がんワクチン治療:"遺伝子組み換え麻疹ワクチン"の高い投与量で、がん消滅!(米研究)

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 "がん治療法" として一般的なものは、いわゆる "三大療法"(除去手術/抗がん剤/放射線)と呼ばれる治療法であることはよく知られている。
 そして、今ひとつ注目されているのは、"がん免疫(細胞)療法" であろう。


 ◆ 参照 "がん免疫(細胞)療法"/最近の各種動向一覧!最新:腫瘍細胞免疫回避の一要因 PD-L1!/当誌 2014.04.17 )

 この "がん免疫(細胞)療法" の一翼を担ってきたものに、"がんワクチン療法" というアプローチがあり、その要点は次のとおりである

 <がんワクチン(英: cancer vaccine)は、発がんウイルスの感染阻止や、がんの治療目的で使用されるワクチンのことを指す/  がんワクチンとは、がん細胞に多く発現し正常細胞には全く発現せず、がん特異性で、かつ強い免疫原性(抗原が抗体の産生や細胞性免疫を誘導する性質)をもつ、がんの予防や治療を行なうために用いる(ワクチン製剤である> ( 下記引用サイト記事 1がんワクチン/ウィキペディア 参照 )

 今回注目する下記引用サイト記事 1遺伝子組み換え麻疹ワクチンでがん消滅、米研究/時事ドットコム/2014.05.16 - 13:43 は、この "がんワクチン療法" による最新の研究成果を報じているものかと思われる

 <遺伝子組み換え麻疹ウイルスの有効量投与により、女性患者のがんを完全に消滅させたとの研究論文が14日、米医学専門誌「メイヨー・クリニック紀要」に発表された/  当時49歳の女性患者は、多発性骨髄腫と呼ばれる骨髄がんの一種と診断された。額に腫瘍があり、骨髄にがんが拡散 ―― がんは他の治療法の選択肢がない程度にまで拡散していた ――/  この治療法の共同開発者で、米総合病院メイヨー・クリニックの血液学者、スティーブン・ラッセル氏率いる研究チームはこの患者に、骨髄腫の形質細胞に対して選択的に毒性を示す麻疹ウイルス「MV-NIS」の静脈内投与を1回行った/  麻疹ワクチンの標準的な投与量には、1万感染単位の麻疹ウイルス......今回の研究で用いられた投与量は、1000億感染単位/  間もなく額の腫瘍は消え、骨髄はきれいになった。「彼女は目覚ましい反応を示した」  女性患者のがんの寛解状態は9か月間続いた  額の腫瘍が再発し始めた際には、局所放射線療法による治療が施された/  研究で行われた治療では、1回の投与で長期の寛解状態を得ることができた  現在50歳の女性患者の健康状態は良好で、今も体にがんがないことが来月の診察で明らかになるのを楽しみにしている/  今回の研究では、どちらの患者にも可能な限り高い投与量による治療が初めて実施された。これまでの低い投与量では効果がみられなかったためだ> とある。

【 引用記事 1 】

 遺伝子組み換え麻疹ワクチンでがん消滅、米研究/時事ドットコム/2014.05.16 - 13:43

【ワシントンAFP=時事】 遺伝子組み換え麻疹ウイルスの有効量投与により、女性患者のがんを完全に消滅させたとの研究論文が14日、米医学専門誌「メイヨー・クリニック紀要」に発表された。(写真は資料写真)

 当時49歳の女性患者は、多発性骨髄腫と呼ばれる骨髄がんの一種と診断された。額に腫瘍があり、骨髄にがんが拡散していた。

 この治療法の共同開発者で、米総合病院メイヨー・クリニックの血液学者、スティーブン・ラッセル氏率いる研究チームはこの患者に、骨髄腫の形質細胞に対して選択的に毒性を示す麻疹ウイルス「MV-NIS」の静脈内投与を1回行った

