現在、がんの患者数が一位、二位を占める "大腸がん" の検診/発見は、人間ドックなどに組み込まれた "大腸内視鏡検査" というのが定番だ。
※ 大腸内視鏡検査 ...... 検査前処置用下剤服用 → 肛門から直径約13mmの内視鏡挿入 → 5分ほどかけて大腸の一番奥まで観察 → "ポリープ" の発見/組織採取
◆ 参照 サンプル採取による大腸がん発見
○ <大腸がんや胃がんの患者から採取したサンプルで検証......専門の医師の判断と8~9割が一致......測定から照合結果が出るまでの時間は約2分......病理診断に利用できる水準。データを蓄積すればさらに精度が高まる可能性がある......>( がんの有無を"2分で診断"(山梨大など)!がんの組織検査/生検での複雑な前処理が不要!/当誌 2014.02.26 )
こうした "相応の負担感(!?)" を伴う検診をどう受けとめるかは人それぞれかもしれないが、"もっと簡便な検査方法" を望む声は少なくなかったはずだ。
下記引用サイト記事 : 微量の血液で大腸がん発見 国立がんセンターが開発/朝日新聞/2014.04.17 - 14:40 は、まさにこれに応えるものであろう。
<早期の大腸がんを数時間で見つける方法を、国立がん研究センターなどの研究チームが開発した。ごくわずかな血液で調べることができ、従来の方法よりも精度が高い。数年以内の実用化を目指すという/ 細胞が分泌する「エクソソーム」という微粒子に着目。大腸がん細胞のエクソソームに特異的に多く含まれる物質を発見し、0・005ミリリットルの血液からそれをとらえて光らせる方法を開発した。1時間半から3時間で検出できる/ 大腸がん患者194人の血液を調べたところ、約5割から検出。健康な191人から検出されたのは、1人だけだった。大腸がん特有のほかの物質も特定し、検査の精度をさらに上げることを目指す> とある。
微量の血液で大腸がん発見 国立がんセンターが開発/朝日新聞/2014.04.17 - 14:40
早期の大腸がんを数時間で見つける方法を、国立がん研究センターなどの研究チームが開発した。ごくわずかな血液で調べることができ、従来の方法よりも精度が高い。数年以内の実用化を目指すという。研究成果を英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に発表した。
センターの落谷孝広・分子細胞治療研究分野長らは、細胞が分泌する「エクソソーム」という微粒子に着目。大腸がん細胞のエクソソームに特異的に多く含まれる物質を発見し、0・005ミリリットルの血液からそれをとらえて光らせる方法を開発した。1時間半から3時間で検出できるという。
大腸がん患者194人の血液を調べたところ、約5割から検出。健康な191人から検出されたのは、1人だけだった。大腸がん特有のほかの物質も特定し、検査の精度をさらに上げることを目指すという。
国内で大腸がんになる人は胃がんの次に多く、近い将来に最も多くなると予測されている。がん患者のうち、女性では大腸がんで亡くなる人が最も多い。
現在検診で利用される、便に含まれる血液を調べる便潜血検査は、陽性が出た人のうちがんだったのは約4%という調査もあり、精度が高くない。
落谷さんは「新しい方法は早期の大腸がんを発見するのに優れ、簡単で精度が高く、患者の負担を減らせる。早期診断が難しい膵臓(すいぞう)がんや、がん以外の疾患の診断法にも応用できる可能性がある」と話している。(伊藤綾)
◆ 参照記事
○ NEDOら 微量な血液検査で大腸がん診断を可能に/QLife Pro/2014.04.17
○ 微量な血液検査で短時間に大腸がんを発見 ―半日以内、早期大腸がんの診断も可能に―/NEDO 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構/2014.04.08
上記記事の研究成果のメリットは、<新しい方法は早期の大腸がんを発見するのに優れ、簡単で精度が高く、患者の負担を減らせる> という点であるとともに、<早期診断が難しい膵臓(すいぞう)がんや、がん以外の疾患の診断法にも応用できる可能性がある> という "汎用的応用" への可能性にもありそうだ...... (2014.04.19)
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