"アルツハイマー病" 患者数は、全世界で4400万人に上り、50年には1億人を超えると推測されているという。先進諸国での高齢化の趨勢が拍車を掛けているようだ。
にもかかわらず、"アルツハイマー病" に対する "治療薬" の "開発" 状況が、現状芳しくないのだそうである。
ちなみに、国内での "アルツハイマー病向け治療薬" の状況は以下のとおり。
◆ 参照 当誌過去の "アルツハイマー病向け治療薬" 関連記事
○ <アルツハイマー型の認知症には有効な薬が 4種類/ 以前は、アリセプトという薬だけだったのですが、3年ほど前からレミニール、リバスチグミンパッチ、メマリーという薬が出て来て、治療薬の選択肢が随分増えてきました/ アリセプト、レミニール、リバスチグミンパッチは同じ系統の薬(コリンエステラーゼ阻害薬)なので、一緒に使うことはできません/ メマリーという薬は、この3種類とは別系統の薬(NMDA受容体拮抗薬)なので、一緒に使うことができます/ アリセプト、レミニール、リバスチグミンパッチは、コリンエステラーゼ阻害薬と呼ばれ、アセチルコリンという物質を脳の中で増やす働きがあります/ アルツハイマー型認知症になりますと、アセチルコリンという物質が減ってきます。アセチルコリンが減るたびに、物忘れが起こってくるのです。減ったアセチルコリンを増やすことによって、記憶を改善させる働きがあります/ アリセプトには5割ほどの「改善」例がありますが、「不変」例は35%/ アルツハイマー型認知症のように、ゆっくりと徐々に進行してくる病気の場合には「不変」であっても進行を抑制できている可能性がある/ 「不変」であっても「効果」のうちである可能性がありますので、安易に服用をやめないようにしていただきたい/ リバスチグミンパッチは、レミニールやアリセプトと同じ系統のコリンエステラーゼ阻害薬ですが、違いは貼り薬だということです。これを胸や背中に貼ると、効果が出ます/ メマリーは、コリンエステラーゼ阻害薬と併用することができるのですが、病気がある程度進行した人に対して使うことができる薬/ 薬の選択の幅は広がっているのですが、残念ながら、まだ根本的にアルツハイマー型認知症を治せる薬はありません> ( 増えてきた"アルツハイマー病の治療薬"!気をつけておくべき"要注意事項"がありそう!/当誌 2014.05.01 )
今回注目する下記引用サイト記事 : 治療薬開発が停滞/47NEWS - 医療新世紀/2014.07.22 は、こうした "アルツハイマー病向け治療薬" の "開発" が "低迷している" 状況について報じている。
<認知症の主な原因であるアルツハイマー病の治療薬開発はほとんどが失敗しており、新たな発想での開発が急務だとする論文を米国の研究チームが英医学誌に発表した。/ チームが2002~12年に米国で実施されたアルツハイマー病の新薬の治験413件を調べたところ、99・6%は失敗しており、がんの新薬開発の失敗率(81%)に比べ高いことが分かった。また09年をピークに治験の件数が減っていることも明らかになった/ アルツハイマー病患者は全世界で4400万人に上り、50年には1億人を超えると推測される。一方、承認された薬は進行を遅らせる2種類計5剤にとどまっている> とある。
端的に言って、"新薬開発" の難易度は思いのほか高いということなのであろうか......。あるいは、隠れた別の要因でも潜んでいるのだろうか......。それにしても、<新たな発想での開発が急務> という指摘はどう実現されていくことになるのか......。
治療薬開発が停滞/47NEWS - 医療新世紀/2014.07.22
認知症の主な原因であるアルツハイマー病の治療薬開発はほとんどが失敗しており、新たな発想での開発が急務だとする論文を米国の研究チームが英医学誌に発表した。
チームが2002~12年に米国で実施されたアルツハイマー病の新薬の治験413件を調べたところ、99・6%は失敗しており、がんの新薬開発の失敗率(81%)に比べ高いことが分かった。また09年をピークに治験の件数が減っていることも明らかになった。
アルツハイマー病患者は全世界で4400万人に上り、50年には1億人を超えると推測される。一方、承認された薬は進行を遅らせる2種類計5剤にとどまっている。
"新薬の治験" の<99・6%は失敗> という事実に加えて、<09年をピークに治験の件数が減っていることも明らか> とあり、何か不可解さが禁じえない...... (2014.07.24)
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