのは、"早期診断" を可能とした点だけではなく、<多くの病院が持つ脳波測定装置を改良するだけで検査でき、費用も数千円程度に抑えられる> という低コスト面や、<データ解析を請け負う形で事業化> というビジネス的斬新さではないかと思う...... (2013.05.13)
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