 麻疹ワクチンの標準的な投与量には、1万感染単位の麻疹ウイルスが含まれている。今回の研究で用いられた投与量は、1000億感染単位だった。
 初期段階では激しい頭痛などの副作用がみられたものの、間もなく額の腫瘍は消え、骨髄はきれいになった。「彼女は目覚ましい反応を示した」とラッセル氏は述べた。
 同氏によると、女性患者のがんの寛解状態は9か月間続いたとされ、額の腫瘍が再発し始めた際には、局所放射線療法による治療が施されたという。

 ラッセル氏は、「研究で行われた治療では、1回の投与で長期の寛解状態を得ることができた」と述べ、将来的には1度きりの治療ですむようになると信じていると期待を寄せた。
 米紙ミネアポリス・スター・トリビューンが伝えたところによると、現在50歳の女性患者の健康状態は良好で、今も体にがんがないことが来月の診察で明らかになるのを楽しみにしているという。
 一方で、研究対象となったもう別の女性患者については、同様の好結果は得られなかった。今回の治療法では、両脚にある大きな腫瘍を全滅させるまでには至らなかったという。
 だが研究チームは、高度な画像調査技術を用いて患者体内の麻疹ウイルスの経路を追跡し、腫瘍が成長している領域を同ウイルスが実際に攻撃していることを確認した。

 ■ 可能な限りの高い投与量

 今回の研究では、どちらの患者にも可能な限り高い投与量による治療が初めて実施された。これまでの低い投与量では効果がみられなかったためだ
 どちらの女性患者も、過去に麻疹ウイルスに接触した機会は少なく、がんは他の治療法の選択肢がない程度にまで拡散していた
 カナダ・オタワ病院研究所のジョン・ベル氏は、本論文に付随して掲載された論説で、今回示された証拠には「説得力がある」と述べている。
 「行うべき研究はまだ数多く残されているが、この種の治療学の臨床的な可能性を実証する胸躍る結果だ」とベル氏は記している。【翻訳編集AFPBBNews】

〔AFP=時事〕(2014/05/16-13:43)
この記事の英文はこちら【英文時事コム】


【 引用記事 2 】
 がんワクチン/ウィキペディア

がんワクチン(英: cancer vaccine)は、発がんウイルスの感染阻止や、がんの治療目的で使用されるワクチンのことを指す

がんワクチンとは、がん細胞に多く発現し正常細胞には全く発現せず、がん特異性で、かつ強い免疫原性(抗原が抗体の産生や細胞性免疫を誘導する性質)をもつ、がんの予防や治療を行なうために用いる(ワクチン製剤である。通常はワクチン製剤樹状細胞によりヒト白血球型抗原 (HLA) を介しリンパ球細胞傷害性T細胞、細胞傷害性リンパ球)に抗原を提示して活性化させ、そのリンパ球ががん細胞を攻撃することにより、治療を行なうワクチン製剤である。ワクチンの効果を高めるため、アジュバンド(免疫賦活剤)と呼ばれる補助薬剤を通常併用する。このアジュバンドによりワクチンの効果に大きな違いが生じる場合がある。がんワクチンは必ずしも腫瘍の縮小を目指さないことから、抗がん剤などとは違った薬効の評価がなされるべき、と主張する研究者もいる。

なお、一般にワクチンとはウイルス細菌などによる特定の感染症を予防する製剤であり、そのようなワクチンの中には子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)への感染を防ぐものもある(このワクチンは子宮頸がんを治療するワクチンではない。子宮頸がんワクチンを参照)。

( ※引用者注 ―― 文意を損なわないよう留意して割愛しています。)

 上記記事での "女性患者" は、<がんは他の治療法の選択肢がない程度にまで拡散していた> とある。
 図らずもその点から、"末期がん" だと診断された "がん患者" が、最後に希望を託すのが "がんワクチン療法" だ、と言われてきた経緯を思い起こす......。
 今回の研究成果のような "胸躍る結果" が、今後も再現され続けることを期待したい
...... (2014.05.18)













【 SE Assessment 】 【 プロジェクトα 再挑戦者たち 】








